トンファーガール無残

  | 投稿者: 月華守屋

史上最強の弟子ケンイチよりワルキューレの綾崎智里輪姦物です。

女だけの武器格闘部隊ワルキューレのリーダー・綾崎智里は輪姦された仲間の仇を討つために死地へと飛び込む。




 綾崎智里は、目の前のベッドに眠る少女を無言で見下ろしていた。
 背中まである黒髪の毛先まで怒りに震え。左右につんと飛び出している毛先は鋭く人を傷つけられそうだった。ピンクと白を基調にしたユニフォームとスカートといういで立ちは一瞬だけ見れば美少女であり乳房も服の上から分かる丸みを帯びていて人を惹きつける。
 しかし、すぐに智里が放つ殺気によって離れていくだろう。それほどまでに、少女は怒りに満ちていた。
 視線の先にいる意識のない少女は、日焼けで色黒の肌ともじゃもじゃしたツインテールが特徴だったが、ツインテールは切られてショートカットになっており、肌は幾重も包帯が巻かれている。そして、第一発見者である智里が発見した時には包帯ではなく白濁液が全身を覆うように吹き付けられていた。ただの友人である智里に医者が症状を正確に伝えることはなかったが、少女――藤宮亜美は何十人もの男に暴行を受けた末に輪姦され、膣の中へと人数分の精液を出されたということは理解できた。
(亜美……)
 智里は発見した時の絶望感に足が震えるが、かろうじて立つ。拳を血が出そうになるほど握りこんで全身に力を込め、心のざわめきを押さえる。そして、清潔で薬の匂いがする病室から出ると背負っていたリュックを整えて歩き出した。
(一体、どこのチームが……隊長達がいないこのタイミングで……)
 智里も意識がない亜美も『新白連合』と呼ばれる武術団体に所属している武器使いだ。
 かつては『ラグナレク』という不良集団に属しており、不良同士の抗争の中で生きてきた。『ラグナレク』が『新白連合』によって壊滅した後で、脱退した者が自然と新白連合へと吸収されたのと一緒になしくずしで構成員となり、その後は『YOMI』と呼ばれる武術集団との闘いに明け暮れていた。
 智里も亜美もワルキューレと呼称されている集団戦術を得意とした部隊の一員であり、それぞれ固有の武器を用いて戦う。亜美ならば二本の鉄扇。智里ならばトンファーだ。だが、亜美が発見された現場は人があまり立ち入らない廃屋。しかも学校帰りに連絡がとれなくなったということからも、拉致されて多対一で暴行を受けたということが分かる。個別に狙われ、かつ武器を思うように扱えなければ自分達は一般市民とほとんど実力は変わらない。だからこそ、智里はトンファーを身から離すことはないが、亜美はたまたま持っていなかったのだ。
 早足で病院を出た智里は、ワルキューレの残りの仲間へと一斉送信でメールを送る。
 亜美が無事であることと、けして一人で出歩かずに二人以上組んで歩くこと。 相手が新白連合のワルキューレに狙いを絞ってきているのは明らかであり、リーダーである智里は仲間を守る義務があった。
(……こんな動画まで送ってきて……許せない)
 メールを送り終えた智里は、受信ボックスからあるメールを開く。誰も立ち入らないような廃屋で亜美を発見できたのは、智里のスマートフォンに動画サイトのURLが送られてきたからだった。亜美のメールアドレスから送られた動画は、気を失った彼女が顔を隠した男達に輪姦されている光景。わざわざ亜美から離れて周囲を移し、場所のヒントまで与えてきたのは、明らかに智里をおびき出すため。結果、血の気が昇った智里は仲間にも連絡せずに廃屋へとたどり着き、亜美を発見したのだった。
「……あ」
 亜美を見つけた時のことを思い出していらついていると、スマートフォンが震える。電話の相手名は亜美。見つけることができなかった彼女のスマートフォンから電話がかかってきている。
 智里は意を決して電話に出た。
「もしも――」
『ぎゃははははは! どうだったよぉ! お仲間の悲惨な姿は!』
 智里が言葉を終える前に聞こえてきた下品な笑い声によって、智里は耳を離す。離していても聞こえ続ける声は、それ以上余計なことは言わずに用件だけを告げてくる。
