『刺客請負人 シーズン2 第1話 孤臣、再び』
放送日:2008年7月18日 テレビ東京系 金曜時代劇
監督:石原 興 脚本:金子成人
昨シーズンの初回とおなじ、率直でかわいくて凛とした菊姫様(小林涼子)の吉松藩お家騒動でした。昨年は、死せるジイ(福本清三)生ける刺客を走らすでしたが、今年は婿候補二人。原作では菊姫様は早くに死んでしまって松葉刑部(村上弘明)の心の主君みたいになってしまいましたが、イヤ、お元気で何より。
芝居小屋の黒子として江戸に戻っていた闇猫のお吉(若村麻由美)。キリキリキリ、バラランとか琵琶の音が彼女用になってるのネ。闇医者・道八(本田博太郎)が、お吉を迎えにやってくる。挨拶したうえ言うことには「何も取って食おうというワケじゃねぇ!」(そう言ってますが、道八はよく飲み食いしてますよ。)
道八がお吉を伴ってやってきたのは、研藤・藤次郎(綿引勝彦)のところ。道八もお吉も歩き方、挙措がひっそりしていて、怪しいっちゃ怪しいし、猫っぽいといえば猫っぽい。闇猫姐さんはともかく、道八が猫?長火鉢の傍らでうずくまって、扇子の陰でひっそり笑うとか。
北町奉行所のまともな同心・岩切伊十郎(山田純大)が手裏剣を与力・神崎七五郎(水上保広)に届けると、神崎がそれを藤次郎のところに打ち込んで小判を手に入れ、手裏剣のほうは闇医者営業中の道八が狐火の才蔵(長江英和・・・『御家人斬九郎3 第4話 三十六人斬り』赤札久五郎の手下だ!)に痕跡を残した、シクジリだと戻してやる。刑部を仕留めたがる才蔵に、請け負った以外で殺しをすると「頭が・・・おこる・・・」ぷいっとあっちを向いて行ってしまう間がいいですね、道八。
道八が調剤した薬包を何者かに渡すと、菊姫様んとこのお毒見役が殉職する。なんじゃ?菊姫暗殺計画として出来が悪いけれど、毒使い道八の紹介用でしょうか。
お吉が彼女の名を騙った才蔵とやりあってるそばでひたすら飲んでる道八。と思ったら「いいねいいね、その顔そそる」とか拍手したりとか。そんな奴かと思ったら、お吉の眼の前で障子をぴしゃりと閉める。意外と鋭いじゃん。
請け負った仕事は消えたのですが、藤次郎が伝えに来た時、道八はせっせと何か食べてますネ。ふと、『平成残侠伝 血闘』(東映ビデオ 1999.05.14)の寺田など思い出したりしました。
軽くて重い、鈍くて鋭いのかな、道八は。
今回、印象的だったのは、閉められる木戸や障子。道八も、お吉のところで木戸を閉め、藤次郎がお吉の過去にまつわる話をするそばで次々に障子を閉め、そして、お吉の鼻先で障子を閉める。
いろんな人が出てました。
菊姫様の父、吉松藩のお殿様はどこかで見たよなぁ・・・そうそう、『剣客商売2 第2話 暗殺』の不良殿様・杉浦丹後守役の立川三貴。博太郎さん演ずる用人・鈴木市兵衛といいコンビでした。
悪だくみの張本人、長居伊賀守が大出俊。立川三貴は途中で思い出しましたが、この人は、クレジットを見て、ああ、そうだったとわかりました。NHK大河『徳川家康』DVDで何度も見た顔でした。
芝口の木戸番・嘉助が米倉斉加年。嘉助おじさん、ジツハ・・・という雰囲気。『仕事人 VS オール江戸警察』の鳥居耀蔵様だもの。
などなど・・・
この頃のテレビ東京の時代劇は、脇役陣が豪華・重量級。

1