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2012/2/16

卒入学式前の総決起集会  X日の丸・君が代関連ニュース
 ▲ 卒入学式前の総決起集会

 日差しはあっても空気が冷たかった2月5日(日)午後、卒入学式を前にした毎年恒例の総決起集会が、今年は北区赤羽会館で開催された(主催 石原・大原都教委の暴走を止めよう! 都教委包囲首都圏ネット 参加135人)。
 昨年のこの集会以降、福島第一原発の事故、5−7月の最高裁連続不当判決、6月の大阪府・日の君強制条例採択と11月のダブル選挙、8月の教科書採択など、じつに多くのことが起こった。そのため「原発いらない福島の女たち」、昨年10月に逮捕者4人を出した「がくろう神奈川への弾圧」、7月に検討再開が宣言されたのに一向に進まない「朝鮮学校無償化適用問題」など、主催者を除いても12人の方から報告があった。あまりにトピックスが多いので、今年は地方からの報告はなかった。
 わたしにとって最重要課題は2月に大阪府市両議会で審議される教育基本条例案なので、大阪からの報告をメインに紹介する。
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 ●大阪教育基本条例反対の取組み  寺本勉さん
 1 教育基本条例案をめぐる動き

 11月のダブル選挙以降、大阪では急ピッチでいろんなことが進んでいる。教育基本条例案は、昨年の府議会で維新の会の案が継続審議となったが、2月議会で府知事の案が出る。


 また大阪市議会では昨年9月に一度否決された。しかし今回市長提案で提出される。現在、法的裏付けのない府市統合本部で検討中である。2回の議論を経て、条例案を「教育行政基本条例」と「学校運営基本条例」の2つに分割することになった。人事評価や処分は職員基本条例で決める。
 教育目標の設定は知事が行うことになっていた。それが「知事は教育委員会と協議して教育振興基本計画の案を作成する。協議が不調の場合は、教委の意見を添えて議会に提案する」と変わったが、基本的に知事のいうとおりになることになった。
 2014年度に府立高校の学区が撤廃されることになった。府の学区はいま4学区だが、学力が厳しい生徒は学区の端の遠い学校に通学している実態がある。すると定期代が高くなる。これに対し橋下市長は記者会見で「定期代くらいアルバイトすればよい」と言った。しかし、そういう生徒はすでにアルバイトをしている。だからクラブ活動が成立しない。さらにアルバイトを増やせというのに等しい。
 また大阪市の条例案には学校選択も入っている。橋下市長は300校の小学校を2/3に減らす計画を持っている。府立高校も3年連続定員割れで再編整備の対象とし、公教育を縮小し、やがては民営化をねらっている。
 定年退職した校長枠を公募で採用し、教育委員の罷免については、自己評価したものを知事が判断するとし、事実上罷免権を手に入れた。
 橋下は12月末の施政方針演説で「大阪市役所の組合を是正、改善することしか日本再生の道はない」と述べ労組に全面的な攻撃をかけ、賃金切下げ提案、現業職員への再試験実施、年間30日の無給の組合休暇の廃止などを表明した。また学校選択制導入に関連し、橋下の意を受けた大阪市教委は、教員の子どもの通学先調査を行った。結果は、私学進学は全体で6.3%、教職員が6.4%とほとんど変わらなかった。これは個人のプライバシーの調査を強行するもので、ほとんど「何でもあり」の状況になっている。
 許せないのは、1月16日の最高裁判決に対する反応だ。1回目は戒告、2回目は減給、3回目で分限免職という原案だったが、分限免職は変えていない。今回1回目から、指導・研修・誓約書の提出を義務づけた。従来の案は2回目からだったが、誓約書提出を拒み続ければやめてもらうしかないと、分限免職攻撃が不起立1回目から予想されるように改悪した。

 2 卒業式における「君が代」起立・斉唱の強制
 府教委は、判決翌日の17日、起立強制の職務命令を校長に出すよう通達を出した。これは全職員への職務命令に加え、式場に入る教職員に別途職務命令を出す二重の命令である。さらに君が代斉唱の15分間だけの年休は認めないとした。労働者の権利である年休についてまで指示を出してくる。
 一方、市教委は1月6日に通知を出し、ピアノ伴奏の全校実施への圧力を強めている。昨年は市立小学校299校中22校、中学では94校中36校が未実施だった。そのうえ未実施の学校には*在特会が校長に面談を強要する。大阪ではウヨクと市教委が一体となり攻撃する状況になっている。
 それに加え橋下市長は、府条例と同じように市議会に「君が代」強制条例を提案すると言明した。

 3 わたしたちの闘い
 昨年9月全国集会を行い、2万筆署名を提出した。ダブル選挙の結果を踏まえさらに運動を強めていく。選挙で維新の会を支持した人のなかには、「教育基本条例には反対」という人も結構いるので、そういう人に条例案の中身を知らせる。またマスコミに取り上げてもらえる行動をする。何よりも市議会で維新の会は過半数ではないので、その他の会派の市議に要請をする。第二次署名をさらに集める、といったことを考えている。
 2月12日には集会、デモ、そしてヒューマンチェーンを実施し、27日には公教育破壊・公務員攻撃に議場占拠で闘い、100万人リコールを成功させつつあるウィスコンシン州の教員代表を招き講演集会を開催し、29日には市役所から府庁へデモを行う予定だ。
 カラーのビラも10万枚つくり街頭宣伝やポスティングにより条例の内容を府民に知らせていく。やれることは何でもやって、橋下・維新の会を追い詰めていきたい。
 「ちょっとくらい独裁でもいい。変わるんやったらええ」というのが大阪の多くの人の感情だ。それに対し「ほっといたらえらいことになるでぇ」ということがわかる運動にしたい。大阪発全国にならないよう、大阪で食い止める闘いをつくりあげたい。そのためにもみなさんのご支援ご協力をお願いし、ともに闘う連帯を表明する。

