2017/2/14

A380事業は失敗だったのか  エアバス

OPINION: Is A380 nearing the end?

10 FEBRUARY, 2017

SOURCE: FLIGHT INTERNATIONAL

BY: FLIGHT INTERNATIONAL

https://www.flightglobal.com/news/articles/opinion-is-a380-nearing-the-end-434045/

Asset ImageAirbus

ほんの少し前までは未来の象徴といわれたA380だが飛行テスト用二機はパリとツールーズでそれぞれ博物館入りした。

売れ行き不振のスーパージャンボ機の名誉にかけていうと、同機の生産はまだ続いている。博物館はA320テスト機にも食指を伸ばしている。

だが最初に生産されたA380が初飛行からわずか12年で博物館入りした結果は大いなる野望をもって華々しく立ち上げられた同機事業の挫折の象徴のようだ。博物館にはコンコードも鎮座し両機はヨーロッパ航空宇宙産業の象徴とはいえ、A380の場合はエミレイツ除き大手顧客が見つからないままだ。

元祖ジャンボでも見通しは暗く、噂ではボーイングは747-8生産を終了するという。

ボーイングには最大サイズの同型の存続はさして重要ではない。長距離飛行に革命を巻き起こした747も博物館陳列の対象だ。747-8は史上最も成功したといってよい機体の稼働年数の延長の手段にすぎなかったのか。

A380ではこれから3年間が正念場だ。大手エアライン各社にスーパージャンボの意義を理解させられないと、博物館入りは上記二機にとどまらず、事業自体が終了するだろう。■

1

2017/1/30

MRJ遅延を冷静に受け止めよう  MRJ


ここぞとばかりに巨大プロジェクトをうまく動かせないと三菱重工を揶揄する声が聞こえてきますが、以下の主張は冷静です。Scope Clauseについてはこの国で取り上げる向きが皆無なのはどういうことでしょうか。ただし時間がなくなりつつあるのは事実のようですね。

OPINION: Why tardy MRJ is worth waiting for

https://www.flightglobal.com/news/articles/opinion-why-tardy-mrj-is-worth-waiting-for-433586/

Asset ImageMitsubishi Aircraft

最新の日程変更をめぐり、MRJを製造する三菱航空機は「新型機を開発して型式証明を取得するまでには多くの面で挑戦だ」と説明している。

三菱は比較されたくないだろうが、MRJはComacのARJ21と同等になりそうだ。ARJが就航開始したのは2016年で当初予定から送れること8年になった。

今回の遅延でMRJの民間エアラインでのデビューは2020年と7年分の遅延になる。

だが比較はそこで終わる。MRJは次世代リージョナル機であり、各国からの受注があるが、ARJ21は過渡期の機体であり、搭載する技術は過去のものだ。

MRJを発注した米国内の顧客からすれば我慢できないだろうが、今回の遅延で特に不都合になるわけではない。パイロット組合の労働条件条項で最短でも2019年まで同機の運航はできなかったのだから。

ただしMRJで心配すべきはライバルのエンブラエルへの優位性が弱くなることだ。MRJはもともとE175-E2より7年前に開発が始まっていたが、現在の日程を見るとその差はわずか12ヶ月にまで減っている。

E2でも同じ条項で制約を受けるが、エンブラエルは多彩な機種をそろえており、現行機種をそのまま販売できる。そうなるとMRJには時間が圧力になりそうだ。■

 
1

2017/1/29

革新的なD8エアライナーは成功するのか  機材開発


エアライン業界は結構保守的で業界の意見だけだと旅客機はなかなか進歩しません。そこに殴り込みをかけるのがAurora Flight Sciencesです。これまでオーロラと表記してきましたが発音に近づけるためオローラと表することにします。現在多数を占める737やA320での乗客の乗降にイライラしている筆者にも同じサイズの機体が二通路仕様になるのは歓迎です。果たして業界がこの機体に飛びつくのか、オローラが新しい旅客機メーカーになるのか注目ですね。


Aviation Week & Space Technology

Aurora Refines Design Of Ultraefficient D8 Airliner

Jan 18, 2017 Graham Warwick | Aviation Week & Space Technology

http://aviationweek.com/technology/aurora-refines-design-ultraefficient-d8-airliner


