今、教育が民主主義が危ない!!
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2008/5/17
「門真市教委への要請書_山田教授」
X日の丸・君が代関連ニュース
『ほっととーく 65』より
要 請 書
門真市教育委員会
委員長 岸本典之 様
教育長 下浦克明 様
去る3月7日の門真市立第三中学校の卒業式に際し、卒業生と担任教職員を含む多くの教職員が、「君が代」斉唱時に不起立だったことに対して、『産経新聞』、その他が非難を浴びせていると聞いて憂慮に絶えず、敢えて愚見を申し上げます。
「君が代」や日の丸がアジア・太平洋戦争を展開している天皇制国家に対する絶対的な忠誠心を国民から引き出す象徴的な機能を果たしました。
そのことは、この時期に発行された国民学校修身教科書を見ただけでも明白なことです。国民学校初等科4年用修身教科書『初等科修身』二は「君が代」を次のように説明しています。
「この歌は『天皇陛下のお治めになる御代は千年も萬年もつづいておさかえになりますやうに』といふ意味で、国民が心からおいわい申し上げる歌です。」
ここに明らかなように、「君が代」は天皇主権に基づく政治が永遠に続くことを願ったものであって、主権在民の今日にふさわい歌ではありません。
国民学校初等科1年用修身教科書『ヨイコドモ』には、日の丸の機能が次のように描かれています。
「テキノタマガ、雨ノヤウニトンデ来ル中ヲ、日本グンハ、イキオイヨク ススミマシタ。テキノシロニ、日ノマルノハタガ タカクヒルガエリマシタ。
『バンザイ。
バンザイ。
バンザイ。』
勇マシク コエガ ヒビキワタリマシタ。」
ここにも明らかなように、日の丸は児童の戦意昂揚に使われたのです。
問題は修身教科書にだけあったのではありません。
国民学校では紀元節、天長節、明治節、1月1日の四大節には、式場正面に天皇・皇后の写真が置かれ、校長は壇上で教育勅語を恭しくに読み上げ、その間児童は直立不動の姿勢で頭をたれて静かこ聞かねばなりませんでした。
1年生や2年生は「天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」などという教育勅語の難しい文言をとうてい理解できませんが、彼らもこの式の方式が醸し出す荘重な雰囲気を通じて天皇や国家は尊いものという観念を抱かせられたのです。
私は1930年に生まれ、このような国民学校教育を受けて皇国少年として育てられた世代であり、このことは忘れることはできません。
今日の小中高の学校の卒業式の方式は、国民学校時代のこれらの儀式の方式に近づいています。
かつては式場には児童・生徒の創意工夫によってつくられた絵画や装飾品が飾られて、楽しい雰囲気がかもし出されていました。
今はそれと変わって、児童・生徒の作品を式場に飾ることは禁じられて、代わって式場正面に日の丸が掲揚され、また同じフロアーで校長が卒業生に卒業証書を渡した形式が、校長は高い壇上から卒業証書を渡す形式に変えられました。
つまり卒業式の儀式形態が、卒業する児童・生徒を祝う、楽しいものから権威主義的ものに変えられました。
この変化は、卒業式は卒業する児童・生徒本位のものから、国家や天皇の権威を植えつけることを目的とした国家本位のものへの変化を意味すると、思われます。
したがって「君が代」、日の丸にまつわる歴史の現実を知り、かつ日本の民主主義の発展を願う者が「君が代」斉唱の強制にこだわりをもっことはごく当然なことです。
これを「偏向」などといって罵倒するのは、歴史の歩みを後戻りさせ、日本人や世界の人びとを再び不幸に事態に陥れるものだと思います。
それにもかかわらず、今日、上からの強制により小中高などの学校の卒業式・入学式に際して「君が代」斉唱・日の丸掲揚が多くの学校で行われるようになり、それがあたかも当然なもことのようになってきています。
アジア・太平洋戦争の前夜には、多くの日本人が国家が作り出す大勢に追従して行きました。その結果、侵略戦争が展開し、日本人はもちろん、東アジアの諸民族に悲惨な結末をもたらしました。
その戦争の犠牲者に対する償いは、戦争終結後半世紀以上が過ぎた今日も、いまだに終わっていません。このような結果を省みるならば、日本人の1人1人が国家が作りだす大勢に追従せず、自立して歴史を考え、かつ行動することは、再び悲惨な戦争の惨禍をもたらさないために不可欠なことです。
以上の理由により、私は貴教育委員会に対して、門真市立第三中学校教職員の行動を良識ある当然の行為と認め、東京都教育委員会が行っている「君が代」不起立教員に対する懲戒処分のような愚かな措置を取らないことを強く要請いたします。
2008年4月10日
立教大学名誉教授、日本近・現代史研究者 山田昭次
『ほっととーく 65』より
「良心・表現の自由を!」声をあげる市民の会
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