「なあ〜ボディの役割の人間探す?」
ヘッド―稲荷孝介が言った。
孝介はその名の通りキツネ目の茶髪である。もっとも、茶髪の方は校則違反だが。
孝介はどことなく「遊んでいる」雰囲気を漂わせており、本人もその通りで、中学時代は「百人斬り」とアダ名されていた。
「いいよ、暇潰しになるし」
気だるそうに、爪にマニキュアを塗りながら答えるはフェイス―崎村里奈だ。
里奈は町を歩けば百人が百人振り返る美貌と、身体を持っている。
胸までのダークブラウンの髪、睫毛の多い瞳はあたかも六本木の高級キャバクラに来た錯覚を起こしそうだ。
「賛成。もう見当はつけてある」
最低限の言葉しか言わない、氷を思わせる声なのはフット―倉持累希だ。
「やろっやろっ」
それとは対照的にやる気に満ちているのはハンド―倉持累亜だ。
この二人、双子で顔は瓜二つなのだが、そこから醸し出すオーラは全くといって良いほど正反対だ。
(2)

0