『続・獣のように』
リリース:1990年10月12日 東映ビデオ VRTM01070
監督:岡 康季 脚本:大工原正泰
青天会の三代目はまだ決まっていなくて、そこへ関西・ナニワ会の港興業の天神(五代高之)が進出してくるというオハナシです。青天会の組長たちは、『獣のように』の悪役・黒崎といい、『続・・・』のほうで天神に利用される青田(鶴田忍)といい、青田に殺される赤川といい、他にも白石というのもいて、みな色のついた名字です。竹田健次(清水宏次朗)は組長になってオフィス竹田というのを構えていますが、色の名字ではないネ。
天神は全国制覇を目論んでいますが、何故か、自分が倒すべき相手は健次と思い定めている。で、オフィス竹田の真向かいに港興業の事務所を開きます。
『獣のように』のラストでどっかへ行ってしまう朝比奈竜三(本田博太郎)が、どーしょーもない飲んだくれになって街をうろついています。朝比奈竜三はその世界では有名人だったらしく、ワンカップなんとか片手によれよれのレインコート来てフラフラしているのを見かけた港興業の工藤(山西道弘)たちは、竜三と知って取り囲んでイジメはじめます。路上にこぼされた酒を這いつくばって啜るなんて、その惨めさ情けなさが何ともカッコいい。ショッピング帰りに見かけた桃子が金切り声あげて駆けつけて、竜三を助けて家に連れ帰りますが、竜三は酒を求めて大暴れ。竜三はベッドに縛り付けられ、健次は家中の酒という酒を流しに捨ててしまう。
で、健次は竜さんが何を苦しんでいるのか、何で悩んでいるのかわからない、桃子と健次の手で治してやろう、というワケ。
竜三は、健次と桃子のもとから、竜三と健次のふたりで伸し上がろうとした夢から逃げだして、路傍の飲んだくれにもどりますが、健次の危機を知ってもどってきます。
『獣のように』より、もっとコミックっぽい感じで、気恥ずかしいようなクサイ場面やセリフがいっぱいですが、とにかく娯楽作品なのだ!竹やり状の鉄パイプがトラックの荷台から襲いかかるシーンなんて、美しくも怖い。車もオートバイもアクションいっぱい(しかし、竹田健次クン、波打ち際をバイクでこねくり回すのはやめましょう!)
健次ら竹田組+再生した朝比奈竜三 vs 天神ら港興業の対決シーンなど、機関銃に手榴弾、噴水よろしく吹きあがる血潮とか、そのへんはとても華々しい。火炎放射器構えた朝比奈竜三なんて、コマンドー状態ですからネ。
『続・獣のように』も主役は竹田健次ですが、朝比奈竜三のどん底と再生の物語でもあります。再生して、天神たち相手に火炎放射器で大活躍しますが、燃料切れ。だからといって、何でボンヤリ突っ立って撃たれるかな?
ま、そんなビデオです。
『コマンドー』のシュワルツネガーみたいな朝比奈竜三が頭に巻いている布切れは『獣のように』で桂木源一(ジョニー大倉)に救われたことを回想するシーンでも巻いていたネ。物持ちがいい朝比奈竜三。さらに、物持ちがいいことに、『仕切り屋五郎』(1995年7月21日 SHSプロジェクト)のホームレスも頭に巻いている!

0