ひとは、ある時は愛せますが、ある時は愛せません。
あの人がひとを愛したからといって、この自分がひとを愛せるかといえば、そうは言えないのです。
したがって私たちの目の前には、いわゆる模範はありません。
あの人が愛したから私も愛せるはずだ、とは言えないのです。
愛は神の恵みだからです。
当然のことながら、逆に、私が愛せたからあの人も愛せるはずだ、ということもないのです。
そして同じ人間が、きのうは愛せても、きょうは愛せないこともある。
きょうは愛せなくても明日は愛せる、そういうこともあるのです。
私たちは神が与えたもう恵みのままに生きるのであって、その意味では、一瞬一瞬を生きることだけが重要だと思われます。
佐久間 彪「遠く離れて」『神 ひと 宇宙』至光社、pp.303-304.