米国国防総省が発表した年次報告書において、米国は昨年よりも強い憂慮を示していました。
朝雲新聞が、該当の年次報告書の要旨をまとめています。
引用元:朝雲新聞
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米国防総省年次報告「中国の軍事力2008」
軍事バランス覆す急速な拡大
米国防省はさる3月3日、議会に対する年次報告書「中国の軍事力2008」を発表した。2007年の中国軍事力の変化や軍事戦略に関する国防総省の分析・評価をまとめたもので、依然として続く国防費の増大をはじめ、宇宙領域への急速な進出、情報通信分野の近代化、台湾をにらんだ戦力の増強、海軍力の強化など、アジア太平洋地域の軍事バランスを揺るがすグローバルパワーに強い警戒感を示す内容となっている。
なお、6月末発行の『国際軍事データ2008−2009 数字で読む明日の世界』(朝雲新聞社)に全訳を掲載の予定。
要約
政治的並びに経済的な地域大国としてグローバルな影響力を高めつつある中国の急速な近年の台頭は、今日の戦略的な環境における重要な要因の一つであり、地域と世界にとって重要な意味をもっている。米国は安定して平和的に繁栄する中国の台頭を歓迎する。中国の国家的な発展と国際システムへの統合を米国以上に援助し助長し促進してきた国は他にない。中国がグローバルなシステムの安定、フォールトトレランス、及び成長のためにより多くの責任を果たすことにより、信頼できる国際的なステークホルダーの役割を果たすことを米国は奨励し続ける。しかしながら中国の今後の針路は多くの点で、特に軍事力の強化とその用途の分野において、不確実性に覆われている。
人民解放軍は領土内における持久消耗戦に備える大兵力の軍隊から、領土周辺でハイテク軍隊を相手にして短期間の高強度紛争を戦って勝ち得る軍隊、すなわち「情報化の条件下のもとでの局地戦」に備える軍隊に総合的に改革されつつある。
遠隔の地で軍事力を維持する中国の能力は限定されているが、2006QDRに記述したように、中国は「米国と軍事的に競争し、従来の米国の軍事的優位を長期にわたって相殺する破壊的な軍事技術を実戦配備できる最大の可能性を有する」。
中国は短期的には台湾海峡での米国の介入を含む不測事態に対して備えることに重点を指向していて、これが軍を近代化する重要な駆動力になっている。しかし中国の兵器取得と戦略的な意図は、北京が資源や領土問題をめぐる紛争のような他の不測事態に軍を投入する能力をも向上させていることを示している。
近年中国の軍事改革の速度と規模は拡大し、外国の先進兵器を取得して技術を向上し、国内の防衛産業と科学技術産業に対する投資比率を高く維持し、部隊の編成とドクトリンの面での改革を継続している。中国の軍事力の拡大と進歩は東アジアの軍事的バランスを変化させている。さらに中国の戦略的能力の向上はアジアー太平洋地域を越える意味を持っている。
DF−31とDF−31Aの新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配置にみられるような中国の核戦力の近代化は、中国の戦略的攻撃能力を強化しつつある。新しく出現した中国の対接近/領域拒否の能力は 新型巡航ミサイル、中距離弾道ミサイル(MRBM)、及び洋上で船舶を攻撃する対艦弾道ミサイル、並びに空母の開発継続、さらに2007年の直接上昇対人工衛星兵器の実験成功 に例証されたように、従来の地上、空中、及び洋上の戦場から宇宙とサイバースペース領域に広がりつつある。
国際社会は中国の軍事力近代化を推進している動機、意思決定、及び緊要な能力について限られた知識しか持っていない。今後、中国の指導者は人民解放軍の戦力の近代化の狙いと目標を具体的に説明しなければならない。
例えば、中国は不完全な国防支出額の公表を続け、公表した政策に一致しないようにみえる行動を続けている。中国の軍事と安全保障における透明性の欠如は、誤解と誤算の可能性を増大して、安定に危機をもたらす。この状況は、当然のこととして、知ることができないものに対する対抗策を生みだすことになろう。
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本ブログでも何度か取り上げていますが、中国の軍拡は極めて憂慮に値する事態に発展しています。米国はまだ、中国の核にも空母にも対抗するパワーを持っているため、最低でも互角以上の競争をすることが可能ですが、その狭間にある日本にとっては、たまったものではありません。
少し前に、中国は、米国に対しグアム線で、東西分割して管理しよう、というとんでもない提案をし、日本側も相当憤慨するという事件がありましたが、これは中国の軍事的能力の拡大が背景にあるわけです。
米国からみるならば、中国と核戦争を覚悟してまで日本、韓国、台湾を防衛するか、それとも中国と手を結び、その提案に甘んじるかは、かなり難しい決断です。もちろん米国は日本以上の長さのシーレーンがあり、もし中国が日本、台湾、韓国を管轄化にいれた場合、米国の中東にいたる石油ルートは完全に遮断される可能性があります。
そのため、おそらく最終的に中国と手を結ぶのは難しいと思いますが、魅力的な提案であることは確かです。