『これから言う場所に一人で来い! 逃げたり、仲間を連れてきたりしたらお前に送った動画を公開する。気づいてるかどうかしらねぇが、あれは今、限定公開になってる動画だ。それを一般公開すれば、お仲間の痴態があっという間に全世界に拡散するぜ!』
 長く会話をすることで時間を消費することを割けるのは、粗暴な物言いとは裏腹に冷静さがある。智里はスマートフォンから耳を離したままで電話口の相手へと告げた。
「分かったわよ! どこに行けばいいの!」
『……威勢がいいな』
「早くして。あんた達を倒したくてうずうずしてるの」
 智里はこみ上げてくる怒りを言葉に乗せる。元々血気盛んな方であり、副リーダーにたしなめられるのが常である智里。しかし、今は彼女をなだめる者はいない。自分の怒りを相手に叩きつけるだめだけに、言葉を紡ぐ。
『――言っておくが、ワルキューレ達の行動は監視してるぜ。妙な素振りを見せたら動画は公開する。じゃあな』
 電話口の男は場所を指定して、一言だけ念を押してからすぐに電話を切った。余計な情報を与えないことに終始した会話に智里の中でフラストレーションが湧き上がる。リュックのポケットにスマートフォンを入れると、智里は駆け足で指定された場所に向かった。
(絶対、叩きのめしてやるんだからっ!)
 リュックに入った獲物――トンファーがぶつかり合って立てる音を聞いて、智里は闘志を引き出しながら駆け抜けていった。

 * * *

 走り続けて息が切れながらも、智里は目的地に着くまで足を止めることはなかった。知らされた場所がどこにあるのかは理解しており、走っている間に場所の意味や万が一の時の逃走経路などを思い浮かべていたものの、最終的には何も考えずにひたすら足を動かした。
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はふぅ……つ、いた……」
 たどり着いたのは、人々が行き交う通りから少し奥に入ったところにあるビルだった。智里には縁はないが、大人が会社帰りに立ち寄るようなスナックや飲み屋がいくつも入っている五階立てのビル。メインストリートから外れているとはいえ、まだ十八時にもなっていない時間帯には多くの人がすぐ傍を通り過ぎている。
(こんなところに呼び出すなんて……何を考えてるのかしら……それにしても、疲れた……)
 膝に両手を乗せて俯きながら息を整える。
 武器を用いて闘う智里は体力には多少は自信がある。しかし、数キロの道のりを休むことなく駆け抜けられるのは、武術に身を置いた者達しかいないだろうと考えた。
 思い浮かべるのは『新白連合』の隊長と呼ばれるクラスの人間達。
『ラグナレク』時代から尊敬する杖術使いや、他の武術家。
 もし秘密裏に連絡が取れれば心強いが、今は智里が想像もつかないような大事を防ぐために『新白連合』の総督含めて主力は誰もいなくなっていた。その隙を突いてきて、今回のワルキューレ襲撃があるのかもしれないと智里は思った。
「……ふぅ。よし!」
 智里は鞄からトンファーを二つ取り出してビルの中へと足を踏み入れる。リュックは背負いなおして、いつでもトンファーを振るえるように前方へと腕を掲げながら進む。鉄でできたトンファーは刃物を受け止めたり、相手を一撃で昏倒させることもできる。普通ならば有利に働く要因だったが、入ってすぐに智里は自分の不利を悟った。
(この場所……狭くてトンファーが振るえないかも)
 智里は目に入ったエレベーターではなく非常階段から登っていく。指定された階は最上階。通常ならばエレベーターを使うが、敵が待ちかまえていると分かっているところに逃げ場のないエレベーターなど使わない。しかし、非常階段も広いというわけではなく、人が二人並んで歩けば身動きがしづらくなる狭さだった。
 いつ敵が上から来るのか。あるいは下から来るのかを警戒しながら登っていった智里は、結局、何も起こることなく最上階までたどり着く。通路の先には部屋が一つ。他の階はいくつも店舗が入っているため区切られているが、最上階はまるごと一室の間取りなのかもしれない。
 智里は唾を一つ飲み込んでから扉へと近づき、ノブを回す。自分が来ることが把握されているならばどう開けようと意味はないが、開けられるところまで回した智里は一気に引いて中に飛び込んだ。
