ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』新訳を読了。
以前は『路上』という題名だったが、ニュアンスが違う。
やはり、『オン・ザ・ロード』というほうが、ぴたりとくる。
アメリカ横断を繰り返す若者たちを描いた小説だ。
《心臓が痛くなってきた。気に入った子がこの広すぎる世界で別方向に行くのを見るといつもそうなるのだ。》
《車でひとびとのもとを離れると、みんながどんどん平地の上を後退していき、しまいには点のようになって飛んでいってしまう、あの気分はなんなのだろう?――大きすぎるくらいの世界がぼくらに飛びかかってくる、あれが別れなのか。しかし、ぼくらは、いくつもの空の下、つぎなるクレージーな冒険に向かって前のめりで進む。》
すばらしい。
コッポラが映画化したくなるのもわかる。
訳者、青山南氏の解説に次のような一文があった。
《仲間たちの本に秀逸なタイトルをつけたのもケルアックだった。アレン・ギンズバーグの詩集『吠える』(Houl)も、ウィリアム・バロウズの小説『裸のランチ』(Naked Lunch)も、ジョン・クレロン・ホームズの小説『ゴー』(Go)も、ぜんぶ、ケルアックがつけた。》
ビート・ジェネレーションの王様だ。
言語感覚に秀でたケルアックの文章を読むのは無上の快楽であった。

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