『地球の切り札 B地球の未来は任されました』 著・鷹見 一幸
〔あらすじ〕
細香の強力な力を狙う悪者から、何とか細香を守りきってきた健吾たち。
次なる敵は、経済的な利益のためならどんなことでもする宇宙通商連合だった。
幾億もの艦隊が地球に迫る。その時健吾は……。
〔感想〕
遠い未来の世界を描いた、スペース・オペラの『でたまか』を、現代の世界でやってみせた作品です。艦隊の配置や用兵まで『でたまか』でやっていたことを健吾たちはやります。
『地球の切り札』シリーズは、これまでとは少し変わった作品とは聞いていましたが、結局は、(良い意味で)いつもの鷹見一幸作品であると思います。
本作では、ついに宇宙通商連合の艦隊が地球に迫ってきます。これまではシンジケートの十四号やホルディナンド王子のように少数の敵でしたが、今回は億単位の敵が地球を狙って大挙します。
ここまで来ると健吾と細香、防衛委員のメンバーでは対処できなくなります。しかも、地球の文明レベルでは敵艦隊には歯が立ちません。ここはカミラ先生たち、地球に来ていた(馴染んでいた?)異星人の力を借りることにしますが、どう足掻いても頭数が足りません。
兵器はフリーマーケットから調達できましたが、それを操作する人は絶対的に不足しています。この問題を解決するにはどうするか。健吾たちは、地球防衛の戦いをネット・ゲーム化して絶対的に不足する兵士の数を補う作戦に出ます。
この後は、お決まりのパターンです。健吾たちは奇手奇策を弄しながら宇宙通商連合の艦隊と真っ向からぶつかって行きます。宇宙空間での戦闘ではありますが、最後には細香の出番もちゃんとあります。
最後はだいぶゴリ押しな感じもしますが、シリーズ全体を通して見るとまま面白いお話だったかと思います。おそらく、売れ行きが思った以上に伸びなかったようで、『地球の切り札』は3巻で終結を見ます。防衛委員の特殊能力があまり活かせなかったのは、少々残念なところではあります。さて、次回はどんな物語が来るのでしょうか。
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