◆二酸化炭素の削減で利益を得るのは誰か?
二酸化炭素の削減に最も積極的なのはヨーロッパ各国である。
ヨーロッパでは戦後の工業化で自然破壊がいち早く深刻になっただけに、早くから環境問題に積極的に取組んできた。
また、自らの手で「環境を守ろうという」市民運動も定着している。
しかし、
ヨーロッパの環境重視は“社会のコスト高”という一面を産んだ。
一方で、近年急速な経済発展を始めたアジアの国々では、環境問題があまり重視されず、環境保護に掛るコストを負担せずに安い製品を世界中に売り、
ヨーロッパの高い製品は駆逐されてしまった。
これではヨーロッパ諸国としては納得が出来ない。
世界市場は工業製品のモノ余りが次第に深刻化して、自動車、船舶、航空機などの輸送機械の生産設備は飽和状態になっている。
衣料品や雑貨、家電製品などの多くも、似たような状況だ。
そんな中、中国やインド、中南米などの新興国では、今後も工場が増えそうな状況で、そうなると
価格の引き下げ競争はさらに激化し、労働コストが高いヨーロッパ、アメリカ、日本などの製品は売れなくなってしまう。
特に高福祉社会のヨーロッパは、福祉コストも上乗せされるため、安く商品を作れない。
何らかの歯止めを掛けねばと、ヨーロッパ諸国が考えたのは当然である。
新興国の工業化による環境破壊でまず目に付くのは、水質汚染や大気汚染といった従来型の公害だが、これらはほとんど、工場がある国の内部の問題で、外国がとやかく言えるものではない。
仮に、ヨーロッパの市民団体が、中国の工場の煤煙や排水による中国の国民への悪影響を問題にしたとしても、世間を強く注目させるのは難しく、内政干渉の批判も受け、各国の政府からの賛同も得にくい。
その点、地球温暖化なら話は早い。中国の工場が出している二酸化炭素で、全世界が影響を受け、
地球そのものが脅威にさらされている、と言うことができる。
根拠のない温暖化と二酸化炭素との関係を、あたかも自明の理であるように思わせるのが、「環境問題」という言葉の魔力である。
それとは別に、地球温暖化が「太陽活動によるもの」であるより、「人為的に排出二酸化炭素によって、温暖化が進む」という脅威を煽ったほうが、
新しいビジネスを生み易いということもある。
そもそも、二酸化炭素悪玉説がこれほどまでに急速に世界に蔓延した背景には、自然科学分野の地道な研究などはなく、原子力エネルギー推進などの経済的・政治的背景が強力に後押ししたためでもある。
しかし軍事産業や核関連産業は批判の的になりやすい、
ハイテク戦略商品分野で復権を果たそうとする先進工業国にとって、エコ産業は格好の産業分野だったわけだ。
企業としてもダーティーなイメージを隠して、クリーンイメージを前面に押し出す歓迎すべき絶好の材料であった訳だ。
とどの詰まりは温暖化現象の原因が
「二酸化炭素」であれば金儲けの種になるが、周期性のある「太陽活動」では金儲けにしずらいという、それだけの事なのである。