2017/5/22

C919はボーイング、エアバスの牙城を崩せるのか  機材開発



C919がFAA型式証明を得られるのか、仮に取得しても販売後のサポートをする仕組みを構築できるのか極めて注目されるところです。中国市場は巨大ですからもし国際市場へ参入できずとも需要に応じた成功は収められるでしょうが、安全でない機体には乗りたくないですね。


Comac C919 Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

Will ‘Made in China’ Threaten Boeing and Airbus?: QuickTake Q&A 「メイドインチャイナ」機材はボーイング、エアバスの脅威になるのか

Bloomberg News

2017年5月4日 6:00 JST 2017年5月5日 17:04 JST

https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-05-03/will-made-in-china-threaten-boeing-and-airbus-quicktake-q-a


中国の航空界に2015年11月は重要な時となった。国営企業Comac中国商用飛機が初の国産ジェット旅客機ARJ21(90席)の納入を開始したのだ。2017年5月はさらに重要になりそうだ。Comacが大型のC919初飛行に成功したためだ。こちらの機体はボーイングとエアバスを狙う一方で、中国市場だけでこれからの20年間で5000億ドルの規模になるとみられる。

1. C919とはどんな機材なのか

C919は158席から174席で横6席の機内で、いわゆる単通路機市場でボーイング737やエアバスA320ファミリーを直接狙う機材だ。Comacが「近代産業の華」と称するC919は5月5日に上海浦東国際空港から80分間の初飛行に成功した。


2. いつ路線就航するのか

計画通りならC919は2019年に就航開始する。ARJ21は初飛行から営業運航まで6年間かかったが、Comac幹部はC919は確実にもっと早く就航すると断言している。

3.ボーイング、エアバスに心配の種になるのか

まだ断言できない。だがComacが相当の売り上げを計上するのは明らかで、機材数、旅客数ともに中国市場が世界最大の民間航空市場になりつつあるからだ。2035年までに中国には6,810機(1兆ドル超)が必要となるとボーイングは予測している。また旅客数では2024年までに中国が米国を抜くとの予想がある。


4. C919はどの市場をにらむのか

単通路機は今の段階でも中国で一番多い種別だが、予想には驚くべきものがある。今後20年で販売される中国向け機材の75パーセント(5,350億ドル)が単通路機になるとボーイングは見ている。今の段階では単通路機はボーイングとエアバスが独占している。

5. C919導入を決めたエアラインはあるのか

Comacとは2016年11月現在で23社570機の発注があると発表している。ジェネラルエレクトリックのリース部門を除けば全数は中国国内企業の発注だ。中国第二位の中国東方航空がローンチカスタマーになるが詳細条件は未公表。


6. C919は中国国外でも運航できるのか

構想はある。中国の航空関係者は米、欧州の航空規制当局と耐空証明発行の相互協定成立を2017年末までにめざしており、実現すれば各国での運航に道が開く。


7. 欧米の航空業界に悪影響が生まれるのか

可能性は低い。航空機メーカーにはシェアを落とす例が出ても部品供給業者は潤うはずだ。C919には各国から16社の製品が採用されており、GEやハエウェルインターナショナルも含まれる。


8. なぜ中国の登場が遅れたのか

中国の旅客ジェット機開発は1970年に始まった。ボーイング707をそのままコピーしたY-10が生まれたがテスト飛行のみにおわった。つぎのMD-82合弁生産は、開発元マクダネル・ダグラスをボーイングが買収してとん挫した。現在の中国は国内市場の膨張とともにハイエンド工業製品への移行をめざしており、航空機開発の成否もその試金石だ。■

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タグ: Comac

2017/5/13

737 Max-8飛行テスト再開  ボーイング Boeing



Asset ImageMax Kingsley-Jones/FlightGlobal


Boeing resumes 737 Max 8 test flights

ボーイングが737Max8のテスト飛行を再開


12 MAY, 2017

SOURCE: FLIGHTGLOBAL PRO

BY: STEPHEN TRIMBLE

WASHINGTON DC

https://www.flightglobal.com/news/articles/boeing-resumes-737-max-8-test-flights-437186/

