季節の移ろいは正直で、春の訪れを感じる陽気になってきた。昨年11月4日、喜寿を契機に歯の治療と家の台所、風呂などのリフォームを同時にはじめた。まだ倉庫など一部が来月からはじまるのだが、歯の方はまだもう少しかかるということらしい。それでも右上にブリッジが架けられ二本の義歯が見事に輝いた。その間、一人別棟で就寝しているのだが、眠られぬ折などに読んでいたのが昨夜4冊目を読了した。吉村昭の
『黒船』で、ペリー艦隊来航時、主席通詞(通訳)としての重責を果たしながら、思いもかけぬ罪に問われて入牢すること四年余。その後、日本初の本格的な英和辞書を編集した堀達之助の一生を克明に描き、開国から維新へ未曾有の激動期に生涯一通詞を貫いた男の苦悩と悲哀を描いた力作である。
さて次は、何を読もうかなとまだ整理しきれてない書斎から、P・Kヒッティの
『レバノンの歴史』をひっぱり出してきた。過激派組織「イスラム国」に拘束された2邦人の生死は72時間過ぎてもなお杳として分らない。その「イスラム国」が主張する勢力範囲の地図を眺めていたら隣接している国である。イスラム教とはわれわれ日本人には分り辛いことを少しでも理解しようと努力することにしたい。
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