毎月、第4月曜日にある「街をきれいにしよう」パトロールの日であるのだが、午後2時50分の時点で、篠を突く雨になっていた。案内には、荒天中止、雨天決行という表記になっていて区長をはじめいつもの面々が勢ぞろいしていた。結局、アーケドの下だけになり半分以下のコースで済ませることになった。
春日八郎が歌っていた
『雨降る街角』のフレーズに、
「辛いだろうが やぼな事言うでない これきり逢えぬ 二人じゃないさ せめて震える 肩を引き寄せ 揺れて歩けば 雨が降る ああ 別れ街角」 こんな歌があったことを知らない世代のカップルがパレードの側を諍いながら歩いていた。突然、噛んでいたガムを歩道に吐き捨て、口論がはじまった。
思い出したのは、昨日京都の帰りの車中で前に立った三人の雲水のことである。素足に草鞋(わらじ)の独特の雲水スタイルが其処にあった。話しかけようとしても寄せ付けぬ緊張感に満ちた雰囲気を持っていた。その草鞋を履いた足元を写真に撮らせて欲しいと言われぬ間に「中書島」駅で降りたので、多分、「万福寺」の禅僧であろうかと思った。そのあとに乗り込んで来た若い女性が横に座ったのはよいが、終始ガムを噛み、メールを始めた。が、その口臭から大蒜が漏れてきて不快極まりなきことになってしまった。言うべきか言わざるべきか辛抱の時間が過ぎていた。
「京橋」駅で彼女が降りてようやく平穏無事の時間が訪れた。
そんなことを考えながら、ガムを路上に捨てて口論をはじめた二人をにらみつけるより仕方がなかった。

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