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2009/11/11  15:36

昭和の下宿あれこれ 52  昭和な話

が、殆ど使わないにしても、自分専用の電卓をただで手に入れたことは、私を有頂天にさせた。

この場合、有頂天にさせる要素は二つある。

まず一つは、自分専用の電卓である、ということ。
そしてもう一つは、それをただで手に入れた、ということである。

電卓のどこが嬉しいのかと疑問に思われるかもしれないが、当時は確かに嬉しかったのである。
現に、早速、「新聞とったら電卓がおまけについてきた」の巻を親や友人たちに話すと、決まって返事は、「へえ〜すごいなぁ!」だったのであるからして、当時それがどれほどすごいことであったは充分ご理解頂けることであろう。

そして、『ただで』という点。
これは、初めて自分が世間から一人前の大人として認められたような気にさせてくれたのである。

つまり、田舎から出てきた18やそこらの小娘なら「新聞一か月分無料にしますよ〜」程度のことで充分騙せたはずなのに、そこへ更に魅惑の『電卓』 を上乗せした、これ即ち、一人前の大人への対応、なのである。

※(注)全ては本人の錯覚か?といったご意見は一切承りません※

そんなこんなで思いがけず新聞をとることとなったのだが、これとて人生初めての経験。
なにしろ、自分一人のためだけに新聞が毎朝届けられるのであるから。

今まで、新聞といえば、ほぼ父の独占品であった。
よって、自分が読む頃にはもう既に紙はヘタヘタヨレヨレ。

それが、毎朝、新品のインクの香りを乗せて我がもとへやってくるのだから、こりゃもう堪らんのである。



            つづく





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