最終決戦〜正義のヒロインたち敗北輪姦

  | 投稿者: 月華守屋

ヒーローマスクの最終決戦のIFということで佐々木リリコ。ジャスティスエンジェルの二人に輪姦されてもらいました。ヒーローマスクが終わってかなり経つんだなと改めて思い出しました。
ハッピーエンドが見たい方は「ヒーローマスク」全五巻をお読みください。



 ある時期から謎のマスクが街に配られていった。ある時はティッシュペーパーの景品として。ある時は空から降ってくる雪のように地面へとはらりと落ちていた。他にも多くの手段で配布がなされたが、ほとんどは見向きもされず、ただのゴミとして処理されて焼却炉の中に消えていた。
 しかし、ほんの一部。マスクに導かれるように被ってみた者達は、人間の持つ力を何倍にも増幅させるそのマスクの力に気付き、大きくはないが散発的に事件を起こしていた。
 学校の部活として存在する『ヒーロー部』の部長である佐々木リリコも、マスクによる事件に幾度も巻き込まれ、翻弄されつつも無事に乗り越えてきて、遂に失踪した兄が帰還したことでマスクの謎が判明した。
 マスクを作ったのは、兄ともう一人であること。
 そして、そのもう一人こそが街にマスクを解き放った黒幕の正体であること。
 リリコ達に自らの待つ場所を告げてきたことに、リリコは仲間に止められることもいとわずに黒幕の待つ場所――リヴァイアサンビルへと向かったのだった。
 そこにいたのは何十人もの男達。誰もがマスクをつけており、ただの人間では勝ち目は全くない。マスクを持つヒーロー部部員の樺山アキラにその場を任せ、リリコは兄と共に黒幕の待つ部屋まで押し入った。だが、兄は何の力もないリリコを戦いに巻き込まないようにと部屋の外へと締め出し、黒幕との最終決戦へと入ったのだった。


(もう、少し!)
 佐々木リリコは額に流れる汗を拭いながら気合いを入れなおした。
 学校指定の青いブレザーに白いブラウス。緑のチェックのミニスカート。すらりと伸びる足の先には紺の靴下と茶色のローファー。
 黒髪ショートカットの下にある顔は学校でも美人だと評判だが、今は『ヒーロー』の証として自分で作った赤いマスクで目元を隠している。瞳には悪に屈しない強い光が輝いていた。
 拭っても拭いきれなかった汗が顎を伝って胸元に落ちる。ブラウスは胸の上で横一文字に裂けており、汗は露わになっている乳房にぶつかった。
 汗が落ちた感触にリリコは胸元を一瞥したが、すぐに目の前の扉に戻す。タワーへの突入時に受けたボウガンの矢によるもので胸の谷間が露わになっていたが、今は気にする相手も、気にする余裕もない。
 一瞬だけ浮かんだ羞恥心を消してリリコは目の前の「敵」へと意識を集中させる。
 目の前の敵――観音開きの扉へとタックルを何度も叩きつける内に、扉は徐々に開こうとしていた。扉には鍵はついておらず、ただ異常に重たいだけ。通常の人間ならば一人では開けられないが、マスクを持つ者なら可能だった。自動的に扉がマスクを持つ者と持たない者を選別することになる。
 それはすなわち、黒幕と対峙する資格があるかないか。力なき者は部屋の中にいることさえできないという境界線。
 既に兄がマスクの力で開け放ち、リリコを閉め出してから十分以上経っていた。
(そんなの……納得できないんだから!)
 十回を越えた体当たりによる右肩の痛みに、リリコは鼻の奥がツンとして泣きそうになる。だが、歯を食いしばってこらえると推進力に変えて前へと出た。
「うぁああああ!」
 思い浮かべたのは昔、自宅の火災に巻き込まれた際に自分を救ってくれた兄。再会して話を聞くと、失踪したのは黒幕から自分と家族を守るためだという。そうして兄は黒幕の追跡から逃れるために一人、孤独に戦ってきた。たった一人の戦いは辛かったに違いないが、兄は弱音を語らなかった。
 語らない兄の代わりにリリコは想像し、胸が痛む。
 だからこそ、どんなに無謀な戦いでも、兄を一人にはしたくなかった。
 右肩を扉のつなぎ目へと叩きつける。すると決定的な何かが訪れたように、扉は左右に開いた。リリコは軽やかに後方に飛び、再び前に出る。最後のつもりで放ったショルダータックルによって扉はまた少し開いた。隙間はまだ狭かったが、リリコは体を横にして体をねじ込ませ、強引に部屋の中へと倒れ込んでいた。
「はあっ! はっ! はあっ! はあっ!」
 体にのしかかる疲労に呻きつつも立ち上がる。そして視界の端に見えた人影に体を硬直させる。音もなくそこにいるだけ。だが、後ろ姿からすぐに誰か分かった。
「お兄ちゃん……お兄ちゃん?」
 しゃがみこんでいる兄の姿。そして、対角線上にいる黒幕の姿も確認する。
 何かがあって、何かが終わった場面に自分は居合わせているのだとリリコが思ったところで、どさり、という音が耳に届いた。重たいものが床に落ちる音。そして、視線の端に映っていた兄が床に崩れ落ちていた。
「お兄ちゃん!」
「ははははははは! 僕を止めようとするなんて、無理だったんだよ、ヒロくん!」