ボーイングは5月12日に737 Max 8の飛行テストを再開した。二日間にわたり飛行を停止しエンジンの製造上の不具合を点検していた。

テスト機はボーイングの飛行テストセンター(シアトル)を現地時間12:14pmに離陸しているのがFlightAwareでわかる。

ボーイングは声明を発表し、飛行再開には規制当局の支援も受けたと述べた。エンジンメーカーのCFMインターナショナルは発表する内容はないと述べている。

CFMからボーイングに連絡が入ったのは先週のことでLeap-1Bエンジンの低圧タービン用ローターディスクのメーカー二社で製造工程で瑕疵があった可能性があると伝えてきた。低圧タービンの設計はSnecmaが担当した。

今回の事態は737-8の初納入寸前のタイミングで発生した。ライオンエアグループのマリンドへの引き渡しが早ければ来週に行われる。ボーイングは5月中に引き渡し開始を実現したいとし、路線投入は6月末になる。

連邦航空局は737-8の機種型式証明を3月に交付している。それに先立ち同機は13か月の飛行テストに入っていた。■

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2017/5/12

電子製品持ち込み禁止措置が欧州にも拡大?  エアラインビジネス

かなり唐突なニュースで時差の関係もあるので真偽が明らかになるのは12日金曜日の可能性が高いです。欧州路線でも措置が拡大となればゆくゆくは太平洋路線にも適用されるのではないでしょうか。そもそもラップトップ等大型電子装置に爆発物が入れられる可能性が指摘されたための措置ですが実効力はどうなのでしょうか。



European Airports Prepare For E-Ban Extension

電子製品持ち込み禁止措置に備えるヨーロッパのエアライン各社

Aviation DailyMay 9, 2017Jens Flottau and Madhu Unnikrishnan | Aviation Daily

http://aviationweek.com/commercial-aviation/european-airports-prepare-e-ban-extension



FRANKFURT and SAN FRANCISCO—米国による電子製品の機内持ち込み禁止措置が適用範囲をヨーロッパ各地の空港に拡大する可能性が近づいていると欧州委員会(EC)が欧州空港協議会ACI Europeに伝えてきた。米政府は本件について否定も確認もしていない。

  1. 米国向け便での大型電子製品持ち込み禁止措置は早ければ5月11日に開始の可能性があると業界筋が伝えている。

  2. 事前に追加措置を知らされた企業幹部数名によれば現在中東8地区の空港10か所で適用されているのと同じ規制内容になるか不明だという。適用されれば欧州の各空港にも影響が出るし、措置がいつまでになるかも問題だ。乗客持参の電子装置をゲートで預けることが許されるのか、チェックイン時に預入荷物に入れればよいのかもはっきりしない。欧州内空港から乗り継ぎ移動する乗客の取り扱いも不不明だ。

  3. 米国土保全省(DHS)は本件についてコメントを出していない。米系エアライン各社にも照会したが欧州内空港にも電子製品機内持ち込みを禁止する可能性で情報はないと答えきた。

  4. ヨーロッパにも禁止措置を拡大するとのうわさが広がっていると内部筋がAviation Dailyに伝えてきた。ただしどの空港が対象になるのか不明だ。また対象となる電子製品の種類も不明だ。新措置でもスマートフォン、電子書籍リーダーやタブレットは持ち込み可になり、適用対象はラップトップ、カメラ等の大型電子製品との米国筋の情報もある。

  5. 禁止措置により貨物搭載時の保安体制と安全で懸念が出ている。リチウムイオン電池多数が貨物スペースに持ち込まれるためと消息筋は指摘する。すでに米政府が本件を検討しているともいう。

  6. エアライン、空港の関係者は禁止措置で運行面が大きく支障を受けるのを懸念している。禁止措置拡大の効果を業界の指導的立場の関係者に事前に尋ねてみた。「どんな情報で決定になったのかわかりませんが、実施しても保安上は改善につながりませんね」と回答した企業幹部がいる。この幹部は空港やエアライン側が「大量の電子製品が貨物扱いになることに懸念している」のはラップトップ電池からの火災事故発生だという。