エンジンは機体組み込み式で斜めに配置しており、歪みに耐えるファンをシャフトとギアボックスで駆動する。Credit: Aurora Flight Sciences


オローラ・フライトサイエンシズはMIT原案のNASA向けD8エアライナー構想を継続し、燃料消費効率に優れた主翼、胴体の機体を実現しエアラインへの採用を狙う。

  1. 「ダブル・バブル」構造のD8はNASA大型Xプレーン実証機として2021年初飛行を目指す。最終提案をこの三月にXD8として提出するのに加え、オローラ社はOD8案の設計を仕上げ、180席で3千カイリ飛行できる旅客機を5ないし10年後に生産できると見ている。

  2. FAAの支援のもとで飛行実証は中核技術の有効性を見るのが目的で機体構造は非楕円形状で通路二本の客席を提供する機体重量が実用範囲に収まるかを見る。180席で通路二本の構造だとエアライン各社にも乗客の乗降が早まる効果があり、乗客にとっては現行の単通路機よりも満足度は高くなる、というのがオローラ社の意見だ。

  3. もともと2010年にMITが提案したのはNASAのいわゆるN+3目標でエアラインが2035年までに就航できる旅客機構想だった。D8は各種技術を組合わせて燃料消費を70パーセント削減しながら騒音も71dB減らす目標を設定した。その後、オーロラが設計仕上げを引き継いだ。N+3研究は「OML(大まかな輪郭)では成果を出したが本当の成果を出すきっかけにすぎない」とオローラで機体統合製品チームを率いD8事業にを担当するジェフリー・チェンバースだ。

MIT原案の D8 をオローラはOD8として遷音速主翼の採用、コックピット窓等の変更を加えた。Credit: Aurora Flight Sciences


  1. オローラは原設計に手を加え巡航速度をマッハ0.74だったものをより一般的な0.82に引き上げる遷音速主翼に変更した。通路、座席、緊急時ドア開閉部分の変更で胴体は3インチ伸びたとチェンバースは全米航空宇宙学会で発表している。その結果、やや保守的な設計になったOD8は燃料消費がボーイング737NG比較で49%減、騒音は40 EPNdB減る。

  2. D8はそれでもブレンデッドウィング・ボディ構想に比べれば保守的な内容になっている。「現行の空港設備の改良が不要です」とチャーマーズは言う。オローラはすでに新型案で現行のエアブリッジや支援車両がそのまま使えることを確認済みだ。

  3. 航空機の断面が普通は円形なのは客室与圧によるストレスに一番効率が高いためだ。OD8の機体設計では非円形のため素材選定とともに構造の有効性の検討が鍵となった。

  4. MIT案のダブルバブル構想は円筒を2つ並べてくっつけただけで、中央にキールを配置し、上下の尖頭cuspsをつなげ加圧荷重に耐えながら機体表皮・骨組みの重量を軽減するとしていた。オローラは構想を見直して現実的な解決策を提示しており、隔壁やテンションロッドの他ウェブ構造やテンションストラップの活用を考えている。

  5. 同社はまた「フラット・ダブル・バブル」で尖頭を使わない構造も検討したが、重量が過大となる弊害がわかった。天井までの壁の代わりに途中までの高さの壁やウェブを客室内全体に走らせ、各部をテンションロッドでつなぎ合わせることが軽量化につながるとチェンバースは説明。

ダブルバブル構造の客室 Credit: Aurora Flight Sciences


  1. このウェブとは厚さ0.1インチで床下から頭上荷物棚の間に配置するが機内に突出しない。直径0.25インチのテンションロッドも機内で目立たないとオローラ作成のOD8ウォークスルービデオは説明。「一部ウェブ構造とロッドの採用が重量軽減の効果が一番高く、フラットなダブルバブル構造よりも8%重量軽減になる」(チェンバース)

  2. この構造の有効性を確認するためオーロラは10フィートx3フィート大の下方尖頭部分の模型を作成し実証する。これは今年中にFAAの継続低エネルギー、低排出ガス、低騒音(CLEEN)研究事業の助成金で行う。客室用の炭素繊維は同社の自動繊維作成機で製造する。