 黒幕は天井を見上げ、両腕を大きく横に広げながら高笑いを続けていた。呆気に取られて黒幕の姿を見ていたリリコは部屋の更に奥まった場所で、壁に背中を預けて気を失っている者もいた。
 壁にめり込んでいるのは自分と歳が違わない少女。黒いドレスを身にまとい、目元にはマスク。膝上のスカートから覗く足は白いニーソックスで覆われている。だが、今はニーソックスもドレスも所々破れ、無残な姿になっていた。
 ジャスティス・エンジェル――池坊あやめ。
 リリコの学校の生徒会長にしてマスクの所持者。自分の価値観と異なる正義を持つヒーロー部に一時敵対して勝負を挑んできたことのある女だった。勝負を終えた後は交わりはしなかったものの幾度かヒーロー部の危機をマスクの力で救ってきたため、その力は本物。
 本物だと思っていた女が倒れている姿にリリコは背筋を駆け抜ける悪寒を押さえられなかった。
「お前、確かヒロくんの妹だっけ」
「くっ!?」
 リリコは立ち上がって黒幕を真正面でとらえる。マスクを持つ兄もジャスティス・エンジェルも倒されたということは黒幕のマスクは他よりも強い力を持っているのかもしれない。マスクの力を近くに感じてきたリリコはその恐ろしさも理解している。それでも、震えそうになる体を押さえつけて両足を床に踏ん張った。
「お前の兄さんは無駄なあがきだったよ! ハハハハ! さよならヒーローォオオオオ!」
「あんたは、私が倒す!」
 リリコは助走をつけて飛び上がると、渾身の前蹴りを黒幕の顔面へと叩き込む。大振りで隙だらけ。簡単にかわせるその一撃を、黒幕は微動だにせず顔で受け止めていた。
「――ぐぅ!?」
 逆に攻撃を仕掛けたリリコが顔をしかめて足を戻した。足の裏から伝わってくる痺れは右足の付け根まで届くかのよう。黒幕の顔のあまりの固さにリリコの肉体の方が耐えられなかった。だが、リリコは痛みをそれ以上表には出さずに、黒幕に向けて吼えた。
「お前を許さない!」
「あまりナメるなよ。ガキ」
 黒幕はゆったりとした動作でリリコに近づいて左腕をあげ、人差し指でリリコの右肩を突く。その瞬間、リリコは傍をトラックが走ったような風と衝撃を受けて後方へと吹き飛んでいた。
「あぐっうう!」
 右肩を襲った衝撃は、扉を開けるのに酷使した右肩を麻痺させるには十分だった。左肩からブレザーが垂れてブラウスの右肩が露出する。倒れたところから上半身を起こすまでは何とかこなせたが、右肩の痛みに左手を当てて力を込めて押さえた。それでも痛みは涙をもたらし、リリコは堪えることもできず流してしまった。
 瞼をきつく閉じている間に、目の前に誰かがしゃがむ気配。そして、人差し指が額に突きつけられた。
「ひっ!?」
 右肩への衝撃を思い出して目を見開くリリコ。そこには想像どおり、黒幕が人差し指をリリコの額に当てている光景があった。もし同じように突かれれば、頭と胴体が離れてしまうかもしれない。
「はっ……ふっ……はっ……はっ……」
「ヒーローごっこはおしまいだよ」
「はっ……はっ……ヒーローはっ……負け……ないっ! はぁ! はぁ!」
 目の前に死の可能性を突きつけられていることで恐怖に震える体を止められない。息も乱れ、涙も次々と流れ落ちる。それでもリリコは黒幕を睨みつけることは止めなかった。
「なら、死ね」
 黒幕が指をリリコの額に触れさせる。リリコは無駄だと分かっていてもくるであろう衝撃に備えて歯を食いしばり、瞼をきつく閉じた。

 その時、窓ガラスが割れて破片と共に、男が飛び込んできた。

 閉じていた目を開いて音がした方向を見ると着地して、荒い息を吐きながら黒幕を睨みつけている男が一人。
「ヒーロー! 見参!」
 マスクをつけた、リリコにとってのヒーローが、そこにいた。リリコを幾度も助けてきた、ヒーロー部の仲間である渋谷未来が。
「未来君!」
「よくきたなぁ」
 黒幕は未来のほうへと向き、戦闘態勢を取った。未来は黒幕の気配に気圧されるように後ずさり、黒幕は一歩前に出る。自分の存在に対する意識が完全に消え去ったと悟ったリリコは黒幕に飛びついて首を両手で絞めあげる。
「未来君! 今の内に!」
「こざかしい。そんなに死にたきゃ死ね」
 黒幕は首の後ろに手を回し、リリコのブレザーの襟を掴む。そして、そのまま前方へと体を倒してリリコの体を背中から床へと叩きつけた。
「がはっ!?」
 床に陥没させるほどの叩きつけにリリコは一瞬で意識を刈り取られていた。
「佐々木! うぉおおお!」
 未来の声と、黒幕に飛びついて自分から離す光景が見えたのが、彼女が意識を失う前に見た最後の光景だった。

 * * *

 目覚めと共に、リリコは全身に広がる激痛に咳込んだ。咳の衝撃がまた背中に痛みを走らせて、咳を誘発する。何度も繰り返される衝動に涙を流しながらもリリコは強引に連鎖を断ち切った。右腕を床に叩きつけて新たな痛みを与え、あとは息と共に咳も止める。しばらく経って痛みの連鎖が落ち着いたと思ったところで息を思い切り吐いた。
「ぷはあっ! はっ! はあっ! はっ! はぁ……」
 大の字で寝ている状態からゆっくりと指を、そして足を動かす。最後に上半身を起こしてリリコは周囲を見回した。
