
「定福院」(埼玉県栗橋町)
「本当だ、お前さんが言う通り、黄金の花だ」
「尤も、白い花を包んでいる部分が黄金なんだがな」
「この色を愛したから仏像を黄金にしたんじゃないか」
「光り輝く花の方が、仏像よりも先立つだろう」
「それは深い思索かも知れない」
「ところで、よく見ると花も笑うが葉も笑うのだね」
「何がうれしいんだろう。」
「そりゃ黄金色の花を見てさ」
「いや生きていること自体だろう」
「花にはそんなエネルギーがないだろう」
「なあに、見るものがエネルギーを与えるんじゃないか」
「そんなうさんくさいことを」
「いやいや、どうも。最近村上春樹さんの「1Q84」を読んでるおかげで」
「いや違うな。そういう神秘主義的な傾向がある人が村上春樹を読むのだ」
「あはは、そうかも知れない」
「かも知れない、ではなく、そうだと認めればどうだ」
「かなわないな、合理主義しか知らない人には」
仲の良い2人は合笑して、合掌した。

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