2009/11/5 20:27
昭和の下宿あれこれ 46 昭和な話
部長は、静岡出身であった。
さすが部長!といった具合の大変面倒見の良い素敵な先輩で、下宿にお邪魔することになったときは、後輩としていささか緊張したものである。
「ここなのよ」と言われ、見てみると、入り口がシャッターで閉ざされている。
ザザザーっとおもむろにシャッターを開ける先輩。
中はコンクリート打ちっぱなしのただっぴろい空間。
「えっ?ここなんですか?」
といぶかる私に先輩が、
「ちがうちがう、ここの二階ね」
と、指差す先に目をやれば、ちゃちな掛け梯子(はしご)のような階段が・・。
先輩の後に続いてよじ登ると、その先には小さなドア。
「ええーっ!まさかここが部屋?!」
真っ暗闇の部屋に灯りをともすと、確かにそこには小さなベッドと机が・・
「セ、センパイ・・」
「ああ、ここね、本当は倉庫なの。一階のガレージが大家さんとこの駐車場。で、二階は倉庫だったんだけど、特別に部屋として貸してもらってるの」
「と、特別にって・・」
さすが倉庫、窓が無い。
「で、センパイ、顔なんかはどこで洗うんですか?」
「ああ、ガレージの隅にちっちゃい手洗い場があるから、そこでチョコチョコッと」
毎朝、ハシゴのような階段を上り下りして、そんなちっちゃい手洗い場で洗面デスカ・・
しかも、いつなんどき入庫するやら出庫するやら分からん大家の車の排気ガスも吸いつつ・・
が、先輩はただ笑っているだけだった。
それが何か?という顔をして。
これぞ昭和の下宿、真骨頂!
つづく
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さすが部長!といった具合の大変面倒見の良い素敵な先輩で、下宿にお邪魔することになったときは、後輩としていささか緊張したものである。
「ここなのよ」と言われ、見てみると、入り口がシャッターで閉ざされている。
ザザザーっとおもむろにシャッターを開ける先輩。
中はコンクリート打ちっぱなしのただっぴろい空間。
「えっ?ここなんですか?」
といぶかる私に先輩が、
「ちがうちがう、ここの二階ね」
と、指差す先に目をやれば、ちゃちな掛け梯子(はしご)のような階段が・・。
先輩の後に続いてよじ登ると、その先には小さなドア。
「ええーっ!まさかここが部屋?!」
真っ暗闇の部屋に灯りをともすと、確かにそこには小さなベッドと机が・・
「セ、センパイ・・」
「ああ、ここね、本当は倉庫なの。一階のガレージが大家さんとこの駐車場。で、二階は倉庫だったんだけど、特別に部屋として貸してもらってるの」
「と、特別にって・・」
さすが倉庫、窓が無い。
「で、センパイ、顔なんかはどこで洗うんですか?」
「ああ、ガレージの隅にちっちゃい手洗い場があるから、そこでチョコチョコッと」
毎朝、ハシゴのような階段を上り下りして、そんなちっちゃい手洗い場で洗面デスカ・・
しかも、いつなんどき入庫するやら出庫するやら分からん大家の車の排気ガスも吸いつつ・・
が、先輩はただ笑っているだけだった。
それが何か?という顔をして。
これぞ昭和の下宿、真骨頂!
つづく
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