「痛た……未来君……は……?」
 部屋は激しい戦いの傷痕は見られたものの、今は静寂を取り戻している。窓から流れ込んでくる風がいびつに割れた窓ガラスに触れて音を出している以外に余計な音はない。気を失っているジャスティス・エンジェルも、兄も規則正しい寝息を立てていた。
「未来君……ここから飛び出して……」
 黒幕も未来もいないということで考えられるのは、割れた窓から二人が出ていったということくらい。ならば、自分にできることは待つことだけだとリリコは悟り、ため息をつく。信じて待つことは苦痛ではないが、それしかできない自分は情けなく思う。しかし、今は待つことの他にもやることはあった。
「お兄ちゃんと、生徒会長の手当をしないと……」
 気を取り直して視線を兄に向けたところで、リリコの耳には部屋へと続く通路を駆けてくる足音が聞こえていた。最初は未来か、入り口で戦っていた部員のアキラだと思ったが、足音が複数で大量にある時点でその考えはなくなる。同時に、リリコの頭に最悪の展開がよぎった。
 足音が部屋の入り口の前で止まる。リリコの立ち位置からは姿が見えなかったが、話し声や笑い声からして明らかに五人以上いた。
「お、ボスいねーじゃん。そして、女子高生発見ー」
 一人が代表して顔を覗かせた。ピエロの顔のようなマスクをつけた男がきょろきょろと周囲を見回し、リリコの姿を見つける。一人が入れば後にすぐ続き、あっという間に部屋の中には十人の男達が入ってきた。
 全員がマスクをつけており、人間を越えた力を持っているのだと思うとリリコは身をすくませる。そして、何よりもリリコを恐怖させたのは。
「アキラ君は……どうしたのよ……」
 自分と兄を先に進ませるために残ったアキラ。いくらマスクの力を持っていても同等の力を持つ相手が何十人もいては勝ち目は薄い。それでも残って戦ってくれたアキラの安否にリリコは不安が募る。男達は目を見合わせた後でリリコが言っているのが誰なのかを悟り、代表してピエロのマスクの男が言った。
「あいつのマスクをはぎ取って、ボコボコにしてやったよ」
 ピエロマスクが取り出したのは血の付いたアキラのマスクだった。生身の人間がマスクをつけた者に本気で殴られれば命の危険があるほどの威力を出せる。ボコボコにした、というのがどの程度のことなのかリリコは想像できず、歯を震わせる。自分達に対する恐怖だと勘違いしたピエロマスクの男は大げさな身振りを交えながら笑った。
「ぎゃはは! でーじょーぶだよ! お前は優しくしてやるぜ? 抵抗しなきゃな」
 ピエロマスクが近づいてきたことで、リリコは痛む体を無理矢理立たせる。背中の痛みに吐き気がこみ上げてくるが、迫ってくる男から発せられる好色な気配のほうが気持ち悪い。
「はあっ! はあぁ……っ! こ、こないで……」
「お。なんだ? 少しは抵抗する気か?」
 リリコはふらつきながら後退する。リリコ達がいる部屋は照明が切れて月明かりのみが光源となっている。中央になすびのような曲線を描いたテーブルと椅子がある簡素な部屋だ。リリコは椅子を手に持つと両腕で振りかぶる。重さに背中がまた痛むが、歯を食いしばって声を堪えた。
「そいつでぶん殴るってか。きかねぇよぉ」
「ヒーローは……諦めない。絶望的な力の差でも」
「なんだぁ? ヒーロー?」
 ピエロマスクが困惑したところを隙と見て、リリコは椅子を力の限り投擲した。ピエロマスクは避けることもせずに頭突きで椅子を破壊して高らかに笑う。
「ぎゃはは! だからきかねぇって――」
 だが、力を鼓舞する相手は目の前から姿を消していた。椅子が破壊されてバラバラになる間にピエロマスクの視界が遮られ、リリコはその隙を突いて死角へと回っている。リリコが飛び込んだのはピエロマスクの最も近く。両足の傍。
「だあっ!」
 しゃがみ込んだ体勢から上方に伸び上がるようにして膝蹴りを放つ。叩き込むのは腹筋、ではなく股間。マスクによる身体能力強化によって腹筋も女の力ではダメージを与えられないほど堅くなっているはず。ならば、とリリコは躊躇わず男の急所へ膝をぶつけていた。
「ぐっ!?」
 ピエロマスクは股間を押さえて後退する。中腰になって明らかに苦悶の表情を浮かべていて、リリコはチャンスを逃さずに右足を踏み込んだ。
「あっ……ぐっ!」
 しかし、前に出ようとしたリリコの体が沈む。力を込めて踏み出したことによって背筋を伝う激痛にリリコは耐えきれなくなってその場に四つん這いになってしまった。床がへこむほど叩きつけられて回復しない間に急激な動きをしたことで体がストップをかけてしまったのだ。
 普通の呼吸もできないため、小刻みに震えながら酸素を確保しようとするリリコ。だが、ピエロマスクはその余裕を与えなかった。
「この……アマァ……」
「きゃっ!?」
 髪の毛を捕まれて強引に立たせられたリリコは、憤怒に染まっているピエロマスクの表情を見せつけられる。歯を食いしばり、右拳を震わせて振りあげている姿に自分の顔が吹き飛ばされるのではないかという恐怖が蘇る。だが、ピエロマスクは震えたままの体勢で告げてきた。
