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2007/7/1

国会閉幕 「対決」演出の政治は不毛だ(7月1日付・読売社説)  日本

 今回の国会は最後まで混乱と対決が目立ちました。
 読売新聞が社説において、この状況を概観し、整理していたので、転電したいと思います。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070630ig90.htm

国会閉幕 「対決」演出の政治は不毛だ(7月1日付・読売社説)

 各政党とも「政治決戦」と位置づける参院選へ、いよいよ本格的に動き出す。

 激しい与野党攻防の末、30日未明、参院本会議で、社会保険庁改革関連法や年金時効撤廃特例法、公務員制度改革関連法などが成立した。5日までの会期を残して、国会は事実上、閉幕した。

 社会保険庁改革関連法は、社保庁の廃止・解体、非公務員化によって、ずさんな、お役所仕事を根絶し、年金の信頼回復へ抜本的な転換を図るものだ。速やかに実現しなければならない。

 ◆混乱の原因は何か◆

 今国会では、国民投票法や教育改革関連3法が成立した。いずれも国の姿の根幹にかかわる。

 国民投票法の成立で、憲法改正条項があるのに、改正のための手続きに関する法律がない、という憲法の欠陥が解消された。国民がようやく、憲法改正という最大の主権行使をできるようになったのは、画期的なことである。

 教育改革3法によって、安倍首相が掲げる「教育再生」の足掛かりができた。日本の将来を支える人材の育成に実効が上がるよう、着実に施策を講じていくことが大事だ。

 だが、全体としてみれば、今国会は、混乱の方が目立った。

 参院での与党過半数割れの実現を最大の目標とする小沢代表の下で、民主党が一貫して対決姿勢で臨んだことが一因だ。与党の強硬姿勢を引き出し、「強行採決」「数の横暴」などと批判できる状況を作り出す狙いがあったのだろう。

 国民投票法にしても、憲法調査特別委員会の与党と民主党の理事間では、共同修正を目指していたが、民主党執行部の反対で、与野党協調は崩れた。

 国、地方を合わせて長期債務残高が2007年度末で約770兆円に上る深刻な財政をどう再建するのか。年金をはじめとする社会保障制度は、安定と持続のために、どう改革すべきなのか。財源を確保するために、消費税率引き上げなどの問題に、どう取り組むのか。

 日本の平和と安全への深刻な脅威である北朝鮮の核・ミサイルをはじめ、外交・安全保障上の課題も山積している。

 今国会で論議すべきは、こうした国や国民生活の基本にかかわる重要問題だったはずだ。対決の構図を描き出すことに腐心したのでは、骨太の建設的な論戦の影が薄くなるのも当たり前だ。


 その結果、不明朗な事務所費をめぐる政治とカネの問題や、終盤の年金記録漏れ問題などをめぐる責任追及や批判の応酬ばかりが、前面に出てしまった。

 ◆競うべきは重要政策◆

 今国会では、党首討論は2回しか行われていない。5日までの残る会期を無為に終わることなく、もう1回、党首討論をしてはどうか。討論を通じて、参院選の争点を明確にすべきではないか。

 各党は、参院選に向けて公約を発表している。今後は、問題点を掘り下げる論戦を展開すべきだ。

 例えば、消費税の問題だ。

 民主党は、消費税率を引き上げず、全額を年金の基礎部分の財源に充て、現行の給付水準を維持するという。

 04年の参院選では、3%程度の消費税率引き上げを含む年金制度改革を主張していた。なぜ、主張が変わったのか。消費税率の引き上げなしで、給付水準が本当に維持できるのかどうか、より詳細な説明が必要だ。

 自民党は、07年度を目途に、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現するとしている。だが、本格的な議論は秋以降だという。

 自民、民主両党ともに、負担を求める政策を打ち出すのは、選挙で不利に働くという判断があるのだろう。責任政党として、消費税率引き上げをめぐる論戦を避けるべきではない。

 民主党は、「民主党の政策 10本柱」のトップに「年金を守る」を置いている。年金問題を争点にしたほうが有利という判断からだろう。

 だが、選挙戦が国会終盤の攻防の延長になってはなるまい。有権者が求めるのは、不安を解消する具体策や抜本的な制度改革に関する説得力のある議論だ。

 現在の憲法の下で最初の国会が召集され、参院が活動を始めて60年になる。参院選を機に、今国会を振り返りつつ、参院のあり方を考えることも大事なことではないか。

 ◆参院のあり方も争点◆

 本来、参院に期待されるのは、衆院への抑制、補完機能と言われる。

 しかし、現実には、参院は「衆院のカーボン・コピー」化し、衆院での政党間対立がそのまま持ち込まれ、政治的対立と混乱の「政局の府」となっている。

 29日から30日未明にかけて、参院本会議を舞台にした与野党の攻防も、衆院での対立劇の繰り返しだった。

 これが望ましいのかどうか。参院の役割や権限を考えることは、新しい時代の政治の構造をどう構築するか、という問題にもつながる。

 参院選に臨んで、有権者にとって、こうした視点も重要なポイントだろう。
(2007年7月1日1時42分 読売新聞)



 なかなか野党連合の方針や、民主党のやり方について丁寧に書かれている良記事だと思います。
 実際のところ、北朝鮮や中国の脅威について話をそらし、別の問題に集中する意図は単純です。もし、北朝鮮や中国の脅威について真剣に議論したならば、憲法改正をするしかないという方向にしかならないからです。
 あれらの国が脅威であるかないか、それに対してどう対抗するか、という話は憲法改正問題とは不可分です。そうしたやり方は、軍事抜きの外交交渉では絶対にとめられません。たとえば、中国が戦略目標として台湾攻略を明記していますが、どのような外交交渉でその戦略目標を変えさせることができるというのでしょうか。
 また、中国が確保すべきとしている第一列島線、第二列島線には日本も含まれています。日本、台湾などの地形をそのまま飲み込もうとしているのに、どのような「外交」でとめられるというのか。
 中国に現実に攻撃され、支配されたチベットは、どのような「外交」で中国の侵略をとめられたというのか。

 また、北朝鮮は先日日本に対して短距離弾道ミサイルを発射しました。これは核弾頭搭載可能なミサイルです。これが東京都に着弾した場合、山手線圏内がまるまる半数致死圏内に入ります。数百万人の被害が出る可能性がある。
 確かに内政の問題も重要ですが、こうした問題も日本の社会にとっての脅威です。両者は二者択一ではなく、外政の問題を必死に隠蔽し、内政の問題のみに集中させようとするのは、別の意図があるからでしょう。
 
 さらに、民主党のやりかたです。
 「 参院での与党過半数割れの実現を最大の目標とする小沢代表の下で、民主党が一貫して対決姿勢で臨んだことが一因だ。与党の強硬姿勢を引き出し、「強行採決」「数の横暴」などと批判できる状況を作り出す狙いがあったのだろう。」
 当初は審議拒否を繰り返した上で、最後は数の横暴などと民主主義を否定しています。強硬採決についても笑止です。要するに自民党は強硬で、国民の利益にならぬ法案を通している、というイメージを作り出す狙いがあるのです。

 民主党のかかげている政策は一般に、非現実的で、一時的にしか利益にならぬものばかりです。最終的に国民の利益がどのようになるのかを無視し、とにかく票を集められればよいという方針にしかみえません。
 真に国民の利益を追求するためには、きちんとした左派こそが求められているのでしょう。


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