2018/6/8

19cジャンビ向けジャワ更紗”バティック・ジャンビ”  染織





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製作地 インドネシア・ジャワ島北岸地域
使用地 インドネシア・スマトラ島 ジャンビ Jambi
製作年代(推定) 19世紀末
素材/技法 木綿、天然染料/型捺し及び手描きによる蝋防染、媒染、両面染め
サイズ 布幅88cm、全長222cm


インドネシア・ジャワ島北岸で手掛けられ、スマトラ島東南部の“ジャンビ(Jambi)”で使用された木綿ろうけつ染め布”カイン・バティック(kain batik)”、19世紀末のアンティークの作品です。

“ジャンビ”は古代ムラユ王国の都であり、南スマトラ州の“パレンバン”とともに古い時代より海上交易の重要中継都市として栄えてきた土地となります。

イスラーム宮廷・貴族等上層階級のための衣装・調度品として、インド更紗やパトラを筆頭に様々な種類の染織作品が交易品としてもたらされたのもパレンバンと同様ですが、このジャンビはとくに“ろうけつ染め(バティック)”が愛用された地であり、20世紀初頭までのジャンビ王国の時代、この地固有の独自のデザイン様式を有するろうけつ染め作品がジャワ島北岸の地からもたらされ使用されました(後年ジャンビでも製作が行なわれる)。

大小の円花文様・星状文様と菱格子繋ぎで構成された肩掛け(スレンダン)サイズの本布は、明らかにスマトラ向けインド更紗(スマギ)のデザインがバティックに写されたもので、濃藍と海老茶の暗色を基調とする色彩、意図的に加えられた蝋防染のひび入れ、織物のフリンジが意匠化された櫛状文様“シシル・ブガントン”など、随所からジャンビ好みバティック固有の様式美が伺われる一枚となります。

ジャワ島北岸において茜染めの産地”ラスム(Lasem)等が繁栄していた全盛期の19cに手掛けられたモノで、型捺し(チャップ)と手描き(トゥリス)の併用により文様付けがなされておりますが、文様内部の緻密かつ流麗な手描き白抜き線はインド更紗におけるカラムカリを彷彿させるもので、天然染料の高度な媒染技術、濃厚な色味の完成度の高い両面染めを併せ、作品からは19c交易用バティックたる技術の高さと格調の高さが感じられるところとなります。

20世紀初めには失われてしまった色、そして素材感・技巧・意匠のものであり、19cジャンビ向け交易バティックの薫り高き逸品です。






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●本記事内容に関する参考(推奨)文献
 



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