  3. 燃料消費低減の鍵となるのが境界層摂取技術で変形に耐えるファン多数を垂直尾翼二枚の間に組み込んで機体上部をゆっくり流れる風流を摂取してそこにエネルギーを与えて抗力を減らすものだ。この効果はまだフライトでは実証前であるが、オローラのNASA向けXプレーン提案で中核的な内容になっている。

  4. 設計構想ではエンジンを尾翼上に横に並べて配置する。この形式は嫌がられるのは一方のエンジンで何らかの破損があるともう一方にも被害が及ぶためだ。オローラはこのリスク回避のため全く新しい構造として小コア・エンジンはそれぞれに傾けて配置することで仮に破損しても破片が他のエンジンに当たらないようにしている。ファン駆動はシャフトとギアボックスによる。

  5. XD8では既存エンジンでファンを回すが、オローラCEOのジョン・ラングフォードはOD8の目的は新型航空機と新型エンジンの開発を統合することにあると認める。これは機体とエンジンを別個に開発している現状と異なる方法だが、現状では多用なエンジンの選択が可能となっている。■

1

2017/1/25

MRJの先も構想する三菱重工  MRJ


遅延が発表されるや三菱重工業に冷たい意見が目立ちますが、そんなに悲観的になる必要があるのでしょうか。そもそも今日の航空機開発はそう簡単には行かない事業なのであり、三菱航空機には引き続き頑張ってもらうしかありません。MRJが捨て石になる可能性はなんとも言えませんが、習作にはなるでしょう。要は負けるが勝ちでその後に来る機体がこれまでの経験をもとにスムーズに実現すればいいのです。いい意味でも悪い意味でも日本の技術を代表する事業なのですから三菱重工業の奮起を期待したいところです。


Aviation Daily

New Certification Demands Force MRJ Program Delay

Jan 23, 2017Bradley Perrett | Aviation Daily

http://aviationweek.com/commercial-aviation/new-certification-demands-force-mrj-program-delay


Mitsubishi Aircraft

BEIJING—三菱航空機はMRJの設計変更で型式証明取得でも追加作業が必要となり、初号機の引き渡しを2020年の中頃に設定しなおした。

  1. 民間機開発で新技術を利用する技術陣には戦略が必要だ。三菱航空機および主要株主三菱重工業がこのことを共同で発表している。

  2. MRJについては「システム上及び電装関係の設定」で変更が必要になったと両社は発表している。「設計変更は機体性能には影響なく、燃料消費やシステム機能にも変わりはありません」と述べていたが、フライトテストは現在の仕様の機材を投入している。MRJで完成した5機のうち4機が飛行中だ。

  3. 両社はシステムや電装関係の変更点を詳しく説明していないが、「最新の型式証明取得上の要求内容に合致する」としている。機体の構造設計は変更の必要はないと述べていた。

  4. 同機開発では二機の静止試験用機材の一機が過酷な荷重テスト用に投入されすでに構造の有効性は実証ずみだ。

  5. 三菱航空機は昨年9月の時点で発注中の顧客各社に引き渡しの五回目の延期を伝えていたが、型式証明取得の目標は2018年中に設定したままだった。MRJが開発開始となった2008年時点で引き渡しは2013年末開始の予定だった。

  6. 全日空(ANA)は同機初の運航者になるが親会社のANAホールディングスは最新の日程変更に失望しつつもローンチカスタマーとして同機開発を引き続き支援していくと発表。

  7. 同機はプラットアンドホイットニーPW1200Gエンジンを搭載する。その他主要なサプライヤーにパーカーエアロスペースUTCエアロスペースシステムズロックウェルコリンズNabtesco住友精密工業がある。

  8. MRJの型式証明の目標は2019年になったことが両社発表の資料からわかる。ただし型式証明取得から初号引き渡しまで半年が確保している理由の説明はない。民間機では数週間が普通だ。

  9. 開発担当者はフライトテスト期間が伸び、2019年までになりながら、型式証明の工程は以前の日程で動く。フライトテスト用機材の製造は2018年央までかかるだろう。フライトテスト用最終機のFTA-5がその時点で投入可能になるのか両社は明らかにしておらず、完成済みテスト機を改修するのかについても発表していない。