 ●1.16最高裁判決を受けて  根津公子さん
 1月16日最高裁は、河原井純子さんの停職1か月と渡辺厚子さんの減給が取り消したが、その他は棄却する判決を下した。
 処分に一定の歯止めがかかったという評価もあるが、わたしは歯止めにはなっていないと思う。2人は現時点ではたしかに救われた。河原井さんは2年で3回の処分が過酷だとされた。しかしこれが5―10年であればどうなのか、確信犯にされるに決まっている。また停職という重い不利益と、「これまでの処分歴や不起立前後の態度」を天秤にかけ比較するという判断基準を示した。わたしの場合は、この基準で、積極的な妨害を行い「秩序」を損なったので、処分は妥当という判決だった。
 翌日には大阪の教育条例案の変更が報じられた。この判決を踏まえて指導研修を入れたが、「今後職務命令に従う」と宣誓しないものはやめてもらうと、分限免職を使う構えになっている。したがって一定の歯止めにはならない。
 秩序を損なうという基準は感情による判断なので、どうとでも使える。
 またこの判決は不起立に関するものだったはずだが、判決の場を使い教育内容への弾圧に踏み込んできた。1994年の卒業式で、日の丸掲揚に、生徒のほぼ全員が「校長先生、下ろしてほしい」と声を上げた。生徒に引きずりおろさせるわけにいかない、これはわたしの仕事だと考えて下ろした。また使ったプリントが不適切だとされた。生徒に事実を知ってもらい自分の頭で考えることが大切だと考えてきたが、それが今回の判決の理由になった。
 判決を受け、不起立はまっとうな教育活動だと思った。子どもたちに、いろんな考え方がある、それにしたがって行動することはやってよいと示すひとつの行動なのだ。また国家が隠そうとすることを子どもたちにしっかり考える機会を提供することをやっていかないといけないと、ますます確信した。
 卒業式の季節が近づいてきた。この判決に一定の評価を与えられるとすれば、一定の評価に押しとどめるためにも、不起立をしていかなければいけない。

 ●原発いらない福島の女たちのSさん
 福島では、いま外遊びの規制はほとんどなくなった。国が責任をもって校庭の除染をしたからだ。では安全かというと空間放射線量は依然として0.8―0.9ある。子どもを福島に置いたまま除染しても被ばくは防げない。とくにこわいのは内部被ばくだ。こどもの甲状腺検査で3000人中1000人に5ミリの腫瘍が発見された。しかしあの山下先生は「良性で問題ない」という。ほかの医者に行っても「問題ない」とされるのが明らかだ。安全な野菜、原発だけでなく農薬からも安全な西日本の野菜がほしい。
 3.11以前の生活に戻ってはいけないと思う。お金が大事という考え方ではなく命が一番大事なのだ。昭和30年代に都会に人を取られ、人手不足を補うため機械や農薬、化学肥料を売り込まれ、お金がないからと出稼ぎに出るようになり、貧乏になっては大変だと原発を売り込まれ、そういうところから起こった事故だと思う。お金と命どっちが大事と比較する以前の問題だ。そういうことをぜひ教育のなかで知らせてほしい。

 昨年10月26日に高裁で「業績評価裁判」で勝訴し判決が確定した大嶽昇一さんは「C,D評価を受けた教員はひとつひとつ確認したほうがよい。そうすればかならずボロが出る」と判決の職場での活かし方をアピールした。
 また東京都学校事務職員労働組合のYさんは「わたしの職場は51人の教職員で構成されるが、うち21人すなわち40%が非正規だ。講師の時給は1600円から始まり12年経験で2880円、月にすると30万1000円に上がる。しかしそれ以降頭打ちで40歳でも60歳でもこの額だ。育休代替教員は学期ごとに契約更新となる。次の期に採用されることがわかっており、実地踏査に駆り出されても3月25日から4月1日のあいだは給料が出ない」と学校の非正規教職員の実態を明らかにした。「貧困」社会が学校をも押し包んでいることがよくわかる。

 なお。この集会の報告の全容は、主催者のブログに出ているので参照していただきたい。
http://kenken.cscblog.jp/content/0002796497.html
 最後に「東京と大阪の起立斉唱を求める職務命令体制は全国に広がりつつある。決意を新たに抵抗の闘いを継続していこう」という集会決議を採択したあと、3項目の行動提起が発表された。
 1 2月12日の大阪の教育基本条例反対集会はじめ、集会、裁判傍聴、行動に参加しよう。
 2 2月27日の都教委要請行動に参加しよう。
 3 3月の都立高校卒業式校門前ビラまきに参加しよう。

『多面体F』より(2012年02月12日 集会報告)
http://blog.goo.ne.jp/polyhedron-f/e/c18573ad2f860709747427bc89abf517


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