「てめぇ……優しくしねぇぞ」
「はあっ……ぐっ……うう……」
「おーい。こいつ、やばそうだから捨てようぜ」
「ん?」
 ピエロマスクにかけられた声にリリコが視線を向けると、マスクを取られて抱えられた兄の姿があった。
「お兄ちゃんに……何をする気なの……」
「あ? 邪魔されたら困るからよぉ。捨ててやるのさ」
 兄を持っているのは羽根飾りが派手なマスクをつけた男。身長と体格はリリコの二倍はありそうな男で、兄の体を軽々と担ぐと開け放たれている窓へと向かう。何をしようとしているのか理解して、リリコは悲鳴混じりに叫んだ。
「や……やめて! おにいちゃん! 目を覚まし――」
「そらよ!」
 リリコの言葉が途中で真っ二つに斬られる。全くリリコの言葉に耳を貸すことなく羽根飾りマスクは兄を窓の外へと放り投げた。左掌には兄のつけていたマスクが握られており、今、外に放り出された兄は一般人となんら代わりはない。
「い……いや……おにいちゃ、ん……」
「ひゃっはは! さて、邪魔者はいなくなったことだし。お楽しみといこうか」
 ピエロマスクはリリコの顔に唇を近づけ、舌で目元から流れた涙を舐め取る。憎々しげに睨みつけるリリコの瞳にも愉悦を覚えているのか心地よさそうに笑っていた。
 その顔が瞬間的に引き締まり、リリコの髪から頭へと持ち替えて立っていた場所から飛んだ。
「きゃあっ!」
 首に加重がかかり、頭から上がもぎ取られそうな痛みに悲鳴を上げるリリコ。視界が回復して元いた場所を見ると、床へと蹴りを叩きつけてへこませているジャスティス・エンジェルの姿があった。
「せいと――ジャスティス・エンジェル!」
「佐々木さん……今、助けるわ」
 自分を助けると告げてくるジャスティス・エンジェルの姿にリリコは涙が出てくる。黒幕との戦いによってジャスティス・エンジェルも体のあちこちが傷ついていた。
 白いニーソックスは所々破れて肌色が露出し、胸元が大きく開いたドレスも上半身はまだ無事だったがスカートボロボロだ。トレードマークだった帽子も取れ、露出した頬に青あざをつくってたまま、自分を助けると言うジャスティス・エンジェルに負けてほしくないと思う。
(未来君……早く、きて……)
 だが、今のジャスティス・エンジェルに戦えというほうが辛いというのもリリコは分かっていた。彼女の強さは普段の状態ならば他のマスクを持っている者も圧倒できるだろう。しかし、今は傷つき、動くことさえもままならないはずだった。でなければ、最初の一撃を外すとはリリコには思えなかった。
「おい、お前等! 五人くらいあっちを相手してやれよ」
 ピエロマスクの言葉によってちょうど五人がジャスティス・エンジェルの周りへと集まる。残りの五人はリリコの周りへと集まって、彼女の視界を塞ぐ。
「きゃっ!」
 頭を捕んでいた手が離れて、リリコは床に手を突く。すぐに顔を上げると、好色な五つの視線が見下ろしてきた。
「いっつ、しょうたいむ!」
 手が制服へと伸ばされて、リリコは抵抗しようとするも両手足を押さえつけられる。ピエロマスクは破れて下着が見えているブラウスの胸元を掴み、紙を引き裂くように軽々と破いた。
「ああっ!」
 露わになる下着にリリコは顔を赤らめるが、男達の一人が腕を掴んでブレザーの袖に手を添えたことで意識が逸れる。ブレザーの袖は、音を立てて二の腕の部分から引き裂かれた。中のブラウスが露わになって、男達はゲラゲラと笑いながら今度は左腕も同様にブレザーの袖だけ引きちぎった。その行為の意味はリリコには分からなかったが、まるでティッシュを破るかのように簡単に制服が裂かれていくのが恐ろしく、体の芯が冷えていく。
(怖い……こんなの……)
 右腕を捕まれて斜め上まで移動させられると右肩を突かれた痛みがぶり返す。ほんの少し指でつつかれただけなのに肩が脱臼しそうなほどの衝撃を与えられて吹き飛んだ記憶が蘇ると身が竦んでしまう。力で押さえられても負けまいと考えていた思いは男達からの悪意によってしぼんでいく。
「おっと、上を引きちぎる前に」
 ピエロマスクは四人に両手足を拘束させた状態でスカートへと手を伸ばした。チェックのスカートの腰に指を入れて、軽く力を入れるだけで生地が引き裂かれる。リリコはショーツが露わになるのを見たくなくて目を背けた。
「さーて、ご開帳〜」
「――やっ」
 スカートを引き裂かれると共に両足を掴んでいた二人がサイドに広がり、リリコの股の間が露わになった。飾り気のない白いショーツに包まれた恥丘を見て、ピエロマスクは右手を伸ばして触れた。
「やっ! やめて!」
「かわぅわいいー」
 ピエロマスクの笑い声に続いて他の男達も笑う。リリコはとっさに視線をジャスティス・エンジェルの方へと向けていた。
「ジャスティス・エンジェル!!」
 情けないと思う余裕すらなくなっている。自分でどうにもできないこの状況を打開できるのはジャスティス・エンジェルしかいない。だが涙で歪んだ視界には、男達の肉体の合間から伸びるハイヒールが脱げた足だけが見えていた。