  7. ECは本件で公式見解を発表していないが、5月11日に航空保安委員会が開催予定でここで状況を評価するとみられる。

  8. 「具体的情報が何もないのですが当局や関係先とは連絡を維持しています」とエールフランス-KLMが発表。ルフトハンザグループは内部でシナリオを既に検討していると述べている。別のヨーロッパ系航空会社からはAviaiton Dailyに米政府から適法拡大措置について何も具体的な情報が出ていないため各種シナリオを検討中だという。

  9. ロンドンのヒースロー空港では利用客の17%が米国便を利用し、すでに措置拡大に備えた準備を始めている。ヒースローはその情報を欧州空港協議会に提供している。もっと重要なのは同空港が米国路線むけに追加保安措置をゲート前に導入することだ。ヒースローは米国便専用ゲートを設定しつつ保安チェックポイントはすべての利用者に共通化する。また混乱を避けるため乗客向け案内表示や事前告知の整備を進めている。

  10. 欧州空港協議会では会員向けに「狙いは預入荷物に極力多くの電子製品を仕向けること」と伝えている。ただし金融機関や技術系企業では社員にラップトップを機内持ち込み荷物として持参するよう求めており、ロンドン-ニューヨーク間を往復する出張族には大きな問題となりそうだ。

  11. 米国はラップトップ、タブレット、電子書籍リーダー、カメラはすべて預入荷物に入れて機内搭乗する措置を8カ国10空港の利用客に適用すると3月に発表していた。対象空港はアブダビ、ドバイ、ドーハ、カタール、イスタンブールを含む。■

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2017/5/11

機内快適度の向上に真剣に取り組む動きが出てきたエアライン各社  エアラインビジネス

なるほど次回客室内に入るときはトレーテーブルとアームレストに注意することにしましょう。エアラインによって掃除の程度が違いますが、バクテリア除去までは普通はしていませんよね。清潔好きの日本人には気になる話ではないでしょうか。


Aviation Week & Space Technology

Airlines Look To Improve Onboard Well-Being

機内快適度の向上に注意を向けるエアライン


May 2, 2017Helen Massy-Beresford | Aviation Week & Space Technology

http://aviationweek.com/commercial-aviation/airlines-look-improve-onboard-well-being


  1. 新技術で乗客の機内快適度を向上させようとする動きがエアラインや装備品メーカーの中に出ている。旅行が快適で楽しければ同じエアラインを次回も指名し、よい席にお金を出してもよいと思うはずだ。

  2. 新技術は各種あり、快適性の追求から未来志向までさまざまだ。シートにセンサーを埋め込み乗客の飛行中の様子を把握し、乗務員に伝えるものもある。

  3. 英国のFliteTrakが開発中なのがViatorAeroでセンサーで集めた乗客情報を乗務員はタブレットで見ることができる。

  4. 「利用頻度が高い乗客ののデータと連動させることもできますが旅行者の個人情報保護のため匿名扱いが必要です」とリーは言う。「運航側の視点ではシートの摩耗度合や破損を把握して機体保守の基礎データに使ったり機内改修に役立てられます」

  5. 「シートセンサーで荷重や重量以外に体熱も測定すれば客室内の温度分布の把握につながり、乗務員が温度調節できます」

  6. この技術ではマッチ箱より小さいデバイスを毎五番目のシートに取り付けセンサーは全席につけて乗務員はブルートゥースとWiFiで通信する。上記の箱デバイスはセンサーと配線する。

SL3510 seat in production

レカロの SL3510 シートはポーランド工場で製造される。Credit: Recaro


  1. 「型式証明取得の工程に入っています。半年もかからないでしょう。今年末には完成し、2019年に導入します」(リア)「現在エアライン二社とシートメーカー一社と話をしており、開発を進めています」

