『愚者と愚者(上)野蛮な飢えた神々の叛乱』 著・打海文三
愚者と愚者は、本当は今年の初めに上下巻を読み終わったのですが、上下巻を読みきるのに1ヶ月近く掛かってしまったので、もう1度読んだ上で今回、感想を掲載することにしました。
まず初めに、愚者と愚者の全体のあらすじです。
前作の裸者と裸者のラストで、暫定統治評議会が発足して、ひとまず平和な時が訪れたかと思われました。けれども、それも束の間、常陸軍ではゲイへの差別問題が浮上。ゲイ問題が収束する後半の方になると今度は黒い旅団が首都圏に決死の思いで侵攻、宇都宮軍はほぼ崩壊、短期間のうちに首都圏の情勢は様変わりします。(下巻になると更に情勢は変わっていきます)
また、上巻の主人公である佐々木海人も大佐に昇進、振り返ると3500人の孤児部隊を率いる司令官になっています。
裸者と裸者を読み終わった時は、これで戦乱の世の中も終わって復興に向かうのかなと思っていました
(※1)が、戦乱の世の中は終わるどころか更に激しさを増しています。
特に、後半の黒い旅団の首都圏侵攻は読み応えがありました。補給基地である高崎市を捨てて、首都圏に決死の思いで侵攻とはすごいとしか言いようがありません。おかげで、首都圏でも精鋭の常陸軍の孤児部隊が敗走する結果になってしまいますからね。
そのせいか、前半はゲイへの差別問題と、常陸軍のお家騒動が物語の中心で、少々、ネチネチとした物語の進行でしたが、後半は戦争がメインになるだけあって軽快な物語の進行だったと思います。
※1:裸者と裸者を読み終わった時点では、まだ愚者と愚者の存在を知りませんでした。
まぁ、ゲイへの差別問題は物語中でも相当根が深いですからね。ネチネチとした進行になるのもしょうがないのかもしれません。結局、大衆の狭い範囲の常識の中では、ゲイやレズビアンは異常という判断がなされるでしょう。故に、人々はそういう話に興味を持つのかもしれません。
例えば、修学旅行の時に、クラスメイトのA君が言うには、A君の中学時代の同級生で、男子校に行ったある男子が、ある時、トイレで男の先輩とアナルセックスを愉しみ、その様子を自分の携帯に撮ったらしいです。私自身、「マジかよ」と、思いました。案の定、それをきっかけに同性愛者の話で短い間ですが盛り上がりました。その一部を抽出すると、
「世界の人々の10人に1人が同性愛者と言うからな」
と、ある友達が言うと、別の友達が、
「それじゃ、うちのクラスにも4人、同性愛者がいるってことか」「特に、男子校とか行くとゲイとかに目覚めるらしいぞ」
こんな感じで話が盛り上がっていました。基本的に私は、こういう性的な話にはあまり口を挟みたくないので、その話題の間はずっと黙っていました。修学旅行と言う普段と違う環境ではありますが、結構な人がこういう異常な恋愛(そもそも、我らが普通と考える男と女の恋愛も普通と言えるのかどうかは疑問と言えます)に興味を持っていると言えるでしょう。
さて、話は大きく変わって、と言っても性的な話ですが、愚者と愚者でも海人のエッチシーンは何箇所か織り込まれています。が、どれもこれも海人は自分より年上の人とやっている描写なのですよね。12歳の時に竹内里里奈と初Hするから、海人は何歳自分より歳が上であっても行為にいたるようになってしまったのでしょうか。
上巻の感想はこれで終わりです。下巻の方は、目下、読んでいるところですので、読み終わり次第、感想を書いていきたいと思います。
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