『モンタージュ なぜ夫が?突然の家族パニック』
放送日:1987年5月4日 フジテレビ 月曜サスペンスシリーズ夏樹静子サスペンス
監督:高橋繁男 脚本:石松愛弘
連続カミソリ魔の5人目の被害者の証言に基づいて作られたモンタージュ写真。早速、新聞に公表されますが、それを見た主婦・守尾日出代(沢田亜矢子)は我が目を疑う。なんと、夫・朗(本田博太郎)そっくり。その日の朝まで愛想よく挨拶などしていたご近所は、日出代を見れば目引き袖引きしてヒソヒソ話。刑事(左右田一平と粟津號・・・らしい)が家へも、朗の会社へも事情を聴きにやってくる。結果、息子は学校へ行きたがらない、朗は、身に覚えのないことながら事情がはっきりするまで自宅待機、出社に及ばずとやら。
なんで朗そっくりのモンタージュ写真が出来上がってしまったのか?そもそも、モンタージュ写真作成に協力した被害者とは誰か?守尾夫婦は、5人目の被害者が成子(萩尾みどり)と知って、問いただしに出かけます。新聞記事に被害者の住所氏名まで載ってるとこういうことになるんだな。成子は弟(佐野史郎)と二人暮らし。
そうこうするうち、再び連続カミソリ魔が犯行に及んだところを現行犯逮捕・・・で、メデタシメデタシでは終わりません。日出代が、似ても似つかぬモンタージュ写真について成子を問い詰めると・・・知らなきゃよかった夫・朗の過去!
罪のなさそうな顔をした朗ですが、さることにつき身に覚え無きにしも非ずだったワケ。
成子を問い詰める日出代の主婦らしいイヤらしさが圧巻。ここで沢田亜矢子に好感は持てなくても、一種のどんでん返し後の気の毒さと好い対照で、やっぱり名演技というんだろうな。
博太郎さんは、どうってことはないけれど、目の部分を入れ替えて、モンタージュ写真が博太郎さんそのものの顔になってゆくプロセスが面白い。目の部分に何もはいらない状態でも、口元がどう見ても博太郎さんなんだけど、そこに違う目が入ると全く別人になってしまう・・・目って大事。
このドラマの中では、新聞に公表されたのはモンタージュ写真そのものではなくてモンタージュ写真をもとに描いた似顔絵です。複数の人物のパーツを組み合わせた不自然さを減らすためか。・・・ドラマのモンタージュは結局全部博太郎さんのパーツなんだろうけど?
今なら、そのあたりはCGでごまかせると思うのですが、そうするとモンタージュ写真が顔写真そのものに見えてしまう。モンタージュじゃなくて顔写真に見えるというのも、困るんだそうです。顔写真なら、少しでも違っているとこの人じゃないとなってしまうとか。その点、荒削りの似顔絵のほうが雰囲気や特徴がくっきり表わされる→容疑者に結び付くんだそうです。

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