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2009/1/4
国連「自由権規約委員会最終見解」から、注目される部分をいくつか取り上げる。
■「立川反戦ビラ弾圧事件」に関連して、パラグラフ26「表現の自由と参政権」
「立川反戦ビラ弾圧事件」裁判は、一審無罪、二審有罪の後、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)判決(2008/4/11)で、「表現の自由」を「邸宅侵入罪」で制限できるとして、以下のように有罪を確定された。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080411183714.pdf(最高裁判決全文)
「上記部分(立川自衛隊官舎各号棟の1階出入口から各室玄関前までの部分)は,「人の看守する邸宅」の囲にょう地として,邸宅侵入罪の客体になるものというべきである。…
確かに,表現の自由は,民主主義社会において特に重要な権利として尊重されなければならず,被告人らによるその政治的意見を記載したビラの配布は,表現の自由の行使ということができる。しかしながら,憲法21条1項も,表現の自由を絶対無制限に保障したものではなく,公共の福祉のため必要かつ合理的な制限を是認するものであって,たとえ思想を外部に発表するための手段であっても,その手段が他人の権利を不当に害するようなものは許されないというべきである。…
したがって,本件被告人らの行為をもって刑法130条前段の罪に問うことは,憲法21条1項に違反するものではない。」
これに対して、「国連自由権規約委員会最終見解」は次のように述べている。
26.<懸念>委員会は、公職選挙法の下での戸別訪問の禁止、選挙運動期間前に配布可能な文書図画への制限などの表現の自由及び参政権に対して課された非合理的な制約につき懸念を有する。委員会は、政治活動家と公務員が、私人の郵便箱に政府に批判的な内容のリーフレットを配布したことで、不法侵入についての法律や国家公務員法の下で逮捕、起訴されたとの報告についても懸念する(第19条及び第25条)。
→ <勧告>締約国は、規約第19条及び第25条の下で保護されている政治活動及び他の活動を、警察、検察官及び裁判所が過度に制約しないように、表現の自由と参政権に対して課されたいかなる非合理的な法律上の制約をも廃止すべきである。
「表現の自由」を、全く別の法律(不法侵入や国家公務員法)で制約することは、国際人権規約第19条に違反するとの見解を示している。そしてこのような別な法律で「表現の自由」を制約することを廃止せよ、と勧告している。
裁判官は、わが国の国会が批准した「国際人権規約」を読んだことがあるのだろうか。
最高裁判所は、「自由権規約」をもう一度学習し直して、判決文を改めるべきではないだろうか。
(※日本国憲法 第98条「2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」)
【参考】『立川反戦ビラ事件最高裁判決を批判する法学者声明』
http://www011.upp.so-net.ne.jp/tachikawatent/hougaku.html
なお、係争中の「表現の自由」に関わる類似事件には次のようなものがある。
■『葛飾ビラ配布弾圧事件』
http://homepage2.nifty.com/katusika-bira/index.htm
一審地裁無罪、二審高裁有罪(罰金5万円)、最高裁第二小法廷(今井功裁判長=立川反戦ビラ弾圧事件と同じ)で審理中
(オートロックでないマンションのドアポストに、荒川さんがビラを静かに届けていたところ、ある住民が「共産党のビラを配っている」と110番通報。亀有警察の刑事課長や公安部警察官が急行し逮捕。翌夕、家宅捜索。お正月をはさんで23日間も勾留され、起訴されたものです。配布したのは、葛飾区議団だより、東京都議団ニュース、区民アンケートと返信用封筒の4種類で、区内全域で配布され、区民に届けられたものでした。)
■『ビラ配布弾圧・国公法堀越事件』
http://www.geocities.jp/kokkou_horikoshi/index.html
一審地裁有罪(罰金10万円・執行猶予2年)、高裁審理中
(休日に自宅周辺の、、民家やマンションのポストに日本共産党のビラを配布したことが国家公務員の政治活動を禁止している国家公務員法・人事院規則に違反するとして逮捕・起訴された事件。)
※『自由権規約委員会の最終見解』(2008/10/30)外務省訳全文はこちらから
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/Gaiko/kiyaku/pdfs/jiyu_kenkai.pdf
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