2006/2/26
「「同じ楽器ですよね?」 トレーニングジム・序」
妹尾さん京都教室
2004/05/26
6ほど前の某月某日。
京都の「ウーピーズ」というライブハウスのセッションで演奏したときのこと。
その日は特別ゲストとして妹尾隆一郎氏が飛び入り参加し、トリで数曲演奏。
大いに盛り上がってお開きとなりました。
終わってから、
「あの〜一つ聞いてもいいですか」
と言ったのは、私が同伴してきた当時20歳の女の子。
「これって、同じ楽器ですよね」
と私の顔をしげしげと見つめるではありませんか。
つまり、妹尾さんが使っていたのも、私が持っているのも、同じ機種のハモニカなのに、
「この違いは何だ!」
というわけです。
その夜、妹尾さんと私が使っていたのは、
ホーナー社のマリンバンドMS(現在は生産中止)。
達人同士で比べるなら、同じ楽器を使っていても、
その人その人の音色というものがある、てな説明も可能なわけですが。
よく、「プロ用のハーモニカというのはあるんですか?」という質問を受けます。
そういうものは、ありません。
「初心者に最適」てな売り文句と一緒に、
1本400円とか800円とかいうハモニカがありますが、
一度某メーカーのものを買ってみたところ、ろくに音が鳴らず、
ほとんど「実戦」では使えないなと思いました。
こういうのは別として、ハーモニカの場合は、プロもアマチュアも、
たとえばマリンバンドならマリンバンドという同じ楽器を使っていて、
プロ向けに上級機種だとか、相対的に値段の高い楽器があるわけではありません。
他の楽器、たとえばギターは楽器としてはピンからキリまであるし、
たとえ安物のギターでも、達人が弾く場合と、そうでない人とでは、
やはり力量の差は歴然と出るでしょう。
ハモニカは楽器自体に大差がないわけですから、
「あの人はええ楽器を使っているから、ああいうすごい音が出るんや」
てな言い訳が基本的に成り立ちません。
吹いている人間がまるまる出てしまう困った楽器です。
最初に書いた「これって、同じ楽器?」と訊いた彼女に、
「そやで、おんなじや」と私は答えましたが、
実力の差が天地の開きほどあることは、
指摘されるまでもなく自覚していたことなので、私は、
「あんなあ、妹尾さんみたいに吹けるんやったら、わざわざ習いにいきまへんで」
と答えたものです。
(03年11月25日書いた拙文に加筆)

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