道路特定財源の存続理由はもはやない
通常国会における「道路整備財源特例法改正案」の審議を聞いていると、無駄使いが顕著に指摘されている、やはり、一般財政として十分審議対象になる予算化が必要に思える。急な話として、すぐ変更できないというなら1,2年間の暫定として、きっちり一般財源の方向で審議すべきではなかろうか。
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道路特定財源はもはや不要〜「維持」は経済理論のイロハも知らない議論
(高木 勝=明治大学政治経済学部教授・経済評論家)
道路特定財源は1954年に導入されたもので、自動車の急速な普及を背景に、全国の道路整備を急ピッチで進めるための財源と位置づけられる。
また、第1次石油ショック直後の1974年には、いわゆる暫定税率が上乗せされた。道路の一層の整備と財源確保、インフレ抑制のため、2年間の期間限定付き増税措置がとられた。
確かに、当時の道路整備状況はきわめてお粗末であり、道路整備は最優先の政策課題であった。例えば1960年の道路舗装率はわずか2.8%であり、道路総延長も96万kmにとどまっていた。
道路整備は8〜9割達成した、道路はもはや優先すべき政策ではない だが、特定財源導入から54年、暫定税率創設から34年が経過した今日、道路舗装率は80%に達した。道路総延長も1960年当時と比べ23万kmも増えており、道路整備は8〜9割達成済みの状態だ。
このため、現在の日本経済にとっては、道路整備が最優先課題とはもはや言えない。貴重な財源は年金や医療、介護などの社会保障関係や、教育、環境などに振り向けるべき時期である。
既得権益として、道路特定財源を今後も維持することは、資金の最適配分を損なうものであり、また同時に、財政構造を一段と硬直化させるものである。なお、これらの点は、経済学と財政学の基本的考え方であり、道路特定財源の必要性を強調する見方は、経済学、財政学のイロハを知らない考えと言わざるを得ない。
道路特定財源をいつまでも維持すると、結局はムダな道路を建設することになり、また一方で、安易な流用を誘発するもとになる。ムダな道路の代表例は本四連絡橋、東京湾横断道路、北海道の道東道路などだ。費用対効果の点から赤字たれ流しとなる。そして高過ぎる高速道路料金によって利用台数はさらに減少し、いわゆる悪循環に陥っている。一方資産の流用としては、公務員の人件費、宿舎、駐車場、スポーツ施設、そしてスポーツ用品の購入などが指摘されている。社保庁の年金流用とまったく同じ構図だ。
道路特定財源の存続理由はもはやないと言ってよい。暫定税率は速やかに廃止し、特定財源を一般財源化することが不可欠と言わざるを得ない。確かに今後も必要な道路は計画的かつ時間をかけて建設すべきである。また、渋滞の緩和や、歩道の整備、バリアフリー化、開かずの踏み切り対策なども重要になってくる。だが、暫定税率を廃止し、特定財源を一般財源化した上で、公共事業の一環として、着実な改善が図れるはずである。