昨日のスウェーデン語との格闘の疲れがまだ残っているからか、今日はなかなかキーボードをぶったたく元気が出ない。そこで今回は少し楽なものをということで、今月下旬に開かれる女子世界選手権について取上げることとする。この大会については
日本協会のHPにも詳しい案内は出ていないため、ちょうどいいかとも思う。日本から参加するのは
チーム長野だ。トリノ組の人気に隠れてはいるとはいえ、後述するようにこの大会の出場権を獲得したのは紛れもなくこの信州のチームである。
大会公式HPによると、開催地はカナダ・アルバータ州のグランド・プレーリー。日程は、3/18から3/26まで。出場国は全12カ国で、トリノ五輪出場国のうちロシア以外がすべて出場するのに加え、中国、ドイツ、オランダが名を連ねる。以下、日本戦の日程をまとめてみた(時間は現地時間)。
3/18 4:30pm 対カナダ
9:00pm 対ドイツ
3/19 3:30pm 対スウェーデン
3/20 11:00am 対スイス
4:00pm 対イタリア
3/21 4:00pm 対中国
8:30pm 対デンマーク
3/22 11:00am 対スコットランド
9:30pm 対ノルウェー
3/23 10:30am 対オランダ
8:30pm 対アメリカ
3/24 タイブレーク
プレーオフ
3/25 3決
3/26 決勝
12カ国総当りで予選リーグ戦を行うことから、試合数も当然多くなる。6日間の予選期間中、2日目を除いて毎日2試合をこなすという極めてハードな日程だ。その極め付きが、勝ち星の並んだ国同士で準決勝進出を争うタイブレーク。3試合実施の際、試合開始はなんと夜中の0:00からだ。可能性は少ないとはいえ驚き以外の何ものでもない。
次に、出場各国のメンバーを見渡してみる。以下のように、五輪出場チームが出場する国、他チームが出場する国、様々なのが興味深い。強化方針の違いを反映しているのだろうか。
五輪組が出場 スウェーデン、イタリア、デンマーク、ノルウェー
五輪組以外が出場 日本、スイス
五輪に不出場 オランダ、ドイツ、中国
未掲載 スコットランド、カナダ、アメリカ
さて、今回日本代表が世界選手権出場枠を獲得したのが、昨年12月台湾で開かれたパシフィック選手権。チーム長野で望んだ大会である。女子参加国は日本に加え、中国、韓国、台湾、オーストラリア、ニュージーランドの計5カ国。以下、
大会公式HPおよび
世界連盟HPの情報をもとに、このチームの足跡を振り返ってみよう。
予選ラウンドではまず、台湾(実質的には在米台湾人チーム)、ニュージーランドにそれぞれ10-2、8-6で勝利したものの、3戦目となった中国には、第10エンドに3失点を喫するなどして4-8で大敗。第4戦では、最終エンドに2得点し、韓国に5-4と辛勝。最終戦ではオーストラリアを11-1と一方的に突き放し、4勝1敗で準決勝へ2位で進出する。
準決勝は3戦行われ、2勝した時点で決勝進出が決定する。相手は予選ラウンド3勝2敗のニュージーランドだ。第1戦は第10エンド、日本が2失点したことで延長までもつれる接戦となるが、第11エンドに8-7とし辛勝。だが、第2戦では11-3と大勝し、決勝戦へと駒を進めると同時に、世界選手権グランド・プレーリー大会の出場権を獲得する。
決勝の相手は、準決勝で韓国を2勝1敗で下した中国。予選ラウンドは日本と同じく4勝1敗で通過だが、唯一の黒星は最終戦で、競技歴1年未満の選手が出場しているなど明らかに力の劣る台湾に喫したもの。すでに予選1位通過を決めていた中国が開催国に華を持たせたとの思いがぬぐいきれないのも事実だ。強敵である。
アジア太平洋王座を賭けた一戦は、第4エンド終了時に日本が5-1とリード。その後中国に3点返されるも、第7、9エンドにそれぞれ2得点。10-5で若い中国を下し、みごと栄冠を掴んでいる。
ところで、2005年3月、スコットランドで開催された世界選手権、
大会公式サイトによると、チーム青森で臨んだ日本は、イタリア、デンマーク、フィンランドから勝ち星を挙げたものの、通算3勝8敗、9位に終わっている。当初林が最終投擲者だったのが、
6戦目からはサードに変更になるなど苦しい戦いを強いられたようだ。そのなかでも特に、第2戦で中国に5-7と敗れ、最終順位でも同国の後塵を拝する結果となった点は見過ごせない。
パシフィック選手権大会HPの選手データには競技年数も記されているのだが、これが実は興味深い。日本チームは、亀山が6年と比較的短いほかは、土屋、園部(淳)、園部(智)、佐藤らはいずれも10年前後という競技経験を積んでいるのに対し、ニュージーランドは、10年以上が2名のみ、中国は全員が5年、韓国も7年が3名、4年が2名いるにに過ぎない。
なかでも特に、中国女子チームの競技年数が皆同じという点が不気味である。これはおそらく、国家的な強化対策が5年前にスタートしたということを意味しているのだと思う。そして、2005年には早くも、世界選手権本選、パシフィック選手権で、経験値では大きく差のある日本を破るという目覚しい結果を残しているわけだ。
若い中国がこれから経験を積み重ねていくならば、日本にとって今以上の脅威になるのは間違いない。他競技のように五輪のアジア出場枠があるわけでなく、トリノの場合3回の世界選手権での積算ポイントで出場が決まったことから、中国に勝つことが必須条件ではないとはいえ*、次の目標であるバンクーバー五輪出場をより確かなものとするためにも、強化体制の一層の拡充が望まれるところだ。
*注 五輪出場権について修正、加筆(3/13)
また、今回の五輪を通じてカーリングの魅力に目覚めた筆者のような者にも、背後からひたひたと迫り来る中国の影に危機感を抱きつつ、日本代表チームを見守っていくことが求められているのかもしれない。だからこそなおのこと、カナダへと旅立つチーム長野にはぜひ、そんな不安を一気に払拭するようなゲームを見せてくれるよう期待せずにはいられないのである。