聖闘少女堕ちる〜カティア

  | 投稿者: 月華守屋

セインティア翔より冠座(ノーザンクラウン)のカティアの凌辱物です。
汚れを知らない聖闘少女が邪悪の種を子宮に埋め込まれて悪に堕ちる話。

年齢設定など明らかにされていない部分は憶測で書いているため、原作と異なる部分があると思いますがご了承ください。

アテナ沙織と従う青銅聖闘士達が黄金聖闘士達と激闘を繰り広げている最中、邪神エリスの残党と闘っていた聖闘少女はエリス復活に遭遇する。現れたエリス神殿の中で、一人また一人と闇に堕ちていくのだった。




 聖闘少女――セインティア。
 それは処女神アテナの傍にあって身の世話をする特別な役割を持った女性聖闘士。従来の女性聖闘士は女であることを捨て、仮面を被るが特例として女子のまま聖闘士として認められる。
 聖(セント)・アカデミーでの全ての課程を修了、且つ純潔で高い素養を持った完全な女子数名のみに聖闘少女としての資格が与えられる。
 これは、そんな少女戦士達の汚れし記録。


 妖星レパルスの加護を受ける邪神エリス。
 処女神アテナの生まれ変わりである城戸沙織と数名の聖闘少女、そして聖闘士の最上位である黄金聖闘士と戦いを繰り広げた邪神は、宇宙の彼方へと追放された。
 しかし、邪悪な意志は消えずにエリス神殿があった場所へマグマのようにたまり続け、聖闘少女達はその意志を散らす為に戦いを続けていた。
 その戦いの中でエリスは完全に復活し、争いの大樹・ウテルスを中心に浮遊神殿を具現化させ、邪霊の力を増大させ世界に争いを引き起こす種子を撒き散らそうとしていた。
 聖闘少女達は各々、神殿の中へと進入する。
 邪神エリスの野望を砕くために。
 しかし、神殿はエリスの庭であり見通しのきかぬ迷宮。
 邪霊達の剥き出しの欲望と悪意が渦巻く場所は、少女達の心も体も汚し尽くす恐ろしい場所でることを、まだ聖闘少女達は知らなかった。

 * * *

 通路の壁を蔦が覆い尽くし、本来の壁がほとんど見えない中を一人の少女が駆けていた。
 頭部から腰まで届く金髪のロングヘアー。その下には鋭いつり目と凛々しく緊張に満ちた顔。敵地において警戒を怠らず、常に気を引き締めているのが第三者から見ても分かる。
 聖衣はカチューシャ型のヘッドギアに、胸部を覆うアーマー。肩は剥き出しになっており、装着されているのは両手と腰部。そして両足のみ。セインティアのワンピース型のアンダーウェアが晒されている割合が多く、首元は人の目を避けるために首にスカーフが巻かれている。だが、軽装には見えても他の聖闘士の聖衣と性能は変わらない。むしろ、彼女の闘法を考えれば防御力は高いほうだ。
 冠座(ノーザンクラウン)のカティア。まだ十五歳の少女ではあるが、聖闘少女としての活動歴の中でいくつか修羅場をくぐってきたために戦士としても一流の域に達していた。
 少女らしからぬ気配を体から滲ませつつも、カティアは走り続ける。そして、どうしても違和感を拭えずに周囲への警戒のレベルはそのままに思考を分割する。
(おかしい。侵入者にたいして誰も襲ってこないとは……)
 カティアがエリス神殿に進入してからは、既に一時間ほど経過している。その間に、別の場所で同じ聖闘少女達の小宇宙が燃え広がったことは感じ取れていた。けして無防備というわけではなく、戦闘が行われているに違いない。
 ただ、カティアだけは戦闘に入っていないというだけ。
(私だけ侮られているのか……それとも……? それに、この通路……)
 違和感は敵の不在だけではない。カティアは走り続けた足を止めて通路の壁に手を突いた。エリスの波動を受けて成長した植物の感触は聖衣の小手越しに伝わってくる。いつまでも触れているのも気色が悪く、離してから前後に視線を送る。
(ずっと走り続けても出口もない。そして……戻っても戻れる気がしない。空間がねじ曲がっている?)
