2018/3/13

最悪の学習指導要領案にパプコメの嵐を  ]Vこども危機
 青木です。3月15日が文科省へのパプコメの締切日です。

 ◆ 「学習指導要領」の暴走を止めよう!
   「高等学校学習指導要領」(案)のとんでもない内容


 2006年の教育基本法改悪以後、2度目の学習指導要領改定の時期が来ました。2018年3月には前年の小学校・中学校に次いで、高等学校の学習指導要領が改定「告示」されます。今回の改定では、現行の公民科「現代社会」を廃止し、全員必修の「公共」が新たに置かれますが、これが予想された通り、とんでもない内容のものです。高校学習指導要領の改定は前年の小学校・中学校を越える大改定=大改悪です。

 (1)「前文」にも「総則」にも「教科」の目標にも「愛国心」条項が記載されている
 しつこいほど繰り返されています。とくに地歴公民です。これは教科書の記述にもろに影響します。次に、授業点検の口実になります。入学試験の問題にも影響します。


 (2)新学習指導要領によって教育の「内容」だけでなく教育の「方法」も規制されるようになる
 今回の改定で、いよいよ国が個々の教師の実践の方法にまで立ち入ってきました。「主体的・対話的で深い学び」という美辞に惑わされてはなりません。一部では、これに期待している向きもあるようですが、この改定の本当のねらいは別のところにあるのです。このことをしっかり見抜かなければなりません。

 (3)「人格の完成」「平和で民主的な」が空文化して、すべては「資質・能力」のため
 「資質・能力」はしっしりと根付いた学力のことではありません。必ず、目に見えるものが要求されます。成果が要求され、点検の対象となります。これはまさに教育における成果主義です。

 (4)学習指導要領が教育の「方法」の基準となることによって、多様で自発的な教育は死滅する

 (5)これまで、教育の内部のこととされ、公権力が一切立ち入らなかった「学習評価」が学習指導要領の対象とされる。

 (6)公民科の各科目はそれぞれの科学的知見に基づいた学問領域に基づいて構成されてきた。しかし、今回の改定で「道徳教育」の一環として再編成される。とくにそれが顕著なのは「公共」である。これは戦前の「公民科」がたどったと途と同様の途を歩もうとしている。

 (7)改定教基法の愛国心条項が教科・科目の目標の中に入れられ、これが「内容」を縛る
 各教科の「目標」の中に「伝統と文化を尊重し…、我が国と郷土を愛する…態度を養う」の文言が何らかの形で入りました。とくにそれが著しいのは、旧社会科つまり地歴科と公民科です。

 (8)「領土問題は存在しない」と、政府見解を一方的に伝えることを強制する
 地歴公民すべての科目で「内容の取扱い」の箇所で言及しています。

 (9)思考力、判断力、表現力は大切だが、事実の正確な理解が前提だ。
 歴史学習の基本は史実の正確な理解です。新しく設定される「歴史総合」は、史実の正確な理解よりも、「判断」「表現力」の方に重点が置かれ、しかも、それが一定の方向に向くように仕組まれています。とくに朝鮮半島に対する日本の植民地支配、満州事変以後の中国侵略の事実を教科書から抹消しようとする意図が明白です。教科書検定が大変に憂慮されます。

 (10)歴史学的裏付けのない「グローバル化」等の概念
 「歴史総合」の「内容」はA歴史の扉、B近代化と私たち、C国際秩序の変化や大衆化と私たち、Dグローバル化と私たち、という構成になっています。
 歴史学習の対象は史実とその連環です。史実とその連環に対して学習者の思考力、つまり批判力や判断力を養うのが歴史学習です。連環を欠いたバラバラな事象の羅列ではそれはもう歴史とは言えません。

 (11)「目標」から「人間尊重」と「科学的な探究の精神」を削除した「公共」は何のために設けられたか?
 公民科に問題の科目「公共」が置かれます。この科目では、従来の「現代社会」の「目標」に書かれていた「人間尊重と科学的探究の精神」が抜け落ち、「公共的な空間」としての「社会」への「主体的な参画」が強調されます。
 現代社会の諸課題についてともに考える授業ではなく、「主体的」に「参加」したかどうかが評価の基準になるような授業になることが憂慮されます。現場での取り組みの余地が多少は残されるでしょうが、教科書の内容がとんでもないものになることも予想され、きわめて困難になるでしょう。「対話的・主体的で深い学び」などの美辞麗句に惑わされて、この科目の問題点の追及が緩められてはなりません。

 問題をいろいろと数え上げたらきりがありませんが、問題点だらけのこの新学習指導要領をこのまま通すことがあってはなりません。
 文科省への意見公募の期間が3月15日までですが、1通でも多く文科省への異議を伝えましょう。異議を伝えることによって、今後の教科書検定に際しての圧力を少しでも弱め、教科書の執筆者を勇気づけなければなりません。

 ◆ ポイントはは次の点です。
1.「公共」に日本国憲法の学習を独立項目として入れ、憲法3原則(国民主権・基本的人権の学習・戦争の放棄)きちんと学習させよ。

2.「公共」「政治経済」ともに「国家主権」より「国民主権」を強調したものとせよ。

3.領土問題等に見られる、政府見解を一方的に伝えことを止め、客観的・学問的な内容にせよ。

4.「歴史総合」では日本の朝鮮半島の植民地支配とアジア侵略の事実をきちんと伝えよ。
 ぜひ、文科省のHPから「高等学校学習指導要領案」を開いて見てください。
 時間が迫っていますが、1通でも多くの批判的意見書を出しましょう。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000959&Mode=0

 【意見の提出方法】
 1.期限 2018年3月15日まで
 2.宛て先 〒100−8959 千代田区霞ヶ関3−2−2 
       文部科学省初等中等局教育課程課
  FAX 03−6734−4900
  メール shidouyouryou@mext.go.jp
 3.件名 高等学校学習指導要領案について
 4.様式(記載事項)
  ・件名  ・氏名  ・性別  ・年齢  ・職業   ・住所   ・電話番号・意見  ・意見の分類番号
 5.分類番号
  @学校教育法施行規則の一部を改正することについて
  A学習指導要領案全体に関すること
  B「総則」に関すること
  C「国語」に関すること
  D「地理歴史」に関すること
  E「公民」に関すること
  以下、続く
  O「総合的な探究の時間」(総合学習)
  P「特別活動」



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