  2. シートに詳しいレカロのCEOマーク・ヒラーもこの技術に注目している。「センサーはもっと多用され機内環境や乗客の健康維持に活用されるでしょう」と言い、「機体と乗客のインターフェースが座席です。広さ一平方メートルの各座席にセンサーをつければ多様な情報が入ります。心拍数と機内温度も一例で機内環境改善に役立ちます」

  3. 乗務員がデータをどう利用するかが課題だ。同時に乗客のプライバシーは守る必要があるとヒラーは指摘する。

  4. 「可能性のひとつとしてセンサーで乗客が何時間もすわったままだとわかれば乗客に機内を歩くのがいいと教えることができます」といい、機内安全ビデオでフライト中も積極的に動いた方がいいと伝える内容が追加になりそうだ。

Airline passenger discomfort chart

乗客の不快体験ピラミッドで証明が悪臭についで市から二番目になっていることに注意 Credit: Von Bubb 


  1. レカロも機内衛生状態の改善に取り組んでおり、乗客が触ることが多いトレイテーブル、アームレストやシート背面に抗菌塗装の導入も検討中だ。

  2. 実現すれば乗客の福利厚生に大きな意味がある。旅行専門ウェブサイトの Travelmath.com では機内各所のふき取り調査でトレイテーブルが一番細菌が多いと発見した。トイレの水洗ボタンよりも汚いという。

  3. 「対応可能な対象を研究中です」とヒラーは説明し、「トレイテーブルやアームレストなど接触が多い箇所には特殊塗装を行うことにします」

  4. 実験データではバクテリア類は特殊塗装の抗菌機能で3時間以内に99%が死滅し、24時間経過後は99.9%除去できたという。

  5. 「ハンブルグで開催された航空機内装エキスポで初公開しました。エアラインからのフィードバックを見ると大きな関心があると判明しました」とヒラーは言い、塗装追加で増える重量は座席あたり13グラムに過ぎない。

  6. レカロはブリティッシュエアウェイズイベリアから軽量かつエルゴノミクスに配慮したSL3510シート合計9,000席を受注した。乗客の背骨に適度に対応する素材を使い、快適度があがりシート厚みが減るので後席にレッグルームが広くなり、一人当たりのスペースも増えるこのシートはエアバスA320neo、A321neoに2018年から登場する。

  7. 「レカロの目指す姿は移動中の乗客の身体を向上させて健康な状態で到着し、かつフライトの良い思い出を作ることです。シート、温度、照明でそれぞれ長期間にわたる解決策が必要です」(ヒラー)

  8. ノーウェイジャンのボーイング737-800はボーイングのスカイ・インテリアを採用してLEDで機内雰囲気を調整でき、同社によれば「機内が広く見え客室の感じが変わる」とともに日の出、日の入りを再現しフライト中の時間経過で証明色を変えている。同社が運航する787では客室窓の照度を変更でき、乗客が太陽光を調整できる。

  9. STGエアロスペースもノーウェイジャン同様に照明で機内の乗客にあたらしい体験をさせる可能性を見ている。「照明が一番基本の扱いです」と同社CEOナイジェル・ダンカンは調査結果で気になる機内環境の下から二番目に照明があったのを引用している。照明でつらい体験をすればシートが快適であっても機内騒音が低くても乗客は照明の悪効果を鮮明に頭に刻むのだという。

  10. 「客室環境の改善を目指すエアラインは大金を投じて座席、荷物置き場、ギャレー他の改良をするものですが、快適さの追求では照明をまずチェックすべきなのです」(ダンカン)

  11. ダンカンは「適度に調整したLED照明で乗客はエアラインのブランドを好意的に覚えるようになります。エアラインは照明にまず目を向け必要な投資をすべきで、成果はおおきなものになります」とも述べている。

  12. STGエアロスペースは安全灯のメーカーで起業し、のちに客室照明全体ようにプラグアンドプレイ方式のliTeMood変更可能青・白LEDムード照明を作り上げた。これは機内に別途取り付け可能で客室内の雰囲気がかある。同製品はFAA型式証明を取得しており、ボーイング757への取り付けが可能となった。