「お前を助けてくれるやつなんて、誰もいねぇよ!」
 ピエロマスクは心底嬉しそうに口を開くとショーツに手をかけてゆっくりと手前に引っ張る。包まれていた陰毛や膣口が徐々に露わになっていく感覚にリリコは唇を噛んで悲鳴を押し殺す。ひとたび決壊してしまえばもう戻れない。そんな絶望感が心の中に生まれている。
「そらよ」
「――っっっ!」
 制服と同様にショーツも簡単に体からちぎれて離れた。丁寧に無駄な箇所の毛が剃られている恥部が露わになり、男達は歓声を上げる。年頃の少女らしく綺麗に整えているのが見た目で十分に理解できたことで、そこを犯す興奮に男達のテンションが一気に上がっていた。
「いい格好だなぁ、おい」
「カメラ持ってくればよかったな」
「スマホで写真撮ろうぜ」
 男達は各々リリコの四肢の一部を掴んだままでスマートフォンを取り出し、カメラのシャッター音を響かせる。リリコは自らの格好を見下ろし、羞恥に顔が沸騰するほど熱くなった。
 二の腕あたりから袖を引きちぎられたブレザーに中から覗くブラウスの袖。胸元は左右に引き裂かれてブラジャーに包まれた胸が露出し、下半身は何もつけていない。ローファーは脱げて白いソックスのみの足から股間まで衣服がない状態はリリコの中に想定以上の羞恥心を生んだ。
(助けて……未来君……)
 リリコはすでに自分の力でこの窮地を脱しようという気力がなくなっていた。悪を放っておけないと一緒に飛び込むのを兄は危険だと止めた。それでも挑んだのは自分の意志だったというのに。
「さて……早速いただこうかなぁ」
 ピエロマスクがおもむろにジーンズをおろし、出てきたのは斜め上にピンと立つペニスだった。先からは透明な液体が出てきている。グロテスクな外見だが、リリコは目を閉じて未来のことを思い浮かべていた為に見ていなかった。それを許さず、ピエロマスクはリリコの髪の毛を掴むと驚いて口を開きかけたリリコの口へとねじ込んでいた。
「おぐぅう!? んんんー! ううんんぅうふううぅうう!!」
 突然始まった抽送にリリコは始め、何が起こったのかわからなかった。しかし、口の中に広がる苦みと圧迫感や男の陰毛が口の周りにぶつかり、下から上へと伸びる体毛が顔をなでることから自分の口にペニスが突き込まれていると悟る。
(いやあ! 気持ち悪い! やめて!)
 息苦しさと吐き気にやめてほしいと言っても塞がれている口からは呂律が回らないような単語しか出てこない。ピエロマスクはリリコの口内から分泌される唾液が十分にペニスへとまとわりついたと確信すると引き抜く。口とペニスの間に透明な橋が架かり、床へと何滴か落ちた。
「げほげほげほっ! はっ! はあ……」
「じゃあ、いくぜ」
 ピエロマスクの言葉に従うように、両腕は床に倒され両足は広げられる。股の間に入ったピエロマスクは露わになった膣へとペニスをつけて膣口に先をつけた状態で上下に動かした。敏感な部分に付着する生暖かい液体の感触に悪寒が走り、背筋を駆け上っていく。
「や……いや……いやだ……」
 女性の中でも特に敏感で、守られるべき部分。まだ男を知らない場所が晒されたあげくに力で女を屈服させるような男達に汚される。迫る現実に怯えたリリコができることは受ける痛みに対して覚悟を決めることだけ。抵抗する素振りを見せなくなったリリコに、ピエロマスクはペニスの先を動かしたままで問いかける。
「なんだ? もう少し抵抗しろよ。ヒーローなんだろ?」
「ひっ……はっ……はっ……ひー、ろー」
 ピエロマスクの言葉から自分の中に生まれるヒーロー。それは佐々木リリコがマスクをつけて悪人を懲らしめている姿。しかし今や、その姿はひび割れて壊れていく。自分の理想のヒーローが自分の中からこぼれ落ちていくと共に、ただの弱くて気が強いだけの女子高生が顔を出す。
「さ、開通ー!」
 ピエロマスクのペニスが膣口に少しだけ入る。体を引き裂かれる感覚と共に、リリコの中のヒーローも剥がれ落ちていく。毎日ランニングや筋トレなど、体を鍛えてきた。それはヒーロー部として弱い者を守るため。普通の女の子としての交流も楽しみも押さえて、自分の進む道へと邁進してきた。リリコがヒーローを目指して積み上げてきた時間と思いが、砕けていく。一本の肉棒によって。
「いっ……やぁああああ!!」
 激痛が胎内へと入ってくる。熱した棒が突き込まれたかのような錯覚と、膣内が傷つけられたことによる痛み。流れだす血液。膣の奥までペニスが挿入されたところでようやく動きが止まるも、リリコは圧迫感に苛まれて呼吸ができず、小刻みに震えるしかできない。
「あっ……ああっ……あっあっ……かはっ……」
「おーおー。狭いなぁ。お前、やっぱ処女か」
「はっ……はっあっ……はうっ……」
 挿入を止めた状態でピエロマスクはリリコの頬に舌を這わせて舐める。痛みを堪える時に滲んだ汗の味に満足したのか、顔全体を舐め回す。唾液が舌に続くようにリリコの顔に線を引き、おでこまですべて唾液を付着させられた後に唇を奪われた。
「っむううう! むむ! んんー!」
