甲府に出掛けたついでに、前々から行きたかった甲斐善光寺に行ってみることにした。甲斐善光寺とは通称で、正式には定額山浄智院善光寺と言い、浄土宗に属している。その歴史は、1558(永禄元)年、川中島の合戦の折に、信濃の善光寺消失を恐れた武田信玄が、ご本尊の釈迦如来像を始め、諸仏寺宝類を持ち出してここに奉ったことに始まる。金堂は、文化財指定木造建築物としては日本でも十指に入るくらい巨大なもので、天井には巨大な鳴き龍が描かれ、地下には戒壇巡りがある。
これが金堂で、確かに威風堂々としている。
境内には大仏もある。
金堂に入ると、まず鳴き龍があり、龍の顔の下で手を叩くと反響する。次に、本尊の裏側に回ると戒壇巡りになっている。そこに至るまで、古い仏像が沢山立ち並んでいる。戒壇巡りは「心の字」の形になっているらしい。信濃善光寺と同じく、暗闇の中に鍵があり、それをうまく触ると、本尊と法縁を結べたということになる。
立派な寺なのだが、ちょっと引っかかる点が無きにしも非ず。戦国時代のこととは故、信濃善光寺の消失を恐れて甲斐に持ってきたというのだが、これは信濃の側から見れば「略奪された」と映っているのではないだろうか。善光寺の本尊は、日本最初の仏像とされていて、確かに大変貴重なものである。焼失したら確かに大変なのだが、それが理由というよりは、やはり戦局を有利に導くためという計算もあったのではないだろうか。
また、これは現在の気になる点なのだが、金堂の中で、善光寺の説明をするアナウンスがずっと流れていて、戒壇巡りをしていても聞こえてしまうのが頂けない。「ちょっと観光地化しちゃったなぁ」というのが正直な感想である。
以上、辛口の評価をしたが、境内をゆっくり巡ると、歴史ある仏像寺宝の数々に出会え、このお寺がとても大切にされてきたことが窺える。

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