「――っっ!?」
 前方に体を投げ出して一回転してから体を起こし、身構える。トンファーの射程としては壁際にいるよりもむしろ中央近くにいた方が振るいやすいと考えた上での行動。身構えた智里の目には案の定、何十人もの不良の姿があった。
「あんた達……マギノビオン、ね」
 現在、存在する若者の武闘派不良集団の中でも特に勢力があるのは四つの組織だ。
『新白連合』に『YOMI』。そして『ティターン』と『マギノビオン』
 智里がすぐに顔とチームを一致できたのは、集団の中に以前見た顔があることに気づいたからだった。
「へ……へへへへへ……よく来たな……綾崎智里ぉお……」
「……誰?」
「俺の名は古川たかし! 元ラグナレクのナイフ使いよぉお!」
 男――古川たかしは一歩前に出て智里に向けて吼えた。名前を言われなくても誰なのかは理解している。あくまで智里なりの挑発だったが、思った通りに逆上する。隣にいた不良が肩に手を置いて宥め賺すことで、たかしも落ち着きを取り戻す。
 元ラグナレクで武器使い。レベルは自分達と比べて遙かに下だったが、武器を扱う者は少数であるため智里も名前と顔は一致させていた。ラグナレクから脱退した後の行方は知らなかったが、人づてにマギノビオンの末端に加入したと聞いたことがあった。当時の髪型は全く覚えていないが、被った帽子の内側に収まる様な量ではなかったように思えた。
 結局、智里にとってもその程度の存在であり、過去を思い出すことは止めた。
 たかしは智里の内心を知る由もなく、言葉を続けた。
「まあ……思い出してもらったところでよぉ……お前にもあの女と同じ目にあってもらうぜぇ」
 たかしの言葉に従うように男達が前に出る。実際には、男達は自分達の判断で千里を襲おうとしていたが、たかしは自分が指揮官という妄想に酔っているのか気にする素振りは見せない。
 智里は右足を引き、トンファーを持った両腕を掲げて自然体で身構える。非常階段とは比べものにならない広さは、十分武器の特性を生かすことができる。
(ここなら……闘える!)
 智里が闘う覚悟を決めたのと、男達の中から三人が飛び出してきたのは同時。智里を全方位から取り囲んでいる男達の内、それぞれ真正面、左横。そして後ろから突進してくる。智里は前へと出ると右足の踏み込みと同時に右手のトンファーを振るった。真正面からバカ正直に飛び込んできた男はトンファーの一撃を顔面に喰らい、吹き飛んでいく。右腕を振るった勢いを殺さずに、智里は一回転して左手のトンファーを裏拳の要領で振り抜く。今度は横から襲ってきた男の後頭部にトンファーが叩きつけられて、相手は昏倒した。最後に背後からきた男の腹部に右ストレートを放つようにトンファーの先を叩きつけ、呻きながら前のめった顎を跳ね上げた。
「がああっ!?」
 一瞬の間に三人がトンファーの餌食になり、ほぼ同時に床へと叩きつけられて声が重なった。智里は勢いよく息を吐きながら身構え直し、前方に鋭い視線を向けた。
「ぐ……ぬぬぬ……やるじゃねぇか……」
「当たり前よ。日々修行してるんだから」
 三人倒したところで集団が減るわけもなく、智里は視線を合わせやすいたかしを睨みつけながら告げる。確かに多対一と普段の戦法とは真逆であるが、襲ってきた男達の動きから実力を判断すると、自分の半分程度だろうと智里はあたりをつける。集中力を保つことができれば、勝てない状況ではない。
「い、いけええ! ぶち殺せ!」
 たかしの言葉に合わせてまた三人が前に出る。今度は三人とも鉄パイプを持ち、智里の前方から振りかぶりつつ襲ってくる。智里は一度後方へと下がって鉄パイプの打ち下ろしを外してから前に出た。床に叩きつけられた鉄パイプの先を一つ踏んで、不良の一人を動けなくしてからトンファーを顔面へと叩きつける。衝撃に吹き飛んだ不良へと視線を向けた二人の顎にも連続してトンファーの先を打ち込み、脳震盪を起こさせてその場に倒す。
 距離を取り、身構えなおした智里は空気を切り裂いて自分へと迫る何かを感じると、とっさに腕を振った。金属音を立てて弾かれた物に視線を向けると、木で出来た矢が宙を舞っていた。
(――矢ですって!?)
