赤バットの元巨人軍川上監督の訃報を知った。丁度、日本シリーズ中で、彼が監督のとき成し遂げた9連覇以来巨人の連覇がなかったことを知り意外に思ったのである。アンチ巨人派には結構なことではある。巨人フアン以外は出世出来ない、平家に非ずば人に非ずとまで言われた以上の憎たらしさが9連覇当時の巨人軍にはあった。
なぜかこの球団だけが「軍」という威圧を球団名につけ他球団を見下げていた。それを是正しようと考えられたドラフト制度でも、逆指名、入団拒否、野球浪人、政治家を使ってのトレードなどで巨人軍あってのプロ野球とまで言わしめた奢りがあった。
川上哲治を語る場合、藤村富美男と対比しなければならない。夏の全国中等学校野球大会(現高校野球)の決勝で、川上の熊本工、藤村の呉港中が対戦し、藤村に凱歌が挙がって以来の好敵手になった。
草創期のプロ野球(職業野球)に、共に投手として入団したが、打者に転向して大成している。川上の赤バット、大下弘の青バット、藤村の物干し竿は、戦後の暗い時代に国民に希望を与えていたことを忘れてはならない。
長嶋茂雄、松井秀喜が国民栄誉賞を受賞して、川上哲治が、何故に受賞されないのかをアンチ巨人派は考えているところである。
日本シリーズの行方を注目したい。
―今日のわが愛誦俳句
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わがいのち菊にむかひてしづかなる 水原秋桜子
―今日のわが駄作詠草
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芋たべて粥をすすりて野球する
バットは赤き焼跡広場
ヒットを打ちたい、リーディングヒッターになりたいと焦っているうちは、球が見えない。欲に目がくらんで・・・。
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