  13. STGエアロすぺース製のliTeMood LED読書灯がタイタンエアウェイズブルーエアの機内に導入されている。「照明は正方形で出て隣席に洩れません。赤色を光線に混ぜているので読書がしやすくなり、機内食もおいしく見えますよ」照明に手を入れて乗客の快適度を上げることが業績にも影響する。「人間重視の照明により乗客はリラックスでき操作する実感が生まれ、機内での支出意欲が増しますよ」(ダンカン)■

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2017/5/3

超長距離路線開設が続く背景  エアラインビジネス


引き続き超長距離路線の話題です。日本こそ直行便の超緒距離路線の需要があるはずなのですが、(北米や欧州向けはそれなりに長いですね)リスクを考えて日本のエアラインは大胆な動きに出ないのでしょうか。試行錯誤の中で技術の進歩とともに乗客心理や生理機能への影響など貴重なデータを海外エアラインが着実に積んでいくと気が付けば相当の差が生まれそうですね。

Ultra long-haul: On board the world's longest flight 超長距離路線開設が続く

Story by Miquel Ros, CNN

Updated 1647 GMT (0047 HKT) April 14, 2017

http://edition.cnn.com/2017/04/14/aviation/longest-flight-ultra-long-haul/index.html



(CNN) 超長距離フライトで真ん中の席になっても失望の必要はない。超長距離路線が相当よくなってきている。

  1. カタールエアウェイズが世界最長路線となるドーハ(カタール)-オークランド(ニュージーランド)線を開設した。飛行時間17時間30分で14,539キロを飛ぶ。エアラインの運用体制のみならず乗客乗務員の忍耐力を試す機会だ。

  2. 時差ぼけを解消する方法はまだみつかっていないし、与圧と客室内の酸素濃度が低いが空の旅はここまできた。

黎明期の長距離路線

  1. 第二次大戦前、オランダKLMのアムステルダム=バタヴィア(現在のジャカルタ)線が世界最長の定期航空運航路線だった。

  2. 宣伝ポスターの優雅なイメージとは裏腹に7,000マイルのこの旅程はスタミナを試す機会で所要期間は最低6日だった。

  3. ただ利用客は数百マイルごとに降機してお茶を飲み足を延ばす機会があった。フライトで途中着陸が15回から20回あった。現在の長距離路線とはかけ離れているが、航空機の技術はその後大幅に進歩しノンストップで16時間、18時間飛行が可能となり乗客は限界を試されている。

  4. 現在の長長距離路線ではもはや技術面ではなく、身体の生理機能上、経済上が課題になっている。

何が変わったのか

  1. カタールエアウェイズがドバイ=オークランド線の開設で世界最長路線の座をライバルのエミレイツから奪ったのは2016年3月だった。

  2. 一方、2018年3月にはカンタスが14,498キロのパース=ロンドン線を開設し、オーストラリアとヨーロッパを初めて直接つなぐ。

  3. ここまで長距離路線の記録更新が続く背景は何か。

  4. シンガポールエアラインズが2013年に当時世界最長の直行便だったシンガポール=ニューヨーク線を中止すると発表すると、アナリストには同路線の収益性が悪いことが理由だと説明する向きがあった。

  5. 高高度を巡航飛行するとエンジンの燃料消費効率は高くなり、フライトごとの離着陸回数が減ればサイクル関係の運用保守管理費用が下がるが、長長距離路線では相当の燃料を搭載しなければならない。長距離飛行のため燃料搭載量が増えれば総重量も増え、結果として燃料搭載はさらに増える悪循環だ。

  6. シンガポールエアラインズは全ビジネスクラス仕様にしても19時間16,000キロ(9,000カイリ)の運航費用を回収できなかった。

燃料効率の改良

  1. そこで燃料効率改良が超長距離路線で必須だ。航空機メーカーはこの点を配慮した機材を納入している。

  2. 長距離機の経済性向上が新規路線開設の背後にある。最新鋭のエアバスA350-900ULR(超長距離路線型)は16,000キロの航続力がある。

  3. シンガポールエアラインズは同機でニューヨーク路線の再開を目指す。前回は燃費が悪いエアバスの四発機A340-500を使っていた。

  4. ここにボーイングが投入する777-8が勝負をかけてくる。引き渡し開始は2020年予定だ。交代する777-200LRでカタールはドーハ=オークランド線に投入する。

