
「定福院」(埼玉県栗橋町)
「羅漢さん、羅漢さん」
「なんだべー」
「浄土にもスーパー銭湯があるの」
「数パーセント? 今話題の酒井法子かね。せいぜい2、3mgじゃねえか、吸ったのは」
「いやそうじゃなくて、お風呂だよ。大きなお風呂。でもノリピーは2000mgも吸ったのかい、羅漢さん」
「そうだろうや。2、3mgってところだろうな。ところで、風呂か。風呂はあるだろうな。仏さんは清潔好きだから」
「葬式の後に清めの塩をまいたりするしね」
「でもな、あれは死んだ人がかわいそうな気持ちもするな。だってなー、別に汚いわけじゃないしなー」
「まあ、考えてみればそうだよね。でも、お風呂をつくろうなんて誰がリーダーシップとったんだろう」
「言いだしっぺ? 誰が言い出したってことか? そりゃ知らねーな」
「中国の年越しの清めが風呂のもとだって聞いた気もするけど」
「中国のあと少しの清めか。それはありそうだべー。中国は昔浮浪児だらけだったしな」
「風呂児? そんなに大勢いたの? さすがだね。でも、中国だったら書物がたくさん残っていそうだから、誰が浄土に風呂を作ったかということだってわかりそうだよね」
「んー、きっとそうだべー。でもな、調べる人よりも残されている文献の方が多いと言われてるべな。確か、中国の商売上手だった女性が、浄土に行って風呂を作ったって読んだことが
あったな。誰だっけな? おらの記憶は自慢じゃねーがみんなうるおぼえだからな、えー誰だったかな・・・」
「羅漢さん、思い出してよ、なんとか」
「・・・・・」
「羅漢さん、思い出せない? まだ、無理?」
「ああ、そうそう、お前は、なんだ知ってたのけ? マダム・リーだ、マダム・リー」

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