大阪は温暖な風土に恵まれている土地柄であることをつくづく思っているところである。深夜から雪が降るかもの予報はあったが降らず雨であった。全国的な大雪予報で、東京都心の霏々と降る雪をテレビの映像で眺めながら、ここ大阪は天災もなく有難いことであると思いつつ定例の血圧検診に出掛ける。旧年以来のことで、新年早々のインフルエンザの結末を伝えておく。早速カルテに書き込まれていた。後期高齢者となればかなりの気の使われ方がされているようだ。そのあとは歯科医が待っていた。一週間前に入れた右上前の調子を問われる。上顎の前歯が黒ずんでいるのでレントゲンで調べられ虫歯であることが判明され抜歯を進められた。死顔を美化しようとする気は毛頭ないのだが、皓歯のなかにある汚点を取り除いて置こうという気分になった。自分にとっては珍しい感情のゆらめきを覚えた次第である。手術後や抜歯後の痛み、炎症をおさえるロキソニン錠が出された。
寒い日であるのか、粕汁が夕餉に供されていた。お代わりをしてすっかり温もったか、歯の痛みが感じられなくなっていた。
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