春は近づいてはいるが、朝から雨が降り続いている。年が明けて明るさが少ない日々が続いている。戦後記憶に残るきょうの出来事を調べていたら、@帝銀事件(1948)A法隆寺金堂火災、壁画焼失(1949)B大阪、三菱銀行北畠支店に猟銃男。客と行員30人以上人質。警官、行員各2名射殺。(1948)と歴史に残る特異な大事件が起こった日である。@は帝国銀行椎名町支店で、厚生省の役人を称して、赤痢予防薬と偽った青酸カリで行員12人を毒殺し、画家平沢貞道を7か月後に逮捕したが、死刑が執行されぬまま95歳で死亡するまで刑務所で生きた。という事件。Aは出火の2日前、法隆寺の境内に住む女性に毒入りの菓子が届く事件があり、放火ではといわれたが結局は電気座布団の漏電と判明、昭和の名僧、佐伯定胤法隆寺貫主をして「お止めくださるな。私はあの火の中へいかねばならん。手を放してください。」と燃えさかる金堂に飛び込もうするのを寺僧たちは懸命に押しとどめた。Bは、梅川という猟銃を持った犯人が2日間行内の人質を盾にした猟奇事件である。
今般はおぞましい、過激派組織「イスラム国」の人質さわぎである。当初は2邦人に対する身代金の交渉であったが、一人を殺害後、身代金ではなく、囚人との引き換えに変わったことである。
きょうあった日本の戦後の事件を人質という観点からいろいろ考えたとき、この度の「イスラム国」の手法の陰湿さを痛感するところである。
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