 カティアはゆっくりと歩き出す。走り続けて小一時間が経過しても出口につく気配すらないのは、自分が何らかの檻に囚われている証拠。相手は邪神エリスであり、まさに神だ。空間をねじ曲げるといった人知を越えた力を持っていてもおかしくはない。もし仮説が正しいならば、自分を閉じこめたのは何故か、とカティアは考えようとしたその時。
「――!?」
 急に周囲の景色が変わり、数十メートル四方の大広間の中心にカティアは立っていた。縦横が狭い通路からの唐突な解放に感覚が追いつかなかったが、カティアは一つ息を吐いただけでほぼ正常に戻す。右足を引き、両手をいつでも使えるように力を適度に抜いて前に出しながら、目だけは周囲に向けて敵の姿を探していく。
「どこを見ている?」
(真正面……か……)
 カティアにとって正に『唐突に現れた』存在は、手を伸ばせば届く距離に立っていた。突きつけられた現実に混乱する思考を押さえつけて、カティアは後方へと飛んで距離を置く。構えは崩さず、ただ後方へと平行移動したという状態。相手はカティアと同じようには移動せずにその場にとどまっていた。
「お前は……」
「俺はリゲル。エリス様に仕える者だ」
 リゲルと名乗った男の言葉を聞いても、カティアはすぐには納得しない。男が纏っている聖衣は聖闘士の物とは異なり、暗い色をした邪霊衣(リーフ)――エリスに従う邪霊士の着る鎧――であることは間違いない。しかし、鎧の形をカティアは昔、見たことがあった。見た瞬間には思い出せなかったが、相手の一挙一足を見逃さないように全身を視界におさめているとおぼろげだった記憶が繋がっていく。
「……その邪霊衣。似ている。オリオン座の聖衣に」
「これ以上お前に語ることはない」
 逆立った髪の毛先から足元まで邪悪なオーラを纏ったリゲルは、両手を掲げて小宇宙を燃やす。内から吹き出た小宇宙は炎へと変換されて、リゲルの周囲から吹き出していた。灼熱の小宇宙は床を駆け抜けてカティアへと届く。
「くっ!」
 カティアは腕を一振りして小宇宙を放出する。彼女の小宇宙は氷へと変換されて防御壁となり炎をくい止める。だが、高熱に達した炎は氷を易々と溶かし、一瞬後にはカティアがいた場所を焼き尽くした。留めた一瞬の間にカティアはその場から移動していたために飲み込まれなかったが、脳裏に突きつけられた力に冷や汗を流しつつ部屋を駆ける。リゲルから距離を置きつつ、動きを止めて狙われないようにしながら隙を見つけようと意識を集中する。
(凄まじい炎……とてもではないが、私の氷では凌ぎきれない。オリオン座に似ている邪霊衣といい……まさか!)
 カティアの中で考えが一つにまとまる。たどり着いた事実によって額に汗を滲ませるが、瞳には覚悟を決めたことで強い光が浮かび、リゲルを中心に円を描いていた体を直線に変えた。目指すのはリゲル。自分へと突進してくるカティアに、リゲルは無言で拳を掲げると炎を繰り出した。
「はっ!」
 直前まで迫り、額の汗が蒸発する感覚を得たところでカティアは宙を舞った。ギリギリまで炎を引きつけたことでリゲルの視界から隠れ、接近するチャンスを作り上げる。
 飛び越えた先にいたリゲルの無表情へとカティアは拳を突き出す。放たれてきた拳はリゲルに簡単に受け止められたが、直後にカティアのスカートから足が伸びて、蹴りが放たれる。自らの手を囮に使った一撃はリゲルの顔面にクリーンヒットこそしなかったが、ガードのために両腕を使わせた。威力に後方へと下がるリゲルに向けて、カティアは接近して格闘を仕掛けていく。両足の蹴り技で顎を跳ね上げ、腹部を貫く。小宇宙を込めて相手の防御を貫こうと続ける攻撃はしかし、リゲルの両腕を貫くことはなかった。
(当たらない……見切られているのか!)
