いよいよ開幕する世界選手権。開催地はカナダ、アルバータ州グランドプレーリーというところ。まったく聞いたこともない地名だ。だが、もしかしたら地元の情報サイトがあるかもしれないと思い、探してみたら。あった。Grande Prairie Daily Herald-Tribuneという地方紙である。しかも、今大会に関する記事が載っている。トリノ五輪で金メダルを獲得したスウェーデンのスキップを務めたノルベリ、そして、カナダ戦選手権で優勝し今大会への出場権を獲得、スキップとして出場する
スコットへのインタビューだ。これはありがたいとさっそく読んでみる。
火曜日には早々と現地入りしたスウェーデンチーム。
インタビュー記事の中で五輪チャンピオンの口からまず発せられるのは、プレッシャーについてだ。
「優勝候補として出場したオリンピックで金メダルを取れて、プレッシャーにもうまく付き合えたと思います。上手く付き合うことができれば、プレッシャーもまったく問題になりません。」
前年の世界選手権チャンピオンとして臨んだトリノ五輪。自国での期待もさぞ大きかったことだろう。だが、それに押しつぶされることなく最高の結果を出したスウェーデンチーム。今大会でも、精神面の強さという点ではぬきんでているのかもしれない。だが、そんな選手でも気になるのが氷の状態。五輪後に行われた国内大会では不覚にも黒星を喫したともされるだけに、なおさらのようだ。
「氷の状態がいいことを望んでいます。いいカールングをするためには、いい氷がなきゃだめなんです。オリンピック後しばらくして、スウェーデンで大会があったんですが、氷がひどくて。あれじゃ、カーリングもダメだめですね。氷がきちんとしていれば、面白くなります。たぶん今度は大丈夫でしょう。なるだけ曲げさせたいですね。曲がり過ぎないかぎりは。」
いっぽう、相手チームとの勝負に関しては、世界選手権、五輪と、大きなタイトルを連続して獲得しているだけに、かなり余裕が感じられるようにも思う。
「対戦相手となるチームは、気持ち的にすごく楽だと思います。もちろん、オリンピックチャンピオンを倒したいと考えてるはずですが。オリンピックのときにもそのようなことを体験しました。私たちと戦ったときに、一番いい試合をしたチームがいくつもあったからです。」
こう語るノルベリの頭の中には、延長戦までいった日本戦の情景も蘇えっていたに違いあるまい。ノルベリにとってトリノの日本戦は、まさかの接戦だったと思われる。だが、今回は、少々趣が違うはず。容赦なく潰しにかかってくることだろう。チーム長野がそれにどこまで対抗できるか。チーム青森あと一歩のところまで迫ったスウェーデン。日本選手権決勝の悔しさを晴らすためにもぜひ、この北欧の王者に土をつけたいところだ。
いっぽうこちらも火曜日に現地入りしたというカナダチーム。
スキップであるスコットの戦歴を見ると、1995年に世界ジュニア以外、世界連盟主催大会への出場はない。だが
インタビュー記事では、今回スウェーデン代表として出場する選手2名とは95年に対戦、中国チームとも今年対戦しているほか、日本チームのコーチなど、すでに知っているメンバーが各チームそれぞれにいるようだ。とはいえ、実戦となるとチーム戦略についても実力についても分からないと語ってもいる。
チームのコンディションについては、12月の五輪選考会、今月5日に閉幕したばかりのカナダ選手権でも、きっちりとしたプレーが出来ており、調子はいいとしている。そして語られるのが以下の言葉。
「対戦国について知っているとか知らないとかに関係なく、自チームのことに集中していきたいです。コントロールできる部分をコントロールしていく。それだけです。」
スコットに関しては
こういう記事もあった。その名もずばり「ガンバレカナダ」だ。ここで語られていることのなかでも特に関心を引かれたのが、カナダ選手権に引き続いてカナダでプレー出来ることが嬉しいとしている点。チームの地元である
Kelownaの様子について、スコットはこう話す。
「町中が大騒ぎになっています。私たちのために大応援団が結成されて、今週は、大勢の人たちが観にきてくれる予定です。観客席にこの人たちがいるのが分かったら、すごく嬉しい。」
だが、自国開催だからといってそれが必ずしも有利に働くとは限らない。チームメートのシュレーダーはホームゲームでの応援についてこう語る。
「あまり考えないようにしなくちゃ。氷の上でやるべきことがあるというだけです。スローイングにしても、スウィープにしても、ラインの指示にしても。氷の上にでたら、投げられた石がどう進んでいくかに集中するだけです。それで、できれば期待通りの結果になればいいんですが。」
いっぽうのスコットはこうも語っている。
「プレッシャーというのは、心の隙があるときにだけ感じるものです。自分たちは大好きなゲームをするために、そしてそれを楽しむためにここに来たんです。」
イタリアのスキップ、ガスパリによると、北米のチームは観衆の前で試合することに慣れているとのことだが、今回のカナダチームにとってはたして、自国開催が力になるのか、それとも余計な重圧として働いてしまうのか。
初戦は日本戦。チーム長野だ。最終日には1000人を越える観客が集まったという日本選手権をこなしたばかりである。心臓の毛の生え具合では決して引けを取らないだろう。トリノのあだ討ちに燃えているはずのカナダをぜひ、敵地で返り討ちにしてくれることを期待しよう。