 慌てて視線をたかしの方向へと戻すと、不良達がボウガンを構えて立っている。正確な数はすぐには理解できないが、十人以上がボウガンの射出口を智里に向けている。智里はできるだけ真正面を視界から外さないようにしつつ周囲を見ると、同じようにボウガンを持っている不良達がいた。視線を向けられない背後からも殺気が膨れ上がり、同様の状況にあると悟る。
「へ……へへ……武器持ってても……流石に飛び道具には勝てないだろ」
「ほんと、卑怯者」
 智里は心に生まれる不安を押さえつけ、強気な態度を崩さずにたかしを睨みつけていた。ここで気圧されれば自分は敗北し、亜美と同じように体も心もボロボロにされてしまう。
 その恐れが逆に智里を凛々しく立たせていた。
(――後ろ!)
 自分の武器が届く範囲にくる攻撃を防ぐために意識を集中していると、背後から風切り音と共に飛来した矢を感じ取り、トンファーを振るう。弾いた矢が取り囲んでいた不良の顔面に当たり、痛みに呻くと共にその光景を見た不良達の気迫が緩んだ。
「マジかよ……」
「あれを弾くのか……」
 智里が矢を防ぐ様を見て、優勢を確信していた男達の心にひびが入る。集団で取り囲んでも怯えず、襲わせた男達も難なく倒し、更に不利であるはずの飛び道具相手にもびくともしない。
 不良達の中で自分の存在が大きくなっていることを、智里は敏感に感じ取った。
(まぐれだったけど、使わない手はない……今のうちに)
 取り囲まれた当初なら突破できなかったであろう不良達の壁も、気迫にほころびが出来た今ならば抜けられる。日々、達人に修行をつけてもらっている中で智里はそのタイミングを感じ取れるようになっていた。前方に飛び出せば、ボウガンも仲間に当たるのを恐れて打ちづらくなるはず。一石二鳥と前に踏み出したその時、バランスが崩れた。
「きゃあっ!?」
 これまで保ってきた凛々しさ。不良達から自分を「格上」という壁を作ってきた気配が霧散する。
 自分が倒した不良が投げ出している腕を誤って踏んでしまったことで、バランスを崩しただけ。しかし、ただの少女と変わらぬ悲鳴をあげてしまったことで智里が見せる雰囲気に飲まれていた不良達は、正気に返ったように瞳から怯えの色が消えた。
「な、なら躱せないくらい一斉に矢を放つんだ!」
 一人、たかしだけが怯えから回復していなかったが、言葉を引き金にしてボウガンを構えていた全方位の不良達が一斉に放つ。もしも射線から智里が逃れれば対面の仲間に矢が当たることになるが、迷わない一撃。それは、智里にとって最も恐れていた事態。
(ダメ! 躱せない!!)
 智里は早々に諦めて顔を両腕で覆う。次の瞬間から訪れるであろう連続した矢の痛打には、歯を食いしばることで何とか耐えるつもりだった。
 だが、スカートから剥き出しの太股に細い矢の先が突き刺さった瞬間に激痛がこみ上げてきて、智里は絶叫していた。
「うあああああああっっ!?」
 両足だけではなくワルキューレのユニフォームごしに腹部や、乳房。頭部を守る両腕にも突き刺さって床へと落ちていく。先が丸く、体には刺さってはいないはずだが、刃物を刺された時と変わらぬ衝撃が次々と智里の頭に突き抜けていき、意識を薄れさせる。激痛に消えかける意識も連続してくる痛みによって現実に戻されるを繰り返すために気絶することも出来ない。
 一瞬の掃射の後に、智里は立っていられずに膝を突き、前のめりに倒れてしまった。
「あぅ……か……は……ぁ……」
 矢の嵐が収まって、不良達が近づく足音が聞こえてくる。床に左耳がついているために余計に聞こえやすくなっているが、だからといって何かができるわけでもなく、智里は近づいてくる気配達をただ待っていた。
「……け……けけけ……」
 ひきつった笑いが聞こえた後で、両腕を持たれて上体を起こされる。膝立ちの姿勢で俯いた頭を、髪の毛を引っ張られて無理やり上げさせられると、たかしがナイフを持って智里へと近づけていた。
「ワルキューレも……やっぱ、飛び道具には勝てねぇよなぁ……」
