2018/7/13

日大全共闘50周年と日大アメフト「悪質タックル」問題  ]平和
 ◆ 露呈した日大当局の独裁権力構造
   「田中理事長ら、総理事退陣を」教職員組合などが声明
(週刊新社会)
日大闘争を記録する会 岡本達思(我らずーっと日大全共闘)

クリックすると元のサイズで表示します
「日大全共闘結成50周年の集い」色とりどりのヘルメット

 いまや日本中を揺るがす騒動になった日本大学アメリカンフットボール部(以下、日大アメフト部)の「悪質タックル」問題。ここまで大きな騒ぎになったのは、単にスポーツ・マナーの問題にとどまらず、日大本部の暗黒政治の実態が次から次へと露呈したからに他ならない。

 ◆ 若きアメフト部員の勇気 ある内部告発から炎上
 確かに「悪質タックル」という行為そのものも衝撃的な出来事だったが、それにもましてマスコミが問題視したのが、その後の日大アメフト部の内田正人監督(当時)による関西学院大学アメリカンフットボール部への謝罪会見や、大塚吉兵衛学長による記者会見での対応の悪さだった。


 そして、さらに追い打ちをかけるように日大の評価を地に墜したのが、「悪質タックル」の当事者であるアメフト部員M君の勇気ある単独記者会見であろう。
 内田監督のふてぶてしい態度や大塚学長の不誠実な態度に加え、自己弁護に終止した疑念を解消できない説明に比して、若きM君の終始一貫した誠実な態度と、そこで明かした暴力的な指導体制の内部告発は、世間の怒りを一気に日大本部の暗黒政治に向けさせた。
 内田監督や大塚学長の裏に隠れた田中英寿理事長の悪行まで引きずり出す結果となった。
 それはまた、50年前の日大闘争のきっかけを作った「20億円の使途不明金問題」や「大学自治を無視した暴力支配」に対する”日大生の反発”を想起させる事態を招いたのである。

 ◆ 50年前の日大暗黒体制の復元を図る田中理事長
 日本最大のマンモス大学といわれる日大の2018年度予算は2620億円で、その100億円は国の補助を受けており、経営規模は他大学を圧倒している。
 学生は約7万8000人で、教職員は約4000人を揃え、さらに付属の高校や中学なども含めると、総勢約11万6000人の学生と約7200人の教職員という巨大組織である。
 そして、その頂点に君臨する田中理事長は、116万人ともいわれる日大OBで構成された校友会の会長という立場から、2008年に理事長の座についている。

 日大相撲部出身の田中理事長は、50年前の日大闘争では日大当局の体育会系御用暴力学生として日大全共闘の学生たちを暴力弾圧した過去を持つが、理事長の座を得てからもその周辺では、キナ臭い黒い煙が渦巻いていた。

 日大の工事を請け負う建設会社や電気会社からのリベート疑惑や、住吉会や山口組など指定暴力団のトップとの付き合いなど、いくつかのスキャンダルは週刊誌や大手一般紙にも取り上げられ、日本オリンピック委員会(JOC)の副会長という兼職の辞任に追い込まれてもいる。
 日大の新設学部の認可不履行間題を調査する文部科学省の担当者が、その学部主催のシンポジウムに登壇していたという事実も明らかにされ、日大と文部科学省の癒着が表面化したこともある。

 しかし、こと日大内においては“知らぬ存ぜぬ”を押し通し、田中理事長はトップの座を生かして築いた人脈と金脈で、力を持って沈静化を果たし、異例の4期目の再選まで成し遂げている。

 ◆ 恐る恐る立ち上がった非常勤講師と教職員たち
 田中理事長の超ワンマン体制に対しては、これまでも日大内部で問題視する声が出なかったわけではないが、ことごとくそうした声は潰されてきた。
 しかし今回は、メディアと世論の支持を背に受けて、田中体制に対する批判は内部でも高まりつつある。

 非常勤講師で作る日本大学ユニオン準備会では、2016年4月新設の危機管理学部とスポーツ科字部で、英語担当非常勤講師15人全員を雇い止めにし、授業を外部業者に委託するという計画に対し、文科省認可にも教員直接雇用の原則にも反すると指摘して、文科省に指導を要請した。
 非常勤講師3643名全員の雇止めをもくろむ経営戦略に立った就業規則の制定に対しては、日大当局を労働基準法90条違反で刑事告発&申告し、記者会見も開いている。

 日大教職員組合も、M君の勇気ある記者会見に呼応するかのように、田中理事長の辞任を迫る要求書を提出し、それに賛同する教職員ら752名の署名を集めて記者会見を開催した。
 同組合では、さらに学外の一般からも広く署名を募集して、6月末にも再提出を日指している。

 6月10日には、日大闘争から50年ということで、日大全共闘運動参加者によって「日大全共闘結成50周年の集い」が開催されたが、その会場には現役学生をはじめ、日大ユニオン進備会や臭教職員組合の有志も参加し、”田中理事長以下、全理事総退陣”の声明を発表した。
 M君の勇気に報いるためにも、さらに広い連帯の輪をつくり、日大の健全経営に向けた運動を支援していきたく思っている。

 ※日大ユニオン準備会
http://nichidaiunion.blog.fc2.com/
 ※日大教職員組合
http://union-nihon-u.o.oo7.jp/wp/

『週刊新社会』(2018年7月3日)


※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