フィン&ラナ(親娘関係)
「スミマセン、こんな時に…コホッ、コホン」
寝台の上のラナは謝罪した。……ひどく苦しそうに。
「何言っているんだ。今でよかったよ。コレからが大変なんだから」
「そうよ。早く元気になってよねっ、ラナ」
彼女を見舞いに来たセリスとラクチェが励ますと、ラナは少し微笑んだ。
「ボク達の事は心配しなくていいから、ゆっくり休んでね」
「お大事にね、ラナ」
「ご武運を…セリス様。ラクチェ、無理しないでね」
「まっかせといてよ」
クロノス城でケガ人を手当てしていたラナが、過労からきた高熱で倒れて2日。
セリス達はこれ以上進軍を待てず、今日出立する。
……彼女を残して。
「参ったわね…ケガ人が多くなるというのに…コレから……」
ラナは1人言を呟いて、そのままウトウトと眠りに落ちていった。
* * *
「ン…」
「おや、お目覚めですか?」
「!!」
優しい、少し高い声を耳にしてラナの意識は一気に覚醒する。
「お…お父様!?」
「ハイ?」
彼女の寝台の横で彼女を看病し続けていたのは。
……彼女の実父・フィン。
「何ですか?」
「あ…あの…」
「リーフ様とセリス様には許可を頂いてます。あなたが心配なさる事はありませんよ」
そう言って、フィンはラナの額に右手のひらを当てた。
「熱、少し下がった様ですね…」
「少し眠ったら、楽になりました」
「そうですか。でしたら、食事取れますか? 厨の方に頼んであるのですが」
「ハイ、食べられます」
「では、持ってきますからね」
殆ど見た事のない父親の優しい顔。
それでも、ラナは不思議と安心感を覚えた。
たまには風邪をひいて倒れるのも悪くはないかな。父親がこんな風に看病してくれるなら。
食べさせて下さいって言ったら怒るかな。
そんな風に少しだけ、ラナは思った。

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