「くっ……卑怯……もの……」
 智里はたかしを一瞥した後で、目の前に落ちているトンファーへと視線を向ける。気づいた不良の一人が手に取ると、トンファーの先を智里の乳房へと叩きつけた。
「あぐっ!? あっ! ああっ!?」
「どうだよ! 自分の獲物で痛めつけられるのはよ!」
 ワルキューレのユニフォームに包まれた乳房を、リズミカルにトンファーが揺らしていく。弄ばれている屈辱に顔を赤くして、智里は涙目で相手を見返した。瞳に宿る光の強さに不良は怯んで、自分の弱さごと叩きつけるようにトンファーの先を智里の鳩尾へとえぐり込んだ。
「あがああっ!? かっ……はっ……ぁ……ぐはっ……はっ……はっ……はっ……はっ……」
 憎悪のこもった突き込みに息が止まり、解放されてようやく呼吸ができるようになる。不良達は智里の姿を見下ろして、下卑た笑みを浮かべていた。
 ついさっきまでトンファー両手に不良達を倒していた女が、体中に傷を作って膝をついている。ミニスカートから伸びた両足にはボウガンの矢によってつけられた青あざが大量に点在していて、何も知らない者が見れば痛々しさしかないが、不良達の持つ歪んだ嗜虐心は智里の姿に興奮し、股間を盛り上げる者も少なくはなかった。それでいて、智里は痛みに滲み出た脂汗で肌に髪の毛を張り付かせながらも、瞳に宿る光は強さを失わないまま不良達を見返している。戦いで負けても心までは屈服しないと示していた。
「本当に……生意気な女だ……」
 たかしはナイフの持ち手をくるくると回転させながら、智里の背後に移動した。何をするのか視線を向けようとしたが、頭は不良達に押さえられてしまい、背後を見ることが出来ない。たかしがすぐ後ろに立つ気配を感じると同時に、背中まである髪の毛をまとめて捕まれ、引っ張られた。
「痛っ……なに……するのよ……」
「何って? 散髪だよ」
 たかしは無慈悲に言い放ち、髪の毛の束にナイフを食い込ませた。神経は通っていなくとも、切られる際に頭皮から引っ張られる痛みに智里は目と口を大きく開いて絶叫していた。
「きゃああああああっっ! やめっ! やめろおおおおおっっ!」
 不良同士の闘いに参加していても、智里も十八歳の少女でありおしゃれには気を使っている。特に背中の半ばまである髪の毛は艶やかさを保っており、たとえ闘いに邪魔だと言われてもマイナス面を補えるように戦い方を身につけてきた。美容室でも気を使って切ってもらっている髪の毛が、ナイフ一本で無惨にも切り離されていく。まっすぐに力押しでは切りづらいのか、たかしはノコギリで木を切るように動かしながら進めていく。必死に頭を動かそうとする智里だったが、二人がかりで頭を捕まれてしまえば動かす余裕はない。
「これで……終わりっと!」
 たかしの言葉と一緒になってぶちりっ、と鈍い音が聞こえたように智里には思えた。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁくっ……うっ……うう……」
 事が済んだために頭部は開放されて、智里は苦しく息を吐いて恐る恐る背後を見る。視界に普段なら映るはずの髪の毛が、何もなかった。
「へっへっへ。たっぷり切ってやったぜぇ」
 背中へと伸びていた髪の毛は、いまやたかしの掌の中に収まっていた。智里が呆然として髪の毛とたかしの顔を見比べていると、放心具合にたかしは笑いながら髪の毛を床へと落とし、踏みにじる。
 自分の分身とも言うべき髪の毛が踏みにじられ、汚される。
 怒りがこみ上げてきても自由にならない体は震え、悔しさの涙が流れるだけだった。
「く……そ……くそぉ……」
「ひゃひゃひゃ! こいつ泣いてるぜ!」
「武器持って男殴ってても、しょせんは女だな!」
 ゲラゲラと醜い笑い声に包まれて、智里は俯いた。心だけは負けないようにと睨みつけるために顔を上げていた力も失われ、虚脱感が体を支配する。屈服したと考えたのか、男達はその手を離して智里の両腕は解放された。しかし、その手は男達へと振るわれることもなくだらりと体の両側に下ろされた。
