10月30日、火曜日。
『ふたつのスピカ』を読む。
西暦2010年、日本初の有人宇宙探査ロケット「獅子号」が打ち上げられた。
しかし、上昇中に補助ブースターが爆発し、獅子号は鴨川アスミの住む唯ヶ浜に墜落。
搭乗員は全員死亡、民間人にも多数の死傷者を出す大惨事を引き起こす。
これにより、日本の宇宙開発は大きく遅れる事になった。
数年後、事故で母親を亡くしたアスミの前に、獅子号の搭乗員の幽霊であるライオンさんが現れる。
ライオンの被り物をした彼の姿は、不思議な事にアスミにしか見えなかった。
彼は独りぼっちだったアスミに、自らが果たせなかった宇宙への夢を語った。
その話を聞いてライオンさんと「ある約束」をしたアスミは、大きくなったらロケットの運転手になる、と心に誓う。
ある夜ライオンさんは、アスミにおとめ座のα星・スピカの話をした。
スピカが連星であること、ふたつのスピカが支えあって一つの輝きを生んでいること、どちらかひとつが消えてなくなるまで…。
ずっと一緒にいて欲しい、と言うアスミに、ライオンさんは、そこに星がある限り一緒にいる、と答えるのだった。
中学卒業後、東京宇宙学校に進学したアスミは、そこで同じ夢を持つ掛け替えのない仲間に出会う。
様々な困難を乗り越えながら、アスミは仲間と共に宇宙を目指して進んで行く。
ウィキペディアよりあらすじ抜粋
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%B5%E3%81%9F%E3%81%A4%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%83%94%E3%82%AB
最初見た絵の印象から、少女向けの夢想小説かな、と思ったら、はっきりと違った。
幽霊とか死後の世界とかでてくるものの、内容はかなりリアルなロケット打ち上げを中心としたSF。
生まれつき小さな体を持ちつつも、それをハンデと考えずにひたすら前向きに努力するアスミ。
少々おせっかいが過ぎるけれど、明るくて人付き合いも良い近江圭。
飄々とした用紙行動とは裏腹に、代議士である父親の反対を押し切って宇宙学校へ進学したために実家から勘当されるも、学費と生活費を自分で稼いで宇宙を目指している鈴木秋。
アスミの幼馴染で、浮世離れしたアスミを突き放すようにしていながらも、なにかと気にかけている府中野新之介。
大変な負けず嫌いで、無愛想、人嫌いで他人を全く信用せず、周囲と打ち解けようとせず、自分を知る人が誰一人いない場所へ行きたい、という理由で宇宙を目指していた宇喜多万里香。
それぞれが、それぞれの事情を抱えつつも、仲間としてお互いを支えあって、同じ目的である宇宙を目指し、成長していく。
なるほど、これはNHKがアニメにしたがるのも納得な、良作である、と一言では簡単に言えるのだが。
その内容は決して押し付けがましいものではなく、
アスミの成長とともに、成長していく仲間たち。
その描かれ方が非常に自然で、時に感情移入してドキドキしてみたり、ほろっとしてみたりしてしまう。
なんというか、大人向けの童話、そのなかでも非常によく出来た作品だと思う。
まだ作品は途中なのだが、これからアスミや仲間たちがどうなっていくのか、非常に楽しみだったりするのです。