そして米国が手を引いたとき、日本・韓国の主権は事実上終わりを告げます。中国の核戦力に対抗するすべがないからです。そして、まさにそれを狙っているのが日本の左翼勢力であり、韓国の主体思想派でした。
それを防衛するためには、核武装論も含めて自由な議論をしなければなりませんが、なぜか日本の左翼はそうした動きを一切封じてきました。
もっとも、中国の艦艇の来航には一切運動も批判もしなかったことで、日本の自称左翼の正体はすでに露呈されていますが。
さて、話を本筋にもどしますが、米国は、あくまで自分の国のパワーを前提に「中国の能力は限定的」と表現していますが、日本からみたら「限定的」どころではありません。
十分な核戦力、核弾頭だなかったとしても、相当数の通常弾頭や化学弾頭を送り込む能力。さらに空母は、Su-27Kを60機程度積載できるかなり強大なものを建造中であり、原子力潜水艦も通常動力型も相当数そろいつつあります。
揚陸能力や空挺能力も全く侮ることはできません。
とくに航空優勢についても、韓国空軍、台湾空軍を考慮しないならば、Su-27SKだけですでに自衛隊のF-15を超える数を有しており、さらにそのコピーの殲撃11型も着々と配備中です。
殲撃11型については、あまりのコピーのひどさにロシアが激怒したほどの機体です。
航空優勢の支援下に、日本の空港、港湾などに損傷を与えれば、日本の航空戦力はかなりの制限をうけます。事実、日本の空港の重要部分に中国人が侵入した、というニュースがありましたが、これは見逃されているようです。現在の日本の危機感のなさにも戦慄しますが、これは相当な事態です。
中国が日本に対する奇襲的な揚陸を航空優勢のもとに実施した場合、自衛隊はもちろん有効な反撃を加えるために戦略的な機動と集中を実施するでしょう。しかし、その動きを日本国内の無防備運動が妨害しています。
さらに、対人地雷を、親中派の橋本竜太郎元首相が禁止したことによって、中国の選べる上陸地点の自由度は爆発的に増大しています。
さらに、日本の航空戦力としては、唯一の面攻撃武器のクラスター爆弾さえ禁止に追い込もうとする一団もいます。これも例外なく親共産主義の面々です。(有志の情報に感謝です!)
「不発弾が市民に被害を与えているクラスター爆弾の禁止を目指す超党派の議員連盟が25日、発足した。中川秀直・元自民党幹事長、鳩山由紀夫・民主党幹事長ら13人が発起人となり、衆参計40人弱の国会議員が参加する。クラスター爆弾禁止条約締結を目指す世界的な軍縮運動「オスロ・プロセス」は来月、条約案合意を目指す会議を開く予定で、議連は条約締結に向け、日本政府を後押しする。
議連は同日、総会で河野洋平衆院議長を代表に選んだ。議長は「わが国はまだ慎重な対応をしている。禁止に向けて支援していきたい」とあいさつした。
発起人にはほかに自民党の逢沢一郎衆院予算委員長、公明党の山口那津男外交安保調査会長、岡田克也・民主党副代表、社民、共産、国民新党の議員らが名を連ねた。
政府は、オスロ・プロセスで、今年中に禁止条約を作る政治宣言には署名したが、全面禁止には反対し、規制を緩やかにするよう主張している。議連は禁止に消極的な政府の姿勢をただしていく見込み。」
なかなか面白い面子がそろっています。
当然ですが、クラスター爆弾を禁止することによって万一、中国が橋頭堡の確保に成功した場合(地上兵力を揚陸し、或程度の拠点を建設した場合)、航空支援もろくにされない状態で、自衛隊は突撃を敢行せざるをえなくなるでしょう。それが狙いです。
また、法律的にも、反自衛隊活動を徹底的にする。
イラク派遣についての高裁判断で、判決は原告棄却だったにも関わらず、その傍論にあった、違憲との判断を鬼の首でもとったかのように大騒ぎするメディアもいます。
東京新聞にいたっては、原告の訴えが棄却されたことを隠蔽し、まるで勝ったかのような記事を書いています。
「航空自衛隊のイラクでの活動を違憲と判断した名古屋高裁判決を受け、派遣差し止め訴訟の原告団は27日、名古屋市内で同判決後初の総会を開き、上告しないことを正式に決めるとともに、判決を力に自衛隊の即時撤退の実現などを目指す活動方針を採択した。
総会には約100人が出席。冒頭、弁護団の川口創弁護士は政府が違憲判断部分を傍論と主張していることについて「主文を導く過程での要件の一つであり、傍論ではない」と反論。「国はぎりぎりで勝たせてもらっただけ。『関係ない』と言っている場合でなく、判決を重く受け止め、政策を見直すべきだ」と訴えた。」(東京新聞)
日本の防衛力を段階的にそぎ落とし、抑圧する。
その一方で、反自衛隊、反米活動を徹底的に実施し、米軍を追い出す。
自衛隊の基地建設、防衛力整備を邪魔する。
これは、全ての自称左翼に共通する動きですが、これによってもたらされるのは日本弱体化と、中国、北朝鮮の増長。ただそれだけです。
日本が極めて脆弱になることによって、台湾は大変な危機に陥り、最終的には日本本土も危険な状態になります。これはそう遠い未来ではなく、ここ数年以内に必ずそうなります。
そうなる前に、もっと総合的で完結した防衛力を建設するべきです。
そうした動きと米軍の段階的な日本への抑止力移譲は、絶対に不可分でしょう。
・阪神大震災と自衛隊の記録
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