 カティアは、自分が最も得意とする距離での攻撃が効果をなさないことに焦りを覚える。しかし、攻撃を緩めてしまえば接近して炎を使った技を出させないようにした意味がなくなってしまう。カティアは無力感を覚えながらも攻撃の手を休めることはできないまま、手足を動かし続ける。
「ふっ! はっ! はあっ! はぁあああ!」
「……温い」
 リゲルのため息混じりの言葉と同時に、二人の間に炎が膨れ上がった。床に炎が走ったのではなく、床の下から爆発したかのように炎が膨れ上がり、衝撃はカティアを吹き飛ばした。
「きゃあああっ!?」
 聖衣と小宇宙の防御によって致命傷は追わなかったが、衝撃はカティアの体を貫いて彼女を床へと叩きつける。背中を強打したことで息が止まったものの、苦しみながら体を回転させてすぐに起きあがる。しかし、距離が開いてしまったことでリゲルに技を放つ構えを出す余裕を与えてしまった。
「エリス様に仇なすアテナの聖闘士よ……塵となれ!」
 膨れ上がる小宇宙にカティアは反射的に逃げようと足を動かしていた。本能が忌避する力とこれまでの情報からカティアの中に生まれた結論は、同時に彼女に自分が勝てないことを悟らせる。
(元、オリオン座の白銀聖闘士……黄金聖闘士に匹敵する力を持っていた、戦士……)
 青銅、白銀、黄金とランク付けされる聖闘士達。それぞれのランク間で実力は段違いの差があるが、白銀の中でも数名は黄金聖闘士に匹敵する力を持つ者がいた。
 リゲルもまたその数名の実力者の一人であり、いつしか聖域から姿を消していた。
 語り継がれる伝説が目の前にいること。それは、カティアがどうあがいても勝てないという事実すらも突きつける。
(何とか退却しなければ!)
 カティアは意を決して小宇宙を高めていく。自らの技を最大威力で放ち、何とか拮抗状態に持って行けば逃走するチャンスはあると信じて。リゲルは両腕を掲げて小宇宙を集めると、カティアに向けて咆哮した。
「喰らえ! イグニスファトゥス!」
 迫り来る炎の固まりが見えて、カティアは高めていた小宇宙を両手づたいに解放する。眼前の炎を包み込むように氷のリングを纏わせた。
「ジュエリックティアーズ!」
 本来ならば天から降り注ぐ宝石のような氷で相手を氷漬けにする技ではあるが、今は目の前に一つの大きな氷として顕現させて炎に対抗する。
 氷の闘法を扱う聖闘士は何人か存在する。しかし、低温の究極である絶対零度を操れるのは黄金聖闘士のみ。カティアはそれに匹敵する低温を操って炎をくい止めようとしたが、炎の固まりはカティアの氷をものともせずに突き進できた。歯を食いしばり、床を踏みしめて押し返そうとしたカティアだったが、子供と大人の勝負であるかのように力に飲み込まれていく。
「ぐぐぐ……ぅ……ああああああ!」
 小宇宙を更に高めて叫んでみても状況は変わらない。突きだした両腕が弾かれる感覚と同時に氷は消失し、轟音と共に炎に飲み込まれたカティアは悲鳴すらも爆発に飲まれていった。
 爆発の余波にかき消されるようにして炎は霧散していき、その場に残ったのは破壊されて焼け焦げた床。立ったままのリゲル。
 そして、倒れて気を失っているカティアの姿。
 カティアの身に纏っていた聖衣は手足を残して砕け散り、白く袖のないワンピースタイプのアンダーウェアのみとなっていた。爆発の余波でスカートがめくれあがり、色気のない白いショーツが覗いている。淑女の嗜みを身に着けた聖闘少女からすればはしたない恰好を気にすることもできず、完全に敗北したことを示していた。
 リゲルはカティアが気を失っていることを確認すると戦闘体勢を解き、主の元に戻るためにきびすを返す。そこに、その主から声がかかって動きを止めた。
「リゲル。カティアに種を仕込みなさい」
「――響……エリス様。それは」
 エリスの依代として一体化している少女の名を呼ぼうとして、リゲルはどうにかこらえてみせる。エリスの声が聞こえてきた天井から倒れているカティアに視線を戻すと、股を開いて男を誘っているようにも見えた。
