夢の時間も残すところ3ステージ。
いわゆる小劇場畑の僕には、どう振り返ったって新しい事だらけでした。
変わらないのは人との出会い方でしょうか。
劇中キホーテは、現実を認めさせようとする公爵と再三ぶつかりあいます。
とある場面では「人間はありのままの人生と折り合いをつけて行かねばならぬのだ。」と言うカラスコ博士を演じる公爵にこう言います。
「人生自体が気狂いじみているとしたら、一体本当の狂気とは何だ本当の狂気とは。夢に溺れてしまって現実をみないのも狂気かも知れぬ。現実のみを追って夢を持たぬものも狂気かも知れぬ。だが一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生にただ折り合いをつけてしまって、あるべき姿の為に戦わない事だ。」と。
公爵は嘲笑い去っていきます。
この後カラスコ博士が演じる鏡の騎士によって現実を突き付けられ病の床にふし、アルドンサの呼び掛けに一度は命の炎を燃え上がらせますが、ついには友と想い姫に支えられたまま息絶えます。
400年前「事実とは真実の敵なり」と言ったキホーテの瞳には現代社会はどんな風に映るのか。
引き継がれていく思いと何時の時代にも存在する狂気。
本当に素晴らしい芝居です。
