読み解いていくと・・・  児童デイサービス

 4月のある日、新一年生を迎えて「はじめまして会」を行いました。「はじめまして」と言っても、親子療育教室を卒業したメンバーの子ですので顔なじみです。司会進行を務めてくれたSくん、それぞれの自己紹介やおやつの紹介、Gくんの歌のプレゼントなどなど、心のこもった盛り上がった会となりました。

 そんな楽しい会の中、一人だけ険しい表情のHちゃんが居ました。Hちゃんにとって「小さい子」は「予想外の動きをする子(自分の大事なものを触る、持って行かれるなどなど)」少々苦手意識があるようです。反面、自分も「小さい子」になってみんなに甘えたい、やさしくしてもらいたいのでうらやましい?気持ちもあるように思います。(また、この日は定員に空きが出て急にHちゃんを呼んだため、事前にはじめまして会のお話も出来ておらず、Hちゃんにとって、はじめまして会は「急な出来事」でした。)

新一年生に向かって
「じゃま!」「近寄らないで!」「帰ってほしい!」
とプンプン怒りながら私に訴えてきます。
「もう一年生になったから小さい子じゃないんだよ。小学生になったからこの時間に来れるようになったんだって!」
と声をかけるとふんふんそうなのかという表情でうなづいていましたがまだまだ受け入れられない様子。
Hちゃんの製作専用コーナー(居場所)には、折り紙やメモ帳やはさみやのりが置いてあります。(滑り台や三段ボックスで囲いが出来てきてお部屋のようになっています。そして、作りためたものが盛りだくさん。)そのHちゃんの居場所に一緒に入った私は、なんとか、はじめまして会にHちゃんがかかわることができないかと思い、ふと、Hちゃんが折り紙で作って置いてあったメダルをみつけました。
「プレゼントしようか?」
と聞くとふんふんと頷くHちゃん。
「お名前書いてあげたら?」
と言うと
「Kさんが書いて!」
と言います。結局、苗字を私、名前をHちゃんが書きました。そして、「Hより」と自分の名前はしっかり書いてくれました。
出来上がったメダルを新一年生の二人にプレゼントすると、
「わー!ありがとう!!」
と、とてもとても喜んでくれたのです。思っていた以上の反応にHちゃんも照れくさそうにいしていました。

そしてその直後のこと。
「ねえねえ、こうやってするのある?」
と風船を膨らますジェスチャーをするHちゃん。
「うーん、どこにあるかな・・・何するの?」
「風船膨らます!」
「お口で膨らましたら?」
「白い粉がつくからイヤ!」
「確かに白い粉つくのイヤよねー」などと話をしていくと
「風船の中にコレを入れたい!」
と言って、広告を細かく切ったものを指差します。
「コレ入れるのはなかなか難しい!」
「そうだね、私がここ(風船の口)開いておくから、Hちゃんが入れてみたら?」
と言うとふんふんとうなづきます。そして続けて
「ぶらさげたい!」「くす玉みたいにぶらさげたい!」「そして割る!!」
ここで、ようやく私は気付きました。
「もしかして、はじめまして会だから風船をくす玉みたいにぶらさげて、おめでとう!って割ってあげたいの?」
「そう!」
と、満足そうに即答してくれました。
そこからは、風船を膨らますことやぶら下げるところまでスタッフに手伝ってもらいながら完成させ、無事に割ることができました!!

Hちゃんにとって、頭の中ではきっと「こうやってするのある?」と風船を膨らますジェスチャーをしたときから、くす玉を作って割ってお祝いしてあげたいという思いがあったのだと思います。
「お祝いしてあげたいから、くす玉作りたい。手伝って!」
と言えば簡単なことですがHちゃんの口からは「こうやってするのある?」というところからスタート。きっと、これは今までも誤解をされることが多かったり、伝わらなくてもどかしい思いやイライラすることがあったのでは?と感じました。
この出来事から、ことばのひとつひとつを丁寧に読み解きながら(考えながら)会話をすすめることがHちゃんの本当の思いや願いにつながるのでは?と思っています。それはただ単にことばかけをたくさんする、代弁するということではなく、Hちゃんの声にしっかり耳を傾けながら、どんな思いが隠されているのか?かかわっていくことが最も大切であると改めて感じました。
そして、一見、一人の空間を好んでいるように見えるHちゃんと、周りのお友だちとの接点をどう作っていくか、その上でお互いに認め合える場面や喜んでもらう場面、役に立った自分を感じることができる場面をどう作っていくのか、スタッフ間で意見交換しながら支援を考えていきたいと思っています。
難しいことだと思うのですが・・・
なんだかワクワクしますね

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