 邪霊士は邪神エリスの種によって闇に落とされた者達の総称。いかにアテナに仕える聖闘士といえども種を仕込まれてしまえば従順な僕となる。リゲルは自ら進んでエリスの配下となったが種は内に宿っている。その種の力を、相手の体内に移すことならば可能だ。その方法は、男でも女でも変わらない。
「私に……性交をしろと、おっしゃるのですね、エリス様」
 再び天井を見上げて呟くリゲル。返答はなかったがそれが答えと判断して、リゲルは深くため息を吐いてからカティアの元へと歩き出した。
 女ならば膣の奥、子宮まで。男ならば菊座から直腸の奥へと精液を流し込む。そうすることで自分の中の邪悪の種を相手に移すと、闇へと落ちる。肌を重ね合わせることで相手を闇の染めるという様子をリゲルは何度となく見てきた。ただ、今度は自分が行う番だとなると躊躇してしまう。けして聖闘少女に同情するわけではない。自分の中の思いとの兼ね合いだ。
(響子以外と……肌を重ねる、のか……)
 エリスの依代の名前――響子。かつて子鹿座(エクレウス)の響子としてアテナのために戦っていた聖闘少女と知己だったリゲルは、彼女の望みを叶えるために闇へと落ちた。それが正義だろうと悪だろうと、傍にいて叶えようという願い。恋人として傍にいたい気持ちもあったが、邪神となった響子にはもう易々と触れることもできない。
 それでも、体は響子のものと決めている。そんな自分が、現在の敵である聖闘少女と肌を重ねるのかと思うと、陰鬱な気分になっていくのが分かる。
(これはエリス様の命だ。違えるわけには、いかない)
 リゲルは迷いを吹っ切るように足を早めてカティアの傍へと立つ。手を伸ばしてアンダーウェアの胸元を掴むと、一気に引き上げて生地を引き裂いた。生地の断末魔と共に露わになったのは十五歳という歳にしては大きめの乳房。きめ細やかで白い肌はリゲルの攻撃によって焦げてはおらず、ギリシャの彫刻を見ているかのような気分にさせられる。
 今から、その美しい肌を自分が汚すのだと考えて、リゲルは再び動きを止める。エリスからの命令と自分の思いに板挟みになったリゲルは苦痛に耐えるように歯を食いしばった。
 しかし、次の瞬間にはカティアが寝ていた床に穴が空いて、無抵抗のままに落ちていった。
「――これは!?」
「リゲル。ごめんなさいね。あなたを試すような真似をして」
 慌てて天井を見上げたリゲルに届いた言葉は、リゲルへの謝罪と共にいたわろうとする感情が滲み出ていた。意味が分からずにリゲルが問いかけようとすると、エリスが更に続けてくる。
「あなたは私のために戦ってくれる。そう分かっていても、やはり不安だったのよ……私への思いが強すぎて、私の命令に背く時が来るかもしれないと」
「……エリス様。申し訳ございません」
 リゲルは膝をついて恭しく頭を下げる。自分のせいで部下を疑わなければいけなかった主へと全身の全ての力、全ての思いを謝罪に向ける。
「私のためにお心を砕いていただき、感謝いたします」
「ええ。リゲル。帰ってきなさい。もうカティアはどうでもいいわ」
「はっ」
 リゲルは迷うことなく立ち上がり、邪悪な小宇宙を身に纏って部屋から姿を消した。ほんの一瞬だけ、カティアがどうなるのかということを考えたが全てはエリスの手の中。自分が関与することではないとしてすぐに忘れていた。

 ◇ ◆ ◇

 ――はぁっ! はぁ! はあっ! はあっ!
 走っている。
 暗闇の中を、走っていく。
 前に進んでいるのか、後ろに進んでいるのか。自分がどこに進んでいるのか分からない。
 背後から。前から。横から。下から。上から。自分を取り囲む全方向から殺気が押し寄せてきていて、どこに逃げても捕まるという恐怖に突き動かされて走り続けている。それでも気配は消えることなく、カティアはこみ上げてくる恐れに涙を流しながら走っていた。
(やめて……いや……助けて……たすけて……)
 アテナの聖闘少女としては先輩として活動しているカティア。しかし、胸の内にあるはずの矜持は暗闇で襲い来る恐怖に上書きされてしまう。ただの少女のように泣き、逃げまどうしかできない自分が情けなく思えてくる。
(やめ……やめて! もうやめて! いやぁあああああああ!)
