電車の
車両で
そこそこ人が乗っているときで
ぽつーんとひとつ席が空いていると
なんかあるんじゃないかと思って
なんとなく座らないままいて
周りの人もそんなかんじで
結局なんでもないのに誰もそこに座らないまま
何駅も過ぎることって
たまにありますよね。
それとは全く関係のない話ですが
今日、シャベルをもってワンのおさんぽをしているおじさんを見て
ふと高校時代のある出来事を思い出しました。
高校一年生のとき
部活が終わって真っ暗な時間に
自転車をしゃかしゃかとこいで
わたしは我が家へ向かっていました。
みちはほんとに暗かった。
なんだかこわくて
いつも朝よりちょっと早めにペダルをこいだ。
50メートルくらい先に同じ学校の制服を着た人が
やっぱり自転車をこいでいるのが見えていた。
すると、横道から犬を連れたおじさんらしき人が
わたしのすぐ前にでてきた。
何かを手に持っている。
心臓がとまりそうになった。
はっ・・・・・
ナイフだ・・・・・
全身が凍りついた。
遠ざからなきゃ・・・!
とっさにそう思って
わたしはものすごく不自然におじさんをよけて
猛スピードで自転車をこいだ。
こわいよこわいよこわいよこわいよーーーーーーっ
わたしはほんとに泣きそうだった。
というか泣いてた。
追っかけてきてたら困る!とおもって
体中の筋肉を駆使して全速力で自転車を走らせた。
すごいスピードでこいだので50メートル先にいた
先ほどの同じ学校の生徒のところにすぐ追いついた。
同じクラスのカトウくん(仮)であった。
「カッ、カッ、カトウくん!!包丁もったおじさん、み、みみみみみ見た!?」
「えっ!?知らない!!!」
「あのあのあの、あのおじさん・・・包丁もって犬の散歩してるの!!
横とおっちゃったんだけど、もう、すっごい怖・・・・あああああ」
「マジで!?やべーよ、こえぇ・・・・。あ、まじ、なんか持ってる・・!」
「だよね・・・!いやいやいやいや、とりあえず早く行こう!!」
しゃかしゃかしゃかしゃか
安全なところまで逃げた。
「明日いちお学校に言ったほうがよくね?あぶねーよ。」
「うん、そう思う。わたしタケダ先生(仮)に言っとく!」
「それがいいな!」
翌日、わたしは担任教師にその様子を詳細に報告した。
「なにっ!?それはまずいな。ほかにも目撃情報が出てるかもしれないな・・!
よし、わかった、上に報告しておく。気をつけるんだぞ山田!」
「はいっ!!」
その日の帰り
わたしの報告により、我が部は早めに家に帰された。
まだ、明るい。
今日は大丈夫だろう。
そう思って昨日の場所あたりに差し掛かったとき
「・・・いる!!」
また同じおじさんが
「いいいいいいいいいいいい、いる!!!」
学校にソッコウ戻ろうとしたその瞬間
おじさんの持っているものにわたしの目は釘付けになった。
シャベル・・・・・・・?
えっ?
あれ・・・・シャベル・・・・?
シャベルは横から影だけを見ると
包丁のように
見えるんです。
暗いところで
そうみえるんです。
サカタトシオのようなまんまる顔で
にこにこと愛犬の散歩をしているおじさん。
ごめんなさい。
カトウくんごめんなさい。
先生ごめんなさい。
みなさんごめんなさい。
「山田、あの不審者の目撃情報はまだ出てないようだ。とにかく、情報ありがとな!きをつけろよ!命はひとつだぞ!」
「あ、いえ、そんな・・・・そうですか・・・はい、きをつけます・・・」
ちーーーーーーーーーーん。

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