 食いしばった歯によって舌は唇から入ってすぐで止まるものの、代わりに並んだ歯を舐めまわされる。歯ブラシの代わりとでもいうように唾液を大量に分泌させながら舐め回し、歯垢を音を立てて吸い取る。リリコの口が解放されたのは、三分ほど念入りに舐められた後だった。
「ぷはっ! はぁう……あぅ、あ……」
「ちょっと感じてきたんじゃないか。膣の中が熱くなったぜ?」
「だ、れが……あっ!?」
 リリコが言い返そうとした時を狙ってか、男は腰を動かし始めた。一度奥まで挿入されたことでペニスの太さの分だけ膣内の面積が広がる。それだけでも骨盤の形を変えられ、激痛を伴ったのに、そこから抽送で何度もえぐられることになる。やってくる痛みにリリコはたまらず声を上げた。
「あうあ! や、やめて! 動かないで! 痛い! やああ!」
「こっちは締め付けられてめっちゃ気持ちいいんだよ! やめられっかよ!」
 ピエロマスクは心底気持ちよさそうにリリコの腰を持ち、激しく動かす。マスクの力によって増幅された腕の力。体力によって腰は捕まれて圧迫されることによる痛み。腰は衰えることのない速度でのピストン運動に痛みと、徐々にではあるが気持ちよさがこみ上げてきてリリコの頭をかき乱す。
「あっ! ああ! いやっ! こ、こんなの……いやああ! 痛い! でも、きもち……んぐううう! だめ! だめ! だめぇえええ!」
 一度弱い言葉を発しそうになって我慢しつつも、リリコは頭を半狂乱になって振りながら叫ぶ。
(こんなの……嫌なのに……嫌なのに! どうして、気持ちいいの……?)
 未だ激痛の方が多く、奥まで突き刺される度に腹に拳をめり込ませられるようで、リリコは気を失いかける。激痛に飲まれていく中でも体の奥からはかすかではあるが別の感覚が生まれていた。じんわりと下腹部の奥、体の中心から広がっていくようなその感覚はほんの少しだけでもリリコの痛みを忘れさせる。
(嫌だ……気持ちよくなんて……こんな人達に……未来君……)
 思い浮かんだのは頼りない未来の顔。その顔がマスクをつけて凛々しくなる。自分を助けてくれるヒーロー。脳裏に浮かぶ理由は分からなかったが、いつしか自分の中に大きな存在としているようになったのだろう。
「まだ夜はこれからだからよぉ……まずは一発、イっておくぜ」
「あがっ! かっ……はあっ! くひっ!? くる……し……あううう!」
 ピエロマスクはリリコの腰骨を折りそうなほどの力で掴み、リリコの体を固定すると自らの臀部を叩きつける。結合部から溢れ出す愛液と血。ピエロマスクのスペルマが混ざりあってビチャビチャと水音を響かせながら絶頂に向けて突き進む。リリコのクリトリスも激しく男の臀部がぶつかることでペニスのように固くなり、ピンと立っていく。
「あぅあぅあぁぅあぁあああ! あぁあああ! んあっ! あんあんあんあんあんあんあんっ!? やめ……い……たい……くる……げほげほげほっ!? げほっ! ごほっ! あ゛あ゛あ゛あ゛!」
 膣内部がペニスとの摩擦で熱くなり、止まらぬピストン運動にリリコも息が止まりかける。真っ白になっていく意識の中で、リリコは膣内部に熱いものがほとばしる感触を得た。中に放出された液体の量は膣を満杯にさせ、ペニスが突き刺さった膣内を逆走して対外へと向かう。膨れ上がった下腹部による圧迫感にリリコは最後まで持っていた意識の糸を遂に手放していた。
「いやぁ……ぁ……」
 口から出た言葉が輪郭を持っているかさえ、理解できなかった。

 * * *

 リリコが集団で犯される前。ジャスティス・エンジェル――あやめもまた窮地に立っていた。黒幕との戦いで少し前まで気絶していた彼女は迫る敵を牽制しながら自分の状態を確認する。四肢は動くが、壁に強く叩きつけられた背中からの痛みが強くて動きが鈍い。壁に叩きつけられる直前に拳を打ち込まれた腹部も痛くて左手を当てたままだった。
 少しでも動こうとするならば痛みに一瞬でも動きが止まってしまう。いくらマスクをした相手にも引けを取らない強さを持つとはいえ、この状況で数に物を言わされたらただではすまない。
(それでも、助けなくては、ね)
 腹部へ当てていた左手をどけて、背筋を伸ばしてしっかりと男達を見る。五つのマスクの下にある視線に好色なものを感じ取り、あやめは警戒の段階を一つ上げた。
「しゃは!」
 拳を振り上げて最初に飛び込んできた男を、あやめは両腕で受け流し横に体をずらしてから背中へと蹴りを叩き込む。反動によって自分の背中や腹部にも痛みが走るが次の相手に向かおうと真正面を向く。しかし、突如踏み込んだ右足の力が抜けてバランスを崩してしまった。
「ぁ――」
 一瞬の隙。しかし、迫る敵にとっては十分な長さを持ち、あやめの腹部を蹴り上げるには十分な時間だった。
「がはあっ!?」
 下から上へと蹴り飛ばされて、あやめは床に背中から叩きつけられる。再び走る痛みに硬直して動けなかったあやめの四肢を一人ずつマスク男達が持って動きを封じた。
「は、離しなさい……あぐっ!」
「偉そうにしてんじゃねぇよ……もうてめぇは俺らの肉便器だ!」