 声にならない声が空間に響きわたる。夢なのか現実なのかすら分からないままにカティアは悲鳴を上げた。その声には力が宿り、暗闇に亀裂が入る。漏れ出た光を感じ取ったカティアは全力をこめて駆け抜けて、光へと体を滑り込ませた。
「――ぁあああああ!」
 ぱっと視界が明るくなった瞬間に目が焼かれるような痛みに襲われ、カティアは慌てて瞼をきつく閉じる。急に光を取り込んだことで痛んだ眼球を涙で潤しながらゆっくり瞼を開くと、多少痛みはあったものの今度は特に支障なく開かれる。
「はっ……はっ……はっ……はぁ……はぁ……は……ふぅ……」
 天井を見上げたままで呼吸を徐々に落ち着かせていくと、心臓の鼓動も押さえられる。落ち着くことで周囲に気を配る余裕を回復させたカティアは、天井からゆっくりと左右方向に視線を向けて自分のいる場所を確認した。
(ここは……地下、か?)
 天井は気を失う前にいた場所と同じ材質と思わしき石でできているが、壁や寝ている場所は土で覆われている。地下というよりも床下と形容するほうが正確であるかもしれない。神殿の中央に天高く生えているウテルスの大樹のものとおぼしき根が、土のいたるところから顔を出しているところを見ると、床下という表現もおかしくはないとカティアは上半身を起こした。
「――っっ!?」
 体を起こした瞬間に前へと引っ張られるような感覚があり、胸元へと目線を向ける。そこには剥きだしの乳房が二つあり、カティアは顔を真っ赤にすると右腕で乳房を覆うようにして隠す。慌てて股間を確認したが、下着もつけており膣も何かをされた形跡はなかった。
「……汚されては、いない、か」
 胸元を引き裂かれただけですんだということを確認して、カティアは胸をなで下ろす。聖闘少女として必要な要素であるのは純潔な乙女であること。処女神アテナに仕えるためには侍女もまた男を知らぬ無垢で、汚れない気高き戦士である必要がある。
 カティア自身も聖闘少女になって世界各地でエリス覚醒前にも戦っていたが、その過程で何人かの聖闘少女がエリスの力で欲望を引き出された下衆な男に汚されるのを見てきた。聖衣を持つ者の責任として鍛えられた力は容易に一般人を殺せる。しかし、無関係の人間を殺すことは当然禁止されていたため、手加減せざるを得ない。更に、不意を突かれて捕らえられれば力はただの格闘家とそう変わらないため、細心の注意を払う必要があった。
(処女を散らされかけたのは……事実。なら、どうして私は助かった?)
 聖闘少女の資格を失わなかったのは幸いだが、そもそもどうして自分が助かったのか理解できない。相手をしていたのが元白銀聖闘士で、情けを掛けたのか。他に理由があるのか。
 カティアは周囲を注意深く見回して襲撃を警戒しつつ、出口を求めて歩き出した。体の各所にかかる重さが不均一で、カティアはよろめいてしまう。改めて自分の姿を見下ろすと、体に装着された聖衣は完全に破壊されてアンダーウェアのみとなっている。両手足についた聖衣だけはひび割れていた者の原形をとどめており、動かす度に重さを感じる。本来ならば、装着者に選ばれた人間は重さを感じることはなく、まるで羽が生えたような身軽さを得る。聖闘少女は女性であり、防御力よりも身軽さを重視した強化が肉体に施される。その効果が薄れているのはやはり破壊されてほとんど残っていないからかもしれない。それでも、自己修復能力を持つ聖衣ならば時間をおけば復活するはず。
(まだ聖衣との繋がりは切れていない……ただ、このまま戦いに復帰しても戦えるのか……?)
