9月7日、金曜日。
H☆A☆N☆A☆K☆I☆N
だというのに、まっすぐ家に帰ってくる俺。
ネトゲをする人間が引きこもりがちになると言うのは、現実よりもゲームの世界の方が面白いから仕方のないこと。
などと、いい年をして屁理屈を強弁している俺は、代償としてかなりいろんなフラグ立ての機会を失っている気もする。
しかしま、今日は実はすることがあって早く帰ってきたわけだ。
日曜にこじゅうと殿の家に御呼ばれしている関係で、台湾旅行の写真をプリントアウトしようと思ったのだ。
顔料8色の高品質プリンタを引っ張り出し、写真をセレクトして印刷する俺。
写真は普通のLサイズよりも2Lサイズの方がなんだか感動品質、と思ったので、ちょっとコストはかかるが、今後の旅行写真はこの形式でプリントアウトすることにした。
んで、プリントアウトした写真を並べていると、なんだかブンブンと音がする。
見ると、弱ったミツバチが、力なく羽だけ鳴らし、部屋を這っていた。
若槻千夏にはちょっと見せられないくらい気の毒な有様だった。
そして、このような光景は、別に今日はじめてあったわけでは、実はない。
最近、なんだか弱ったミツバチが俺の部屋を這っていることが多いのだ。
おそらく初夏に裏で誰かがミツバチの巣を壊した際に、迷走した挙句にうちのどこかに侵入したミツバチがついに体力尽きて出てきたのであろう。
彼らには気の毒だったが、この前死んでしまったネコにしても、この都会は野生にとってはアウェイとなるわけで。
かといって、ここが人間のホームかというとちょっと疑問符。
いや、そんな疑問符を抱えているのは多分俺だけ。他の人間たちはこの世の春を満喫しているに違いない。
(死のう…)
と思ったけど、とりあえずまだ味わってない楽しみが残っていなくもないので、現状、アウェイとはいえ天寿を全うする方向で検討中。