 最後に残った虎柄のマスク男があやめの上に乗り、顔面を殴りつける。マスクをしていても頭の芯の響くほどの威力。あやめは渾身の力を込めて拘束を外そうとするが男達の力の方が強い。
「どうだぁ? マスクをしててもかなわねぇ感想はよ!」
「きゃあ!」
 虎柄マスクがあやめの着ている服の胸元を破り捨て、乳房が露わになる。たまらず悲鳴を上げてしまったあやめは取り繕うように鋭い視線を虎柄マスクへと向けた。その視線が逆鱗に触れたのか、虎柄マスクは拳を振り上げると顔面を右に左にと殴りつけていく。
「あっ! がふっ! うぁ! ぎゃんっ!」
 単純に殴られる痛みだけではなく、顔面を左右に揺さぶられる脳しんとうも重なってあやめは意識が朦朧としてきた。涙が溢れていく感覚があり、徐々に力が体から抜けていく。
(気を失いかけて……いえ、それだけでは……ないわ……これは……)
 虎柄マスクの拳は顔面から乳房へと移っていた。倒れていても形の良さを失わないあやめの乳房が拳によって傷つけられていく。パンチングボールのように拳で殴りつけた先へと跳ねる様子を虎柄マスクは堪能してから、一度動きを止めた。
「あぅ……ぁ……がっ……は……」
 涙がマスクの目元から溢れて流れ落ちていく。同時に体の力が抜けて、あやめはすでに拘束されなくても痛みとだるさに動くことができなくなっていた。そのことが分かったからか他のマスク男達もあやめから離れて大の字に倒れた彼女を見下ろす。
(水に濡れて……マスクの力が……)
 マスクの弱点は水に濡れること。むろん、少量の水では影響はないが、あやめが暴行で流した涙は許容量を越えていた。拘束がない今なら立ち上がって戦うことができるが、もうあやめは普通の女子高生とそこまで身体能力は変わらず、度重なるダメージによって動くことができなくなった。
「さて、じゃあ……お前等。マスクは外さなくていいよな」
「いいじゃん」
「抵抗できる状態にしておいたほうが、燃えるね」
 あやめを見下ろしながら言葉を交わす男達。小さな会議が終了したところで、再びあやめへと視線が向き、一斉に群がる。
「――っっっ!」
 押さえつけられる圧迫感。そして引き裂かれる衣服の音。ティッシュペーパーのように容易に服はあやめの体から取り去られ、一気にショーツとニーソックスだけの姿になった。ところどころ青あざができている傷ついた体が露わになるもあやめが羞恥を感じる前に虎柄マスク男がショーツをずらして肉棒を膣へと挿入していた。
「――――あっ!」
 体の奥まで貫かれる痛みに呼吸が止まる。離れた場所から自分を呼ぶリリコの声が聞こえたような気がしたが、反応する余裕はあやめにはない。再び四肢を押さえ込まれ、股間は虎柄マスクのペニスによって押し広げられる。処女だった証としての破瓜の血がペニスを通じて体外へと垂れていた。
「ぎゃはは! やっぱりきついあぁ。気持ちいいぜ!」
「あうっ! あっ! ああっ!」
 虎柄マスクの男のペニスは成人男性の平均よりも大きく、ミチミチと自分の膣が広がっていく音や子宮口に何度もカリ先によって衝撃を加えられていくことにあやめは更に涙が流れる。反撃のためにはマスクの力が必須であるが、そのマスクは自分の涙で力が発揮されない。泣きやんで乾く時間を稼ぐまでにいくことができない。
「あっ! あっ! んっあっあっあっあっあっ……かはっ!」
「……? んだよ。もう気を失ったんか」
「あっけねぇぞー」
 虎柄マスクは思い切りペニスを突きつけて、子宮口を無理矢理押し開けた。あやめはあまりの激痛に息が止まり、体を仰け反らせた後で意識を失った。気をしっかりと保たなければという我慢さえできない一瞬の内の失神に、マスクの男達は興ざめだと口々に愚痴を垂れる。その間も虎柄マスクは子宮の奥へとペニスをねじ込んでいた。
 やがて姿勢を変えてあやめを抱きしめるようにする。意識がないため背中を持たれても両腕をだらりと下げたままのあやめは男の肩に顎を乗せられ、後頭部に掌を添えられて固定される。そこから虎柄マスクは腰に回した腕の力を使ってあやめを上下に動かしていく。
「んっ……あっ……あっ……あんっ……あっんっあっあっ……」
 横隔膜の振動によって気を失っていても声が出る。しかし、結合部からは血だけではなく、虎柄マスクのスペルマ。そして、あやめの膣内からにじみ出た愛液が流れ出していた。体が危機を感じて少しでもあやめの体を守ろうとする。意識がないあやめの瞼がかすかに揺れて、彼女の体に徐々に快感が広がっていった。
「気ぃ失ってるのに気持ちよさそうじゃねぇか」
 あやめの顔を見ていたマスク達の一人がペニスを露わにしてしごいていく。すでにジーンズの中で膨張していたペニスは外部からの刺激により一気に射精までたどり着いた。
「うおっ!」
 別の男が吐き出した精液がマスクに覆われた顔にかかる。髪の毛から瞼の上、頬を伝って落ちていく白い液体。マスクの力が精液に濡れることで更に落ちたのか、突き上げられる虎柄マスクのペニスの衝撃が強く、あやめは意識の泥沼から無理矢理上半身を引き上げられた。
「ん……あはぁああっ!?」