 神であるエリスに対抗できるのはアテナや、黄金聖闘士くらいであることは分かっている。だからこそ、カティアは露払いを行おうと乗り込んでいた。しかし、現実は元白銀聖闘士のリゲル相手に全く歯が立たず、ぼろぼろの状態で神殿から追い出されてしまった。今の自分が足手まといならば、このまま一度退却するのも戦略ではないか。
「……くっ……聖衣が、重い……な……」
 カティアは足が進まなくなり、四つん這いになって息を荒く吐く。意識をしていなかっただけなのか、自分の状態を把握すると共に体の奥底から一気に疲労が吹き出したかのごとく彼女の体を襲い、一歩も動けなくしてしまう。四肢についた聖衣がまるで錘のように、彼女を地面に縫い止める。そこでようやくカティアは自分の体に起こっている異変に気づいた。
(なんだこれは……ここまで重く感じることなどない……何かが……はっ!?)
 カティアは疲労感に閉じようとしている瞼をしっかりと開いて、四つん這いのままで足の方向へと視線を移す。そして、喉の奥に悲鳴を押し殺した。
 まとわりついていたのは、邪悪な気配を纏った人魂だった。仄暗い炎を纏った球体がいくつもカティアの両足へとまとわりついていて、重みを与えている。咄嗟に体を起こして人魂を振り払おうとしたが、今度は両手が地面から離れない。慌てて視線を向けると、足と同じように人魂が両手の聖衣を覆うようにしていた。少しは動かせるものの、まるで強力な接着剤によって張り付けられたかのように、皮膚が伸びる程度の動きしかできなかった。
「なんだこれは……エリスの……? いや、エリスの小宇宙に集まってきた邪悪な意志、か……」
 元々、聖闘少女達はアテナが別の戦いに赴いている間に、エリス神殿があった場所に集まり、世界中へと吹き出さんとしていた邪霊達を防ぐために戦っていた。エリス神殿が復活し、集まる力も飛び散る力も大きくなったため、戦いから帰還したアテナが結界を張って飛び散ることをくい止めている。結果として、神殿の中には世界中から集まってきている邪悪な欲望が渦巻いていた。床下も例外ではなく、むしろ神殿の真下であるという位置関係から、より淀みやすい場所だったのかもしれない。
「う……あああ! 止めろ! 離せ!」
 両手足に溜まっていた欲望達は人魂の形を保ったままに、カティアの体へと這い上っていく。膝裏から太股をなぞり、尻をなで回すように転がる人魂に悪寒が走り、意図せず背筋を仰け反らせるカティア。前に突きだした剥きだしの乳房がプルンと震えると、両腕から這い上がった人魂が群がり、乳房の形を変えていく。
「止めろ! 止めろぉお! 触るな……下衆……があっ!」
 カティアは羞恥に耐えて意識を集中させると、小宇宙を周囲に放出した。カティアを中心にした小爆発は彼女に群がっていた欲望の固まりを吹き飛ばし、体が軽くなる。即座に立ち上がったカティアは疲労に視界をぼやけさせつつも走り出す。どこかに出口があるはずだと一縷の望みを持って。
 駆けていくカティアを追ってくる人魂の速度は遅く、徐々に差が開く。だが、それはあくまで彼女を追っているモノ。視線を背後から正面に移すと、視界を埋め尽くすほどの人魂が出現していた。
「――っっ!?」
 急ブレーキをかけたものの体は前のめりになり、そのまま四つん這いに倒れたカティアはすぐに体勢を立て直そうとする。だが、上半身を起こした瞬間を狙ったかのように、前方から押し寄せた人魂に飲み込まれた。
「うぁああああああ!?」
 津波のように押し寄せた人魂に視界が白く染まり、自分の体すら見えなくなる。耳に入ってくるのは人魂が発する呪詛の言葉達。隙間を縫ってカティアの着ているアンダーウェアが引き裂かれていく音が届いたが、気を回す余裕はない。
 圧倒的な邪霊達の欲望は、手足の聖衣すらも破壊し、蹂躙の津波から勢いよく弾き飛ばされたカティアは一糸纏わぬ姿で土の上を転がっていき、素肌を汚していった。何度も転がった体は突きだしていた大岩にぶつかって止まり、カティアは目の前に散った火花を見る。
「ぁ……ぐ……が……は……」
