今宵はどこかの街のマン喫をねぐらにするだろう。京浜東北線とは恐ろしい乗り物で浦和から川崎まで乗り換えなしで行ってしまう。寝過ごすのが得意な俺はどうも落ち着かないのだ。とは言え一日分の睡眠が欠落している俺には目がつむれて腰が安定さえすればそこは眠りの国だ。気付いた時には満員電車になっていた。
レッドダイアモンドからフロンターレへ。建築中のパルコから雨の降るラ・チッタデラへ。俺は浦和から川崎に、“KAWASAKIの町”川崎にライブを見に行った。川崎の街はKAWASAKIの町であった事をもう遠い昔に忘れたような顔をしていた。しかし、この雨。地下道の出口からクラブチッタまでの数分で体はほんのり湿っぽい人生を歩みだす。湿っぽい体のまま幾人かの知り合いのライブを見る。いや、あれはライブではない。企画ものだから仕方がない・・・か。なんでバックバンドっていつ見てもつまらない演奏が上手なんだろう。そしてクラブチッタよ。リバーブ効かせすぎで音がモワーンとなっとる。非常に気持ち悪い。
後半は人気バンドと実力派シンガーと人気アコースティックユニットの“ライブ”があった。とにかく若い女の子が多かった。だから実力派シンガーの時はみんなつまらなそうだった。何でも名前の途中に☆が付く大物ミュージシャンのバックコーラスでツアーを回っているというのが彼女の触れ込みであるらしい。俺もその実力派シンガーは1フレーズも聞いていられないくらいつまらないと思った。バックコーラスしかできないわけだ。最後に登場した人気ユニットは相変わらずで彼らの1曲目が終わって2曲目のサビの前に俺はチッタを後にした。
他人の演奏を聞きながら俺があそこに立ったらどういう音を作るだろう?どんなパフォーマンスをするだろう?という事ばっか考えていた。目の前に提示されたものはつまらなかったが自分のステージを考える機会ができたので俺は、行って良かったなぁと思った。かのライブに2500円払ったと思うより自分のステージの研究のために2500円払ったと考えるほうが納得できるような夜であった。申し訳ないことではあるが。