2012/12/11

5 本当は恐ろしいオランダの涙  オランダの涙

【オランダの涙たちの会話】

「涙の数だけ強くなれるよ〜」

「なんやそれ、岡本真夜の歌かいな」

クリックすると元のサイズで表示します

「ところで、なんでオランダの涙は、どいつもこいつも尻尾がまがってるねん?」

「そんなことあれへん。みんながみんなそうやない。下の写真のオランダの涙のように、尻尾がまっすぐなやつもおる。作る人間の根性がひねくれてたら、わしらの尻尾もまがってくるんや」

クリックすると元のサイズで表示します

「そうやなぁ。どのみちわしらは、バーナーで火あぶりにされて、冷たい水に放りこまれたあげく、ペンチで尻尾折られて、ばらばらにされる運命やからなぁ」

クリックすると元のサイズで表示します

「火責め、水責めに、ハンマーで頭たたかれるわ…。実験して確かめたら、ハイ、それまでよ。なんでも使い捨ての時代や。心こめて物を作る人間なんて、おらへんわなぁ」

クリックすると元のサイズで表示します

「ちょっと、人間たちに思い知らせてやろうよ」

「そうやな。黒曜石がナイフとして使われていたように、わしらガラスは、割れたらよく切れる。切れるから、気ぃつけんとけがするぞ〜」

クリックすると元のサイズで表示します

「せやけど、わしらのような強化ガラスの仲間は、割れても粒々の破片になるから、安全なんとちがうん?」

「時と場合によるがな。昔の自動車のフロントガラスは強化ガラスを使うてたこともあったけど、事故のときに粉々になると、運転手が車外になげだされたり、粒々の破片が目にあたってけがしたり…。交通戦争ていうてた時代があったけど、事故現場では、道路のあちこちに粒々になったフロントガラスの破片が落ちてたもんや。せやから、今の自動車のフロントガラスは、プラスチックをサンドイッチした、合わせガラスになってるんや」

「それに、強化ガラスゆうても、破片が粒々にならへんガラスもある」

クリックすると元のサイズで表示します

「こいつも、強化ガラスの仲間やけど、普通のガラスと同じ割れ方しとるやろ?」

「なんで?」

「こいつは、熱して冷やす全面強化ガラスとちがって、ガラスの表面だけを化学的に処理して、ナトリウムよりも分子の大きいカリウムにイオン交換してあるんや。せやから、分子がおしくら饅頭して、圧縮応力がつくられるんや」

「強化耐熱ガラス食器なんか、割れにくくて丈夫やけど、それでも不注意で床に落としたときには、当たり所が悪いと、バーン! ものすごい音がして、するどい破片が四方八方に飛び散る」

「下の写真を見てみ。尻尾を折られて爆発させられた、わしらの残骸や」

クリックすると元のサイズで表示します

「あれっ! 鋭角になってる破片もある!」

「そうや、そこや。みんな人間たちはオランダの涙は強化ガラスの一種で、破片は鈍角の粒々になると思い込んでおる。そこが付け目や。思い知らせてやろう」

クリックすると元のサイズで表示します

「せやけど、いきなり人間あいてに実行するのは残酷やから、シリコンゴムで実演して、警告しておきましょう」

「そうやな。わしも血を見るのは、きもちが悪い」

「尻尾も、ガラスの針みたいで、刺さったら痛いでぇ〜」

会話終わり

そういうわけで、注意喚起です。何事も安全第一です。

オランダの涙を作るときや、尻尾を折るときは、自分だけでなく、近くにいる人もかならず保護メガネを着用するようにしましょう。

低温の海では鋼鉄製の船が一瞬のうちに脆性破壊して沈没することがあるように、ガラスも、高速で破壊が進行します。水中では、その衝撃でガラス製のビーカーが割れることもあります。飛散防止をほどこすか、ステンレス製やプラスチック製の容器で試すようにしましょう。

ポリ袋に入れてオランダの涙の尻尾を折る場合、厚手の袋を使います。切り裂き耐性のないポリ袋の場合、なんどもオランダの涙を砕け散らせると、破片がサンドブラスターのように作用して、ポリ袋を突き破って噴出してくることがあります。

試したあとは、かならず掃除して、飛散したガラス片で他の人が怪我をしないようにしましょう。掃除が終わって、作業の終わりです。

なお、保護メガネでない、ガラス製のレンズのメガネの場合は、メガネの上から装着できるゴーグルタイプの保護メガネもあります。

保護メガネでないメガネの場合、飛来物でメガネのレンズが割れて、その破片で目を損傷することがあります(注)。

クリックすると元のサイズで表示します


注:わたしは若いころ、労災ですが、作業中に飛来物が遮光メガネを突き破って、右目に刺さったことがありました。目は血だらけになりましたが、会社の診療所ですぐに目の傷を縫合してもらいました。その後、救急車で総合病院に運ばれ、目の中に粉々になって入った無数のガラスの破片を1つ1つ慎重に取り除いてもらいました。おかげで1ヶ月の眼帯生活だけですんで、失明は免れました。
2



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