 力なく座り込む智里を見下ろしていた男達は、口から涎を垂らしながら服を脱ぎ始める。ベルトを外す音や衣擦れの音に気づいて智里が顔をわずかに上げると、たかしの股間から生えたペニスが固く太く勃っているのが見えた。
「ひっ……!? な、なんなの……ぁ……」
 自分を取り囲む異常に、智里はようやく気がついて後ずさろうとする。だが、膝立ちの状態で拘束されていた影響で足が痺れて力が入らず、尻餅をついてそのまま仰向けに転がってしまった。投げ出された両腕は男達の足裏が踏みつけて固定し、両足も一本ずつ捕まれて両側に広げられる。
 スカートがめくられて、白いショーツが露わになった。
「いやっ!? 離して! やめて!」
「止めるわけないだろ……そのために、髪切ったんだからよぉ。俺らは、ショートヘアの女が好みなんだよ」
 たかしはユニフォームの首元にあるチャックの取っ手に手をかけると、一気に引き下ろす。チャックが外されて晒される下着は白いスポーツブラ。素肌には矢を受けたことにより痛々しい青あざが点在していた。それでも、剥き出しだった両足よりは見た目はよく、たかしはチャックを下ろしきるとわずかだが割れている腹筋へと掌をつけた。
「んっ!?」
 自分がかいた汗がたかしの掌に押し潰される。その掌が他の汗を巻き込みながら乳房へとあがっていき、ブラへと到達した。ブラの上から乳房を揉まれて、圧迫感に智里は瞼をきつく閉じて歯を食いしばり、声を上げるのを我慢する。
「んくっ……うっ……ううっ……ぐっ……」
「声、我慢してるのかよぉ。こんなんで感じてるのか? 変態かぁ?」
「誰……が……きゃああっ!?」
 たかしの挑発に対抗しようとした瞬間にスポーツブラと肌の隙間に指をつっこまれ、そのままめくり上げられる。解放された乳房がぷるんと震えると不良達の間に感嘆の声が沸き起こった。バストサイズが88ある智里は闘う際に邪魔にならないように少し小さめのブラをつけて押さえている。だからこそ、現れた乳房は男達の想像以上であり、形も整っていた。たかしも口笛を吹いてから思い切り掴み、揉み始める。
「やああっ! やめろ! 触るな! 痛い! 止めて!」
「なんだ? もう降参か? ワルキューレも大したことねぇよ!」
「馬鹿に……する……んはっ!?」
 こみ上げてくる羞恥心や痛みに溢れた涙で視界をぼやけさせながらも、智里は言い返そうとした。しかし、タイミングを分かっているかのようにたかしは乳首を指で弾くことで智里の言葉を封じる。
「んあっ! あ゛っ! あんっ! なにっ……やっ! こ……のおっ! やめろ! やめろおおっ!」
 乳首をいじり回されて生じるむず痒さに、智里は必死に体を動かす。ガス欠のように動かなくなっていた体が敏感な場所を責められることで激しく動くが、それは燃え尽きる寸前の炎のようなもの。すぐに炎は燃え尽きて、智里は体力が尽きたために動けなくなった。
「あっ! あっ! あっ! あっ! あんっ! やあっ! はうっ! ん! んんっ! んふぅ……はぁ……あっあっあっあっあっ……ふぐぅ……」
 乳首をコリコリといじられることで体が反応して震えるだけになり、声も押さえられない。
(なんで……こんなこと……気持ちよく……なりたくなんて……ないのに……)
 無抵抗のまま嬌声を上げる智里は、上体を起こされてユニフォームを脱がされる。スポーツブラもはぎ取られ、残るのはスカートとショーツのみ。たかしがスカートの中に手を入れてショーツを掴むと、大の字に両手を広げたままの智里が視線だけ向けて呟いた。
「や……やめて……み、みないで……」
「ずいぶん弱くなったなあ! 恥ずかしいか? 恥ずかしいだろぉおお!」
 たかしは少しの躊躇もなく智里のショーツを脱がせる。引き抜くと共に両足を揃えて斜め上に押し上げることでスカートがめくれて股間が見えた。揃えられた陰毛に、汚れていない膣口が露わになり、智里はか細い悲鳴を上げた。
「やぁあああ……見ないでぇ……」
