落ちていくのか
上がっていくのか
転がるように
群がるように
幾重にも直線を描き
お互いが決してぶつからぬよう
複雑に交差していく
どうして誰も気づかなかったのだろう
こんなにも強い想いが戦っているのに
柱の影からちらりと覗く
もう歩けなくなってしまった革靴が
どれだけの人生だったのだろうか
くたくたに擦れて朽ちてゆく
漂う気配に悲しさも同情もなく
吸う空気さえ儚くて
誰が悪いのか
何がいけなかったのか
繰り返し自責の念に追いやられるも
帰らぬ人の魂は
答をもたず
光の道へ入っていく
増えすぎたのか
知りすぎたのか
見つからないように
寄り添うように
いつでも一番でなければ
誰かより前にいなくては
絡み合ったままもつれて散っていく
いつまでこの連鎖は続くのだろう
あんなに空と海は青かったのに
濛々と太陽を遮る煙の向うに
ぎゅるぎゅると目玉たちが
もう優しい眼差しをなくして睨む
踏み越えていくしかないのか
忘れずにいられるか
次々とやってくる悲しみに耐えながら
ほろほろとほつれていく
落下速度で打ち付けられて
スローに錯覚してしまう
消えていく光
本当に光だったのだろうか
誰かが燃える火だったのだろうか
どこかが削れる音がする
ボロ・・・ゴゾ・・・
生きたかったのだろうか
逝きたくなかったのだろうか
気付かれないように
何事もなかったかのように
歯ブラシを持ちながら
迷わないように転ばないように
暗闇を歩き回る
なぜ言葉を殺してしまったのだろう
あんなにたくさん愛されていたのに
重ね着した上着のポケットに忍ばせた
もう読めなくなってしまったバイブルが
彼を救いえたのだろうか
ボロボロに崩れて舞っていく
辱めも戒めもそのままに
涙も出ぬくらいに沈んでいく
それが運命なのだろうか
止められぬものなのだろうか
影も形もなくなる頃に
饐えた臭いも鼻から消えて
大きな力の谷間に僕は
答えは捨てて
光となりて
矢を放つ
ヒウーンと消えて
パーンと弾ける
忘れていくのか
覚えていたくないのか
聞こえるように
見えるように
注意深く
じっと注意深く
手を伸ばせば触れるぐらいに
顔を上げていく
なぜ今までできなかったのだろう
こんなに時間が過ぎてしまった
重なった写真にもたれている
松葉杖の思い出たちが
まだここにある
セロハンテープが欲しいって言いなよ!
とりあえず触ったものを握る
火傷してもいい
全部真っ黒焦げにるよりまし
悲しみが恐怖が虚無が
心を埋め尽くさないうちに
おいしい水をたくさん飲んで
一晩中汗をかいて
悪夢を見てもいいから
目をつぶって
深く息をして
生きてるでしょ
眩しいでしょ
怖がらなくていいから
つかまって
ゆっくりいくよ
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先日、友達のおじさんが焼身自殺しました。
友達は「ちょっと変わり者だったから」といいます。
友達は念願の就職が決まって来月引っ越していきます。
友達は太陽の光を浴びると皮膚がボロボロになります。
友達はいつも長袖のパーカー付きの服を着ています。
友達は真夏の昼公演の芝居に、僕の他の知り合いが僕に変な友達がいると思われて、
僕が迷惑するんじゃないか心配でTシャツで出向いてきてボロボロになります。
友達は写真家です。
友達は花を撮るのが好きで山に行きます。
友達は胃腸が弱いので固形物が食べれません。
友達は一日一食です。
友達は声量がありません。
友達は頑張っています。
僕は友達が大好きです。
僕はこのごろ眠れません。
光の道を・・・
光の道へ・・・