今度の天皇、皇后両陛下のフイリピン訪問を連日注目している。日米両軍の戦いで日本人は52万人、フイリピン住民の犠牲はそれに倍するという。
連日のように襲いかかる敵爆撃機
抵抗する術を失った日本軍は
その度に密林の中へと逃げ込んだ
激しく撃ち込まれる銃撃の嵐
密林に慟哭が走る、母親の名を絶叫する者
妻や子供の名を叫び続ける声、
ジャングルは騒然とざわついた
やがて兵士達は戦死する事が祖国へ還れる
唯一の道と信じるようになった
と、詩人大原勝人の呟きに当時のフイリピンの激戦の様子を想起してこころが痛む。両陛下はまず無名戦士の墓を訪れ、つぎに日本側の戦死者の慰霊に行かれると聞く。戦後60年経ってようやくその鎮魂の旅に重みを感じる年齢になったことを思っているところである。
(暗転)。 昨日から山陰の浜坂にカニツアーに行っていた知人からお土産にいただいたカニをせせりながらテレビを観ていたら、甘利経済担当大臣が建設会社からの現金の授受を認めて辞任するとの記者会見が飛び込んで来た。アベノミクスの推進役を自認する甘利氏としては、国会議員、大臣、政治家としての矜持(きょうじ=自分の能力を信じていだく誇り。プライド)を捨てたのか、安倍政権にとっては手痛い一石を投げてしまったようである。
一月もわずかに残る日にちを考えると、きびしい年明けであるようだ。
・きょうのわが駄作詠草
不意に来る政治家の自負崩れる日カニをしゃぶれば甘き味する

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