  10. トラブルに見舞われた開発業務を三菱重工業のCEO宮永俊一自らが率いることになったが巨大技術企業の同社は今回の遅延による営業への影響は深刻ではないと見ている。「収入が入るのが遅れるが、各営業年度の収益への影響は最小限」というのだ。ただし事業にはもっと資金投入が必要となった。

  11. 三菱重工は民間航空機製造は長期にわたる事業で参入も簡単ではないが同社にとって重要なビジネスの柱だと強調している。いいかえれば民間旅客機の開発は忍耐があってこそ報われることになる。

  12. さらに三菱重工はMRJの先の機材も検討している。社内の将来高度技術開発チームはMRJ開発陣とは別に「技術戦略立案と次世代航空機コンセプトの開発」にあたるという。同チームは高度技術の開発にも従事するだろう。

  13. MRJ後継機の言及が出たのは今回が初めてではない。三菱航空機はAviation Dailyに2016年2月にMRJ以降の機体について触れている。開発中のMRJ二型式はMRJ70(76席)とMRJ90(88席)だが100席までストレッチが可能だ。さらに可能性があるのはボンバルディアのCシリーズと同等の大きさの機体だ。■

1

2017/1/23

MRJ開発が更に遅延  三菱MRJ


今回の遅れは致命的との見方が多いようですが、ここまで来たら徹底的にニッチをめざす機体にすればどうでしょう。設計変更ということと「リバランス」ということは相当機体が変わるということですよね。しかし中国並のゆっくりした開発というのはお世辞にもほめられないことですね。逆に2020年代以降の航空需要を考えると今までの急成長は望めず、効率の高い機体が求められるはずですから開発費用の追加をどこまで押さえて機体価格とライフサイクルコストの比較で商品訴求力を訴えるしかないのでは。この会社のセールスはしたくないですねえ。

Aviation Daily

Mitsubishi MRJ Delivery Delayed Until Mid-2020

Jan 20, 2017Bradley Perrett | Aviation Daily

http://aviationweek.com/commercial-aviation/mitsubishi-mrj-delivery-delayed-until-mid-2020


Mitsubishi Aircraft


三菱航空機が開発中のリージョナルジェットMRJが引き渡し開始を五回目となる先送りで2020年中頃に変更すると日本経済新聞が報道している。

2018年中頃としていた直近の予定は再度変更となった。三菱航空機は昨年9月にローンチカスタマーのANAに変更を伝えていた。

日経によれば電子機器の搭載位置を変更する必要が生じたとの開発陣の声があるが、出所は明らかにされていない。機器を移動するのは「リバランス」のためであり本格生産の開始もそれだけ遅れるという。

遅延の可能性が認識されたのは昨年9月で数週間かけ検討したところ実態はもっと深刻と判明した。

問題の深刻さから設計変更で再度飛行テストが必要となる。引き渡し目標が再設定され飛行テスト期間も伸びる。通常の民間航空機の耐空証明は引き渡し開始数週間前となることが多い。現在試作型5機が完成しており、うち4機がテスト飛行に投入されている。いずれも88席仕様のMRJ90である。

2010年第三四半期時点でMRJは当初の予定からわずかに遅れる程度で、2012年中頃に引き渡しを開始するまで2.5年のところまで来ていた。その後遅れは3.5年となり、2013年8月に再設定された。

三菱航空機は昨年9月になってはじめて今回の遅延原因を認識したようで、エアロリースエイビエーション向けに2018年に10機引き日渡す契約を8月末に成約させていた。

だが問題が予想以上に困難と判明する。9月29日に2018年央という当初の目標を放棄し、同社は2018年に型式証明取得を目指すと発表していた。その姿勢が現実と乖離していることが明らかになった。

MRJ開発を立ち上げた2008年には2013年第四四半期に1号機を納入する目論見だった。新日程では12年かかることになり、ComacのARJ21(13年)と同等になる。■

 
1



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