
クリスチャンの生活は、多大の苦労を必要とする。しかし、ルターは、このことを陰気なものとしようとしなかった。われわれは悪魔のわるだくみを思うと憂うつになるが、無邪気な喜びで、その対抗手段を講じなければならない。音楽は、喜びを引き起こす神から与えられた手段である。
悪魔があなたを悲しませる時、「悪魔よ、出て行け。わたしは、今、わたしの主イエス・キリストに対して歌わなければならないのだ」と言うがよい。ルターは、「悲しんでいる人々にとって、音楽は最善の強壮剤である。音楽は心を滑らかにし、元気づけ、生き返らせる」と書き、また、「サタンは音楽の大敵である。音楽は、誘惑と悪意に対する有効な解毒剤である」と書いている。
ルターと協力した音楽家ヨハン・ヴァルターは、ルターと一緒に何時間も喜んで歌って時を過ごし、決してあきることはなかったと証言している。ルターは、小さな親しいグループで、歌とハープを霊的な回復と魂のいやしの手段として、いかに利用すべきかを十分に知っていた。
J.T.マクニール、吉田信夫訳『キリスト教牧会の歴史』日本基督教団出版局、1987年、pp.196-197.