 股間からの激痛に脳が過剰に反応し、痛みに目が覚める。闇から急に明るくなった視界には光が煌めき、気絶前と変わらない酸素不足に口を広げて取り込もうとする。その口に向けて、男達は次々と射精していった。
「あぶっ! あっ! いやあ! げぼっ! げほっ! げほっ! げほっ! おぶぅ!?」
 咳込んで顔を背けても今度は顔を捕まれて固定された上で口を使われる。先に入った精液やあやめ自身の涎によって挿入されたペニスがスムーズに動き、男の性感は一気に高まる。高ぶりにあわせるように頭を動かす激しさが増して、喉の奥の方までペニスを突き込まれたところで精液が吐き出された。口よりも奥。喉の奥へと放出された精液がぶつかる感触にびくつき、ダイレクトに食道を流れ落ちていく感触にもあやめの体が震える。マスクの加護がなくなった体は男達から与えられる刺激に耐えられず、ただ素直な反応を返すだけとなる。
「あぅああ……も、もう……やめ……て……死んでしま……あんっ! あんっ! ああっ! いぅやぅあぅああ……」
 虎柄マスク男に揺さぶられ、言葉も濁る。上下に揺さぶられながら快感を与えられてあやめの頭の中はぐちゃぐちゃにかき乱されていた。自分が言おうとしたこともトロけ、思いだし、また粉々になる。
「あぅあああ! ああ! あ……あんっ!」
 一度強く突き刺されて動きが止まり、あやめは体を硬直させた。そこから数回体が跳ねて、一気に脱力する。後ろへとしなる体を虎柄マスクは背中に腕を回して自分に引き寄せて固定した。
「てめぇだけ気持ちよくなってよぉ。俺もこのまま出すぜ。中に」
「……ぁ……ん、なか……中は……いや……いやあ!」
 絶頂に達してとろける脳にも虎柄マスクの言葉が届き、膣の中に出される恐怖に悲鳴を上げるあやめ。しかし、体を固定されて動かすことができず、自分も拘束を外す力はなかった。虎柄マスクに抱きすくめられている状態でただただ懇願するだけ。
「あっ! あんっ! やめて! やめてやめて! い……いや……いやあ!」
 激しさを増す抽送に一度達した体は再び絶頂への道を上っていく。気持ちよさにすべてを忘れたくなる衝動と中に出される恐怖が交錯し、あやめは激しく頭を振りながら絶叫した。
「いやぁああああ! やめてぇえ! 中に出さないで――あっ!」
 悲鳴が唐突に途切れると同時に、虎柄マスクの動きも止まる。何度か腰が震えた後で、虎柄マスクはゆっくりとあやめの体を床に倒した。結合しているペニスをゆっくりと抜かれても、あやめは荒く息を吐いたまま天井を見るだけ。事実を認めたくない。直視したくないという思いが涙と共にこぼれ落ちる。
「ふぅ……よかったぜ」
 虎柄マスクの言葉に反応するように膣から流れ出す白い液体。スペルマや愛液ではなく、紛れもない精液。
 女を妊娠させる液体。あやめは下腹部の痺れと、胎内に放出された精液の感触を確かに感じていた。
「さて……じゃあ、次だ」
 虎柄マスクの言葉に従って別の男があやめの両足を開き、股間にペニスをあてがう。挿入される感触が前よりも痛みを感じないことが、いっそうあやめに影を落とす。
「あんっ! あっ! ああんっ! ふわ……あぁあああ! いやぁああああああ!」
 優雅に空を舞い、悪を倒してきたエンジェルは、もういなかった。

 * * *

「あぅあぅあぁぅあぅあぁああ……あああ……ふぁ……あんっ……ぁぅ……」
「はっ……はっ……はっ……はっ……あぁ……ぁ……」
 液体が膣内でかき乱される音と共にリリコとあやめは喘いでいた。
 すでに瞳は光を失い、ほぼ意識を失いかけた状態での輪姦。マスクの力は、二人の女に対する性欲を吐き出すための体力を増強させていて、絶え間ない挿入と抽送、放出が三時間以上も続いていた。かたやただの女子高生。かたやマスクの力を発揮できない女子高生であり、さんざん蹂躙された下半身は膣からも菊座からも血が流れ出て、固まった液体の上に精液が上塗りされていた。乗り込んだ時は二十時をまわっていたが、とうとう日付が変わろうとしている中で男達の動きは止まることはない。
「まだまだだぜ!」
「このまま夜明けまで犯してやるよ!」
「も……ゃ……ゆる……て……」
 自分の前後からペニスを挿入してくる男達に耳元で怒鳴られてリリコは掠れた声で途切れ途切れに呟くだけ。
「あぁあおああ……ああ……ぁぅあ……」
 一方であやめは全く言葉にならない嬌声を上げ続けていた。仰向けに寝かされて、背後から菊座へと突かれている。やがて前から別の男が覆い被さり、次の瞬間にはあやめはまた達していた。
「〜〜〜〜〜っっっ!!」
 声にならない声を上げて、体をびくつかせるあやめ。絶頂に達した余韻など与えまいと男は腰を動かし、すぐにまた激流の中へと落とされていく。
(未来君……みらいくん……みら……い……)
 あやめの様子を視界にとらえながら、リリコは脳をぐちゃぐちゃにする快感の中で、最後まで助けを求めていた。

 解放される最後の時まで。
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