平田オリザ氏の著作で劇場法について書いていたのは、確か2001年に出版された「芸術立国論」集英社刊だったように思う。
それを読んで、こないだ平田氏の講演で、その後の劇場法についての動向が聞けるかと思っていたら、無かったんですけど、こんなことを言ってました。
「イギリスでは創立されて数十年経った劇団を、国が認めて補助を出している。日本でそんなことが出来ないか聞いてみたら、特定の劇団にだけ便宜を図ることはできない、ダメだと言われた」
とまぁ、こんな感じです。録音したわけではないので、あくまでこんな感じ。
平等は平等でも悪平等ではないか?という指摘でして。
この話を聞いて(難しいんだなぁ)と思っていたんですけどね。
今日のニュースで
毎日社説 社説:
一斉休漁 漁業の構造改革につなげたい - 毎日jp(毎日新聞)

漁業用の船舶に燃料として使われているA重油や軽油は、もともと免税扱いだ。すでに優遇されているうえ、さらに漁業向けの燃料費補助を行えば、税負担も加えて燃料を購入しているトラック運送業者などから、異論が噴出するだろう。
読売社説
全国一斉休漁 漁師らの窮状を救うには : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

だが、原油高に苦しんでいるのは漁師だけではない。農家や運輸業界も同様だ。厳しい財政事情を考えれば、税金のばらまきにつながってしまう燃料費への直接補助は困難だろう。
ひでぇ。
運輸業界の抱えている問題って、たしか小泉内閣のときからボロボロ出始めていて、小泉元総理が「構造改革!」って言って道路建設の是非について議論が始まったとき、陸送業の偉い人と現場の人の間で、
燃料費の節約で高速道路と一般道を燃費を計算して選ばないといけないとか、
従業員を独立させて下請け業者にして厚生年金を払わないようにするとか
労働者が下請け業者として契約時に仕事量を約束したのにいざとなったら全然仕事を廻してくれないとかボロボロ出てきて、
今年になってからの道路特定財源ガソリン税についても、最初は陸送業者がガソリン代高騰に悲鳴を上げて、それで暫定税率の廃止が議論されるようになってって、運輸業には運輸業の厳しさがるわけでしょ、んで新聞もテレビも騒ぐときだけ騒いで、暫定税率復活後には全然報道しなくなって。
問題は全然解決してないわけですよ。
んで今回漁師たちが声を上げたら「農家や運輸業界も厳しさは同様だ」って、何考えてんだよ。まるで農家や運輸業界も苦しんでいるんだから漁業はそんなこと言うなっつー論調、悪平等だろーが。
問題の解決待ったなし!と知恵を結集させるんでなければ、社会の沈没は防げない。もう全員が奈落の底に落ちるんだから文句言うなっつー社説だ。
あと、テレビ等はガソリン代の高騰も魚が市場に出回らなくなるかもしれないと一般家庭を対象にした取材をしているけど、一般人は食べずに我慢するという選択肢があるんだよね。外食産業はそうもいかないでしょう。大量に仕入れないといけなくて、市場を通しているのかしら?
ガソリン代の高騰も運輸業の現状とか、鉄道が廃止された後を走っているバス業界とか気になるんだけど、全然報道しない。
(さらに言うと、エコで節電についてだって、一般家庭の電気消費量よりオフィス街とか工場とかの電気消費量のほうが桁違いにデカイんじゃなかったっけ?実は電気の供給量が決定的に足りないとなると、法人向け電気供給を止める・その契約の分だけ電気代が安くなってる、とかあるらしいし)
んでんで、この“悪平等”という視点、クラシック音楽にも影響を及ぼしているんだよね。別にガソリン代とか電気代とか行政の補助とかじゃないけど。
管弦楽団の人が素朴な質問を受付てくれたとき、誰かさんが「新しい局面を作れないか」と質問したんですよ。
そしたら答えてくれて、
「我々も新しいことを考えて行動しているんだけど、例えば眉間にシワ寄せての演奏態度から笑顔を浮かべての演奏とかしますと、御贔屓の方々から「へらへら笑いながら演奏するとは何事だ!」とお叱りを受けるのです」。
その御贔屓の方々が楽団経営を磐石にしているのならその意向に従えもしましょうが、目の上のタンコブ層にもなりつつあるそうで。
議論する場を設けることが必要なんでしょうね。
あ、あと吹奏楽とかクラシック音楽とか(漁業とか農業とか運輸業とか、まぁ個々の文化)の社会的地位向上をって、大衆からどれだけ敬意を表されているかということと、国や県とか市がどんな法律とか条令を課しているかの二本立てで考えないといけないと思う。平田氏が劇場法の制定を言ったのは、後者のことだと思う。