  5. やや小型のボーイング787-9では14,000キロの飛行性能がありながら運航経費を低く抑え、これまではありえなかった低需要長距離路線の開設が可能となる。カンタスはこの機材でパース=ロンドン路線を来年開設する。

これまで不可能だったことを実現する

  1. 「航空機材の進歩でこれまでは考えられなかった超長距離線を十分採算に合う形で運用できるようになったのです」と英クランフィールド大のペレ・スアウーサンチェス博士が説明する。

  2. 「航空旅行の世界的拡大も背景にあります。空の旅をする人が増えれば就航地の組あわせも増えるため直行便需要が高まります」

  3. ETOPS規制で双発機では緊急時の代替空港までの飛行時間が定められているが、技術改良がこの規制にも影響を与えている。

  4. ETOPSが最高370マイルに設定されたためA350のような新型機で新規直行路線開設が可能となった。特に太平洋地区と南半球で効果が出る。

  5. 長距離用機材の経済性改良は各地での長距離低コストエアラインの成長のきっかけになるだろう。

新機材の登場

  1. その一環でマレーシアのエアエイジアXは長距離低運賃フライトをアジアで始めたパイオニアであり、ヨーロッパ市場への再参入をこのたび発表した。同社はやはり四発機のA340を運用していたが、低収益性を原因に撤退していた。

  2. エアエイジアXはエアバスA330neoの受領あり次第運航を再開する検討中だ。

  3. ボーイング787ドリームライナーをノーウェージャンが採用した。十数機を運用中の同社は20機以上を発注し長距離低運賃フライトをヨーロッパから展開する。

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超緒距離フライトの健康上の影響は?

超緒距離路線乗客の悩み

  1. だが長距離路線で技術、経済両面の課題が解決しても人体生理機能はどうなのか。

  2. 一番先に思いつく制約はエコノミークラス乗客で、窮屈なキャビンに座ったまま我慢できるだろうか。

  3. シートはエルゴノミクスの視点で改良を続けているが、今のところアップグレードしか解決策がない。

  4. ただエコノミークラスにも希望の兆しが見えてきた。

  5. 近接して呼吸を繰り返すことでエコノミークラスの湿度は相対的に高くなりがちだ。これを指摘するのはグンナー・グリュン博士(ドイツ)だ。博士のチームは機内の乗客の健康への影響要因を研究している。

  6. 「湿度不足の影響が出てくるのはフライト後3時間です。解決が簡単ではない問題ですが、逆に湿度が高いと結露で腐食や電気接触問題が生まれます」

  7. グリュン博士からは客室内の気圧は低くなっており酸素濃度も地上より低くなることから乗客中で医療上の問題を抱えるものには要注意だと指摘した。

照明

  1. 解決策の道筋がついているのが機内照明だ。照明に長距離路線の苦痛を和らげる効果があるのは前からわかっており、新世代機の機内はLEDで照度が調整可能になっている。

  2. エアラインは照明や機内食がフライト中の乗客をおとなしくさせる効果があることを認識している。

次に登場するのは

  1. これからどんな変化が来るのだろうか

  2. 今世紀中に飛行時間を大幅に短縮する技術が登場しそうだ。超音速飛行が商業的に復活すると見る向きがある。また準軌道飛行で地球上の二地点間移動を分単位にする構想もある。

  3. その一方で長距離旅行をもっと楽にする方策が模索されており、機内スパやジムを設ける構想もある。

  4. だが当面は水を一本、忍耐は大量に準備したほうがよさそうだ。

Miquel Ros is an aviation blogger and consultant with a passion for all things travel. An economist by background, he's worked for for the likes of Bloomberg and Flightglobal and currently covers the airline industry through Allplane.tv. As an independent consultant he advises companies in the travel and technology space.

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