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2009/11/10  16:15

昭和の下宿あれこれ 51  昭和な話

一人暮らしの醍醐味は、室内のものは何でも独り占めできる!ということである。
とはいえ、昭和の下宿・・ろくに荷物も置けない極狭空間。
それでも、確かに一城の主には違いないのであった。

で、その一城の主の下、驚いたことに、新聞勧誘人がやって来たのである。
中に人間が住んでいようなどとは、外部からは絶対に気付かれないはずであるにも拘らず・・

が、転居届けも未提出の引越し数日後、何の前触れもなく彼は突然やって来た。

「新聞とって下さいよぉ」

年齢不詳の怪しい中年男性である。

「一か月分サービスしますからぁ」

オッサン、手にした新聞を高く掲げる。

そして、オッサン、袋からにわかに取りい出したるは・・・

「これ、サービスに付けときますからさぁ」

なんと!それは!!

1970年代後半、ようやく一般にも普及し始めたかと思われる 『電卓』 であった。
これは、言うまでもなく、『電子式卓上計算機』 のことである。

あれは確か小学校四年生の頃だったであろうか、算数の『そろばん』の授業が、風邪を引いて学校を休んでいる間にまるまる終わってしまっていた!という哀しい事件以来、そろばんが出来ないことに異常なまでのコンプレックスを抱き続けていた私、である。

こんな私が、目の前にぶら下げられた餌・・否・・景品である電卓に、心動かされぬわけが無い。

「わかりました。とります」

思わずそう応えてしまったのだが、新聞一ヶ月サービスよりも、電卓をもらえたことがただひたすら嬉しかった。
微かな記憶によると、それはシャープであったかに思う。
ボタンの仕様も数字の表示も、現在のものと比べたら随分扱いにくいものではあったが、何しろ数字を打ち込めばご名算〜なのであるからこりゃ堪らん!

しかし、考えてみたら、国文科。
計算機使用の機会は特に無かった・・。




              つづく





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