2018/7/21

再雇用2次最高裁判決の報道記事から  X日の丸・君が代関連ニュース
 ★ 君が代不起立で再雇用せず 元教職員が逆転敗訴 最高裁
  『NHK』(2018年7月19日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180719/k10011540261000.html
 ※動画あり


 東京の都立高校の元教職員が、卒業式などでの君が代斉唱の際に起立しなかったことを理由に、定年退職後に再雇用されなかったのは不当だと訴えた裁判で、最高裁判所は、東京都の判断が不合理とは言えないとして、都に賠償を命じた判決を取り消し、元教職員の訴えを退けました。

 都立高校の元教職員22人は、平成18年度から20年度にかけて、卒業式や入学式での君が代斉唱で起立しなかったことを理由に、定年退職後に再雇用されなかったのは不当だとして、都に賠償を求めました。

 1審と2審は、「式の進行は混乱しておらず、起立しなかったことだけを不当に重く扱ったのは裁量権の範囲を超え、違法だ」として、1人当たり200万円余りの賠償を命じ、都側が上告していました。


 19日の判決で、最高裁判所第1小法廷の山口厚裁判長は「当時は再雇用を希望しても全員は再雇用されなかった。起立しなかったことを重視して不合格にすることが著しく合理性を欠くとは言えない」と判断し、都に賠償を命じた判決を取り消し、元教職員の訴えを退けました。

 東京都教育委員会は、政府が再雇用を希望する国家公務員を全員、再雇用する方針を決めたことを受けて、平成26年度から希望する都の教職員を原則、再雇用しているということです。

 (以下略)

 ★ 君が代不起立で再雇用拒否 最高裁、都の裁量権認める
   『朝日新聞』(2018年7月19日)

https://www.asahi.com/articles/ASL7M51F4L7MUTIL049.html?ref=yahoo

 (略)

 ★ 原告「やりきれない思い」
 「再雇用の職を失うと分かっていながら、起立しないのはむなしい。でも、起立斉唱すれば、自分で考え、行動するよう教育してきた方針に反する。やりきれない思いでした」

 原告の一人、片山むぎほさん(69)=東京都練馬区=は判決後の会見で当時の心境を振り返った。

 定年後の再雇用が決まっていた2008年3月、勤務先の都立豊島高校定時制で担任を務めた生徒らの卒業式に出席した。開式の辞で「全員ご起立ください」と促され、立ち上がると「急にトイレに行きたくなった」。トイレから戻ると、斉唱は終わっていた。

 起立斉唱を求める校長の職務命令に違反したとして戒告の懲戒処分を受け、再雇用は取り消された。だが、「侵略戦争の象徴だった君が代は国歌としてふさわしくない」との考えは変わらない。
 判決後は「都教委の主張をそのまま認めた判決で、がっくりきた。怒りを感じます」と語った。

 原告側によれば、都教委が03年10月、入学式や卒業式などで君が代の起立斉唱を義務付ける通達を出して以降、片山さんのように不起立で懲戒処分を受け、再雇用などを拒まれた教職員は70人を超えるという。(岡本玄)

  =朝日新聞・社説=
 ★ 君が代判決 強制の追認でいいのか
  『朝日新聞』(2018年7月20日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13595828.html?ref=editorial_backnumber

 憲法が定める思想・良心の自由の重みをわきまえぬ、不当な判決と言わざるを得ない。

 入学式や卒業式で君が代が流れる際、起立せずに戒告などの処分を受けた都立高校の元教職員22人が、それを理由に定年後の再雇用を拒まれたのは違法だと訴えた裁判で、最高裁はきのう原告側の敗訴を言い渡した。

 理由はこうだ。

 再雇用はいったん退職した人を改めて採用するもので、その決定にあたって何を重視するかは、雇う側の裁量に任される。原告らが不合格となった06〜08年度当時は、希望者を全員再雇用する運用もなかった――。

 物事の本質に踏みこまない、しゃくし定規な判断に驚く。

 戦前の軍国主義と密接な関係がある日の丸・君が代にどう向きあうかは、個人の歴史観や世界観と結びつく微妙な問題だ。

 二審の東京高裁はその点を踏まえ、「起立斉唱しなかっただけで、不合格とするような重大な非違行為にあたると評価することはできない」と述べ、都教委側に損害賠償を命じていた。この方が憲法の理念に忠実で、かつ常識にもかなう。

 原告たちが長年働いてきた教育現場から追われたのと同じ時期に、都教委は、別の理由で減給や停職などの重い処分を受けた教職員を再雇用した。さらに年金制度の変更に伴い、希望者を原則として受け入れるようになった13年度からは、君が代のときに起立斉唱せず処分された人も採用している。

 都教委が一時期、教職員を服従させる手段として、再雇用制度を使っていたことを示す話ではないか。そんな都教委のやり方を、きのうの判決は結果として追認したことになる。

 最高裁は11年から12年にかけて、日の丸・君が代訴訟で相次いで判決を言い渡している。起立斉唱の職務命令自体は憲法に反しないとしつつ、「思想・良心の自由の間接的な制約となる面がある」と述べ、戒告を超えて減給や停職などの処分を科すことには慎重な姿勢を示した。
 再雇用をめぐる訴訟でも、教委側の行きすぎをチェックする立場を貫いて欲しかった。

 個人の尊厳を重んじ、多様な価値観を持つことを認めあう。そういう人間を育て、民主的な社会を築くのが教育の使命だ。
 そして、行政立法にそれを脅かす動きがあれば、権限を発動してストップをかけることが、司法には期待されている。

 その両者が役割を果たさなければ、社会から自由や多様性は失われる。この判決を受け入れることができない理由である。


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