 開かれた股間に入ってきたたかしはいきり勃ったペニスを膣口へと押し当てると、そのままぐいっと挿入していく。
 前戯などない一発勝負。
 たかしの肉棒は狭い膣の中を強引に押し入って傷つけていく。
「あっ……がっ……がはっ!? ぎゃ……ああ゛……」
 激痛に目を見開いて呻く智里を見ながら、たかしは挿入を続ける。苦しみ、口の端から涎を垂らしながら叫ぶ智里を見下すように言葉の暴力で殴りつけていく。
「武器がなければワルキューレなんて雑魚なんだよ! おらっ! おらあっ!」
「あぎっ! ぐあっ! ぎゃあああっ!」
 膣の最奥までペニスがねじ込まれて、処女膜も破れてしまう。激痛に意識を飛ばしても重ねられた痛みにすぐ戻されて、抽送に伴い体外へと流れ出す血の感触を味わった。
 生理の時とは全く異なる次元の痛みは下腹部を痺れさせて、熱がこみ上げてきた。
(痛い……苦しい……何も考え……られない……)
 抽送にあわせて声を出すだけになった智里を見ながら、傍にいた不良達は次の一手を打ってきた。智里の瞳に映ったのはハンディカメラ。レンズが自分の方を向いていることが何を意味しているのか気づくのに数秒遅れる。その遅れの間に表情が徐々に歪んでいくのを無様にも録画されてしまった。
「ぃ……やあ……撮るな……撮るなあ……」
 力の入らない弱々しい悲鳴は男達の笑みを深くした。カメラを構えた男が近づくと智里は顔を逆方向へと背ける。だが、視界を変えてもそこにはスマートフォンを持って撮影している男達がいるだけ。
 全方位。どこからも自分が撮影されていることに気づいてしまって、智里はかろうじて保っていた矜持に、ひびが入った。
 裸にされて、名前もよく知らなかった男に凌辱されている自分が、何十人もの男の前に晒される。
 更に、亜美のように動画サイトにアップされてしまえば、全世界の人間の目に留まるかもしれない。
「ひいっ……や、やめてぇえ……もう、撮らないで……撮らないでぇえ……」
 ひびが入れば、決壊はすぐ訪れた。
 涙を溢れさせて懇願する姿は闘っていた時とは完全に違っていて、もはやワルキューレと呼ばれるような強さはない。智里の変化にもたかし達は自分の行動を変えることはなく、エスカレートしていく。
「きゃんっ! あうっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あっ! あんっ!? ぅ……あ……あっあっあっあっあっあっあっいやあっ!」
 これまで激痛だけが体内を駆けめぐっていたが、たかしがクリトリスをいじり、不良達が乳首をコリコリとつねりだすと嬌声が混じる。膣の開通によって外部からの刺激に敏感になった体は、激痛以上に快感を脳へともたらす。暴力的な快楽は智里の思考を破壊し、飲み込んでいった。
「これから朝まで楽しむんだ。さっさと楽になりなあ!」
「あっあっあっあっあっあっあっあっあっ……んきゃあっ!?」
 たかしは腰の動きを早めて呻くと、ペニスを抜いて智里の顔面へと突きつける。直後に迸った白濁液が智里の顔面から首元へとかかった。熱く生暖かい液体がかけられて更に高い悲鳴を上げる智里は、股間への責めが終わり、息を切らして脱力する。小刻みに呼吸をすることで胸部が震えて乳房が断続的に揺れていた。
「しゃあ! じゃあ次は俺だ」
「もう口使えばいいだろ」
「両手も膝裏とかもよぉ」
「尻……尻……穴ああ!」
 たかしが行為を終えるのを待っていたように、男達が智里に群がる。
「――――ぁ」
 裸体の群に智里の口からかすかに悲鳴が漏れたが、すぐにかき消えていった。


 数日後。
 違法動画アップロードサイトに、少女を凌辱する素人撮影の動画が上げられた。
 一本の動画で一人。二人分上げられたそれは瞬く間に裏の世界に広がっていった。
 その被写体の少女は、未だ意識が戻らず眠り続けている。
 自分から起きることを拒否するかのように。
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