2006/3/23
映画の中に、中国で抑留中にかかれた日本人将兵の調書が出て来る。いわゆる「鬼」に関するものだ。これらの記憶は文章として残っている。戦犯管理所に抑留中に、いわば自白調書のような位置づけでかかれたものだ。戦時における非人道的行為の告白と認罪の文章である。赤裸々な事実の告白は読むものに、戦争というものの知らせる。
この間の事情は中国からの帰還者の著わした多くの出版物に詳しく出ている。
いくつかをあげる。
「私たちは中国で何をしたか」中国帰還者連絡会議/三一書房
「中国から帰った戦犯」島村三郎/日中出版
「ある憲兵の記録」朝日新聞山形支局編/朝日新聞社
「菊と日本刀」鵜野晋太郎/谷沢書房
「白狼の爪跡」永富博道/新風書房
中国側から書かれたものとして
「覚醒ーー日本戦犯改造の記録」中国帰還者連盟訳編/新風書房
以上のながれをまとめ、かつ戦争犯罪をおかしていく人間の心理をえぐった名著として
野田正彰「戦争と罪責」があげられる。極限状態のなかで、人間がどのように変化するかしないか、あるいは変化した人間がその変化をどう受け止め消化していくのか、あるいは蓋をし抑圧していくのかを追求したもの。
そのなかで明らかにされていくのは、結局、現時点で過去の記録として読んでいる読者自身が、そのように変化しうるということだ。ごく普通の人間が戦争によって「鬼」に変化したのなら、ごく普通のわたしも「鬼」になるということだ。私たちは戦争と平和を考える時、過去のこと、あるいは未来のことと考えて、リアルなものとして考えていないかもしれない。問題はそこだ。
上の体験の記録とあわせて是非読まれたいもの。
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