 全身を打ち据えられたような痛みに、指一本動かすこともできない。いつしか流していた涙によって滲む視界には、いっぱいに広がる仄暗い人魂。統率された意志があって、様子を伺っているようにカティアは思った。
(逃げなければ……このまま、では……)
 機を図っていたのか、徐々に近づいてくる人魂達を見ながら、カティアはどうにかして逃げようとする。しかし、一向に体は動かないまま人魂の接近を許していた。群れから三つの魂が前に出ると、それぞれカティアの口や下腹部へと向かう。
「――ぁ……おごっ!? おぉおおおお!」
 人魂はカティアが拒否する間もなく、口の中に入り込んでいた。
 タイミングを外して、膣口と菊座にも己の体をねじ込むようにして魂が入っていく。まだ男を知らない膣と排泄しかしたことのない直腸を逆流していく魂は、無遠慮に突き進んで幅を広げていく。膣に入り込んだ魂はすぐに処女膜へとぶつかり、勢い任せに突き破った。
「むぶぅうううううあおああああああっっ!?」
 処女を貫かれた痛みは、カティアの心にまで深く突き刺さる。突き破られた瞬間に感じたのは喪失。すでに体には纏われていなかったが、聖衣との繋がりを聖闘少女は感じている。その繋がりが、ぷつりと切れた感触があった。
(そんな……聖闘少女の資格……が……)
 邪悪な魂達に蹂躙され、あっという間に処女を奪われたカティアは悔しさに涙が更に溢れ出る。だが、魂達はカティアのことなど考えずに奥へと突き進む。
「おっ……ご……あ……」
 口に入り込んでいた魂が喉の奥へと入り、胃へと進む。空いた口には別の魂が入り込み、次々と胃袋の中へと入っていく。菊座にも複数の魂が押し寄せ、直腸内を逆流していくと下腹部が膨らんでいった。
(苦しい……止めろ……止めてくれ……さ、裂けて……しまう……)
 口、菊座から入った魂によってカティアの見た目は一気に変化する。胃袋や腸が膨くれあがり、まるで妊娠しているかのようになっていた。
「ぶぐぅううう! ぶぶぶ……ぼあぉああえ゛え゛え゛え゛!」
 圧迫感による吐き気も押し込まれてしまい、口の端から涎を垂らすカティア。息も満足にできずに視界が薄れ、体内を満たす魂達のうごめく感触にただただ恐れ、悪寒を走らせるのみ。視線を下に向けると、大きく膨れた腹部により下半身は全く見えなかった。
(こんな……醜い……姿に……やめろ……やめて……い……や……)
 聖闘少女の中でも長身と、姿を崩さぬプロポーションで氷の彫像にもたとえられる美しさを持っていたカティア。だが、今や腹部から下が膨れ上がり、見る影もない。女として美しさに対するプライドがひび割れ、崩れ落ちてった。
「……ぐぷっ」
 邪悪な魂達の進入が落ち着いて、カティアは半ば意識を失っていた。仰向けに倒れていると張った腹が視界の端に見える。醜さから目を背けたくても力が入らず、瞼を閉じることすらできない。
 朦朧としている意識でもカティアは体内で変化が起こり始めていることに気づいてしまった。
(なに……これ……ぁ……ああ……)
 体内で邪悪な魂が弾けた瞬間に、体が大きくびくついた。それは衝撃による反応ではあったが、全身を駆けめぐる快感によるものも含まれている。破裂した邪悪な魂は消滅するのではなくカティアの体の隅々まで広がっていった。
「ぁ……いあっ!? あっ……かふっ!! あ゛! あ゛あ゛! ごぼぉお゛お゛っ」
 胃袋や膣、直腸を満たしていた魂が破裂していくことで、徐々に腹部も厚みをなくしていく。連鎖して消えていくと同時に起こる衝撃と、こみ上げる快感はカティアの理性をかき乱し、体を痛めつけていく。乳首や膣にも変化が起こり、体内に広がった邪悪な魂が液体のように漏れ出した。
「ぉうあああああ! あひぃいいいいい!? ひいいぃいいいいいい!」
 黒い液体が乳首から吹き出す。子供を産んでいないにもかかわらず母乳のように溢れ出す液体は、乳腺を刺激してカティアの未経験な快感を引き出す。膣内部からの衝撃によっても性感帯が敏感になり、黒い液体が愛液に薄まりながら体の外へと流れ出した。腰が浮き上がって何度も尻肉が地面にぶつかり、形を変える。体内の爆発だけではなく外からの刺激すらもカティアには快感に変換され、乳首は立ち、クリトリスは皮を剥く。
「ぁああああ゛! いぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
 膣内にとどまっていた最後の魂が破裂したと同時に、カティアは初めての絶頂に達していた。天を突き刺すように突き上げる下腹部からは粘り気を含んだ小水がシャワーのように吹き出して地面の色を変えていく。仰け反った体勢を頭で支える形になるカティアは、白目を剥いてしまってどこも見ていなかった。乳首からも溢れ出した液体が垂れ流しになり、カティアの上半身を黒く染める。まるで闇の衣を身に纏っているような外見になっていた。
「いっ……ぎ……ぁ……はぁ……ん……」
 カティアは白目から涙を溢れさせ、口はだらしなく開いたままで気絶していた。体内に入っていた魂は全て破裂して体の形は元の状態に戻っている。しかし、外見は明らかに異なっていた。
 誰も立ち入っていない雪原のような白さと美しさを持った肌は、どす黒く汚れていた。体内で破裂した魂の邪悪な小宇宙が全身へと行き渡り、彼女の体を内側から犯して作り替えた結果、雪原は土足で踏みにじられた。
「……ぁ……はぁ……ん……」
 カティアは無意識のままに両手を動かして、右手は乳房に。左手は股間へと移動させると指で秘所をいじり始める。性感帯はすでに限界まで敏感にさせられているため、すぐに苦痛は快感に変化して愛液が膣から溢れ出す。
「んはぁ……いい……気持ちいい……あはぁ……んっんっんっんっあっあっあっあっあっあっあっ……んんっ!?」
 腰を激しい動きで浮かせた後に硬直させて震えていると、また膣口から勢いよく愛液が吹き出す。クリトリスを押さえ、膣内に挿入していた指が押されて弾かれるほどの勢いに、膣内の性感帯は更に刺激を受けてカティアを絶頂状態から戻さない。
「あひぃいいい! あぁああ! も……やめっ……やめてぇええ! 死……しぬぅうう! しんじゃ……あはぁああああ! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!? アーッッッッッ!!」
 連続した絶頂に巻き込まれてカティアの脳内は激しく焼かれ、精神の糸が引きちぎられた。放出される愛液は激しさを増し、もはや蛇口の壊れた水道のように止まることはない。
(きもちいいきもちいいきもちいいきもちいいきもちいいきもちいいきもちいい……)
 快楽を求めることしか考えられなくなったカティアは、体力が尽きて気絶するまで膣を、そして乳首をいじり続けた。気絶してもなお指はかすかに動き、少しでも体内から快感を引き出そうとする。
 その腕を止めたのは、いつしか現れたリゲルだった。カティアの右腕を掴んで、左腕一本で宙空へと持ち上げる。カティアは小さく呻いただけで意識を取り戻すことはなく、虚ろな視線を地面に向けている。半開きの口から涎が垂れ流され、膣口からも愛液が滴となって落ちていった。
「……下準備は整ったようだな」
 リゲルは右掌の中におさめていた『種』をカティアの口の中へと入れて顎を上に押しやった。カティアは飲み込む力もなかったが、種は転がって食道を通り、胃袋へと落ちる。
 そして、胃袋の中へと到達した種はエリスの小宇宙を発動させた。
「――ぁああああああああああああ!!」
 絶叫は聖闘少女としての自分の完全なる死に対してか。
 それとも邪霊士としての新しい自分への歓喜か。
 カティアは全裸の上に闇の衣を纏い、リゲルの手から放れて自らの足で立つ。体の奥から吹き出す邪神の小宇宙はまがまがしくあたりを包み込み、瘴気を濃くしていた。
「うふふ……あははははは……」
 リゲルは無表情を崩さぬままにその場から消える。残ったのは剥きだしの股間から愛液を垂れ流す女が一人。
 純潔で気高き聖闘少女であるカティアはもうおらず、妖艶に微笑む邪